最終更新日:2025/11/10

〈U〉《…に対する》 あわれみ,深い同情 《on, for ...》

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元となった辞書の項目

compassion

名詞

〈U〉《…に対する》 あわれみ,深い同情 《on, for ...》

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彼女はホームレスの男性に対して大きなあわれみを示しました。

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解説

以下では、英単語 “compassion” をさまざまな角度から詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

意味(英語 / 日本語)


  • 英語での意味: Compassion is the sympathetic concern for the suffering of others, paired with the desire to help them.

  • 日本語での意味: 「他人の苦しみに対して寄り添い、それを和らげたいと思う気持ち」を指します。いわゆる「思いやり」「慈悲」「哀れみ」に近いニュアンスで、相手の状況を理解して助けようとする感情です。

「compassion」は人が他者の痛みや苦しみを感じ取り、何とか助けたい、力になりたいと思う場面で使われる単語です。ややフォーマルな響きがあるため、文章や改まった会話、あるいは深いテーマを扱う文脈でよく見られますが、日常会話でも「思いやり」の強調として使用されることがあります。

品詞


  • 名詞 (noun)

活用形


  • 「compassion」は不可算名詞(数えられない名詞)として扱われるのが一般的で、形による変化はありません。

他の品詞への派生


  • 形容詞: “compassionate” (例: a compassionate person「思いやりのある人」)

  • 副詞: “compassionately” (例: to speak compassionately「思いやりをもって話す」)

CEFR レベルの目安


  • B2 (中上級)


    • ある程度豊富な語い力が必要で、抽象的な話題や感情を説明するときに用いられる単語です。



2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • 接頭語 “com-”: 「共に」「ともに」という意味を与えます。

  • 語幹 “passion”: ラテン語で「苦しむ」という動詞 “pati” に由来し、「強い感情」「苦しみ」という意味をもちます。

  • “compassion” は基本的に「苦しみを共にする」というニュアンスから生まれた単語です。

関連語・派生語


  • “compassionate” (形容詞): 思いやりのある

  • “compassionately” (副詞): 思いやりをもって

  • “compassionlessness” (名詞): 無慈悲、無情(稀な単語)

よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)


  1. show compassion(思いやりを示す)

  2. have compassion forsomeone(誰かに対して思いやりを持つ)

  3. feel compassion(思いやり・慈悲の気持ちを感じる)

  4. treat someone with compassion(誰かを思いやりをもって扱う)

  5. lack compassion(思いやりが欠けている)

  6. genuine compassion(真の思いやり)

  7. compassion fatigue(「思いやり疲れ」、他人の苦しみを見続けることで疲弊する現象)

  8. deep compassion(深い思いやり)

  9. out of compassion(思いやりから~する)

  10. evoke compassion(思いやりを喚起する / 呼び起こす)


3. 語源とニュアンス

語源


  • ラテン語の “compassio” から来ており、その由来は “com-” (共に) + “passio” (苦しみ) です。「共に苦しみを感じる」というイメージが根底にあります。

ニュアンス


  • 「compassion」は、単に相手をかわいそうと思うだけでなく、「相手を助けたい」という積極的な思いが含まれます。

  • 「sympathy」や「pity」は相手に対して同情する気持ちを伝えますが、「compassion」には、それを乗り越えて何か行動を起こしたいというニュアンスが強く表れます。

  • カジュアルすぎる会話ではあまり頻繁に用いられないものの、心の状態や優しさを語るとき、文章やスピーチなどで広く使われます。フォーマル〜セミフォーマルな場面で使われる頻度が高いです。


4. 文法的な特徴と構文


  • “compassion” は不可算名詞です。そのため “a compassion” のように冠詞 a/an を付けず、「show compassion」や「have compassion」のように用いるのが一般的です。

  • 「compassion for someone/something」の形で、「~に対する思いやり」という表現をよくとります。

よくある構文やイディオム


  1. “to have compassion for + [人・動物など]”


    • 例: I have compassion for the victims of the disaster.


  2. “to feel compassion toward + [対象]”


    • 例: She felt compassion toward her struggling friend.


  3. “in a spirit of compassion”


    • 例: We must act in a spirit of compassion.



  • 文体としてはフォーマル/セミフォーマルな印象がありますが、カジュアルな会話でも「I really appreciate your compassion.」などと言うことはあります。


5. 実例と例文

日常会話での例文


  1. “I always try to show compassion to people who seem upset.”


    • (いつも落ち込んでいるように見える人に思いやりを示すように心がけているの。)


  2. “He treated the injured bird with compassion and took it to the vet.”


    • (彼はそのケガをした鳥に思いやりをもって接し、獣医さんのところに連れて行った。)


  3. “I felt great compassion for her when she lost her job.”


    • (彼女が仕事を失ったとき、私は深い同情を感じた。)


ビジネスシーンでの例文


  1. “Our company’s core value is compassion toward both clients and employees.”


    • (私たちの会社の中核的価値は、顧客と従業員どちらにも思いやりをもつことです。)


  2. “Demonstrating compassion in leadership helps build stronger teams.”


    • (リーダーシップにおいて思いやりを示すことは、より強いチームをつくるのに役立ちます。)


  3. “We must respond to customer complaints with both efficiency and compassion.”


    • (顧客のクレームには、効率とともに思いやりを持って対応しなければなりません。)


学術・専門的な文脈での例文


  1. “The study investigated the effects of compassion on mental well-being.”


    • (その研究は、思いやりが精神的健康に与える影響を調査しました。)


  2. “Compassion is considered a key factor in patient-centered medicine.”


    • (思いやりは、患者中心の医療における主要な要素として考えられています。)


  3. “Philosophers have long debated the role of compassion in ethical decision-making.”


    • (哲学者たちは、倫理的な意思決定における思いやりの役割について長い間議論してきました。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. “sympathy”(同情)


    • 相手の気持ちを理解し、相手の悲しみを分かち合うという意味ですが、必ずしも「助けたい」という行動のニュアンスは弱めです。


  2. “empathy”(共感)


    • 相手の立場に自分を置いて感情を共有する意味が強く、相手の視点・感情を追体験しようとする姿勢を表します。


  3. “pity”(哀れみ)


    • 相手を気の毒に思う感情で、時に上から目線の印象を与える場合もあります。


反意語


  • “indifference”(無関心 / 無頓着)


    • 相手の苦しみに対して気にかけない、または心を動かされない状態を指します。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号 (IPA): /kəmˈpæʃ.ən/

  • アクセントは第二音節「-pæ-」に置かれます。

  • アメリカ英語とイギリス英語でもほとんど同じ発音です (アメリカ英語では [kəmˈpæʃən]、イギリス英語でも [kəmˈpæʃ(ə)n])。

  • よくある間違いとして、第一音節の母音を強く発音してしまい、「カムパッション」と聞こえにくいケースがあります。第二音節にストレスを置くように意識してください。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミスとして “compasion” (p がひとつ抜けた状態) や “compassionn” (n が重複してしまう) などがあります。

  • 「sympathy」「empathy」「pity」と混同しやすいですが、「compassion」には「相手を助けたい」という積極的な感情がより強く含まれる点が大きな違いです。

  • TOEIC や英検などでは、ビジネスシーンや社会的な文脈などで「慈悲」「思いやり」「寄付活動」などに関連して出題されることがあります。一緒に「empathy」や「kindness」などの単語も対比として問われることが多いです。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「苦しみを“ともに”感じる」=“com-” + “passion” と覚えるとイメージしやすいです。

  • スペリングは “com + passion” (二重の “s” のあとは “i” ではなく “o”!) の部分に着目してください。

  • 「相手の痛みに“ともにパッション”を持って寄り添う」というフレーズを頭の中でイメージすると記憶に残りやすいです。

  • 感情系の単語は、実際の体験やドラマのワンシーンなどを想像しながら覚えると記憶に定着しやすくなります。


以上が “compassion” の詳細解説です。「相手の苦しみに共感し、それを和らげたい」という温かい気持ちを英語で形容したいときにはぜひ活用してみてください。

意味のイメージ
compassion
意味(1)

(…に対する)あわれみ,深い同情(sympathy)《+on(for)+

和英選択問題 / 準上級英単語(CEFR-J B2)

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