元となった辞書の項目
traverse
IPA(発音記号)
動詞
…‘を'『横切る』,横断する,渡る,越える / …‘を'あちこち動く,行ったり来たりする / あちこち動く;(山などを)ジグザグに登る / 横切る,旋回する / 横切ること,横断 / トラバース(登山での斜面横断) / 横木,横ばり / ざんごう内での方向転換
解説
1. 基本情報と概要
単語: traverse
品詞: 動詞 (verb)
意味(英語):
- to travel across or through something, especially an area of land or water
- to move or pass along or over
意味(日本語):
- 何か(特に土地や水域など)の上を横切る、通過する、移動すること
- 空間や領域を端から端まで行き来するイメージを表します
「traverse」は、「ある空間を横切る・縦断する・くまなく移動する」というニュアンスを持った動詞です。広い領域や困難な地形を乗り越えたり、あちこちを探索するような状況でよく使われます。
活用形
- 原形: traverse
- 三人称単数現在形: traverses
- 現在分詞・動名詞: traversing
- 過去形・過去分詞形: traversed
他の品詞形
- 名詞形: traversal (トレヴァーサル) – 「横断」や「 traversing の行為」を示す
- 形容詞形: traversable (トレヴァーサブル) – 「横断可能な」「 travers が可能な」
CEFRレベル目安: B2 (中上級)
- A1・A2レベルよりもやや高度な表現として扱われます。地理や旅行、技術的な文脈で使われることが多く、抽象的な文章でも見かけます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源的要素: 「trans-(横断して)」 + 「verse(進む・向かう)」。
- ただし意識しやすい派生語としては「reversal」「universe」などの“-verse”部分があり、言語的には「回す、回転する」や「道を行く」というイメージも内包しています。
派生語や類縁語
- traversal (名詞) : 横断、縦断
- traversable (形容詞) : 横断(踏破)できる
コロケーション・関連フレーズ(10個)
- traverse a desert(砂漠を横切る)
- traverse a mountain range(山脈を縦断する)
- traverse boundaries(境界を越える)
- traverse difficult terrain(困難な地形を横断する)
- traverse the globe(地球を巡る)
- traverse an ocean(大洋を渡る)
- traverse a vast distance(大きな距離を移動する)
- traverse a forest(森を横切る)
- traverse legal hurdles(法的ハードルを乗り越える)※抽象的用法
- traverse data structures(データ構造を走査する)※ITでよく使われる
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の「transversare」から来ており、「横切る」や「逆方向に動く」といったニュアンスを含みます。
- 中世フランス語を経由して英語に取り入れられました。
ニュアンスと使用時の注意:
- 「traverse」は、物理的に広い領域を「縦断・横断」するだけでなく、抽象的に「障壁を乗り越える」「議題を網羅する」「データを走査する」といった意味にも使えます。
- わりとフォーマルな響きを持ち、カジュアルな会話では「cross」や「go through」などを使うことが多いです。
- 論文、プレゼン、書籍など、文章では頻繁に見られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive verb) として使われることが多く、直接目的語をとります。
例: “We traversed the forest.” - しかし、文脈によっては自動詞的に用いることもあり得ます。 (例は多くありませんが、目的語が省略されるケースもあります)
一般的な構文
- traverse + 名詞(通過対象)
例: “They decided to traverse the canyon at dawn.”
イディオム
- 厳密なイディオムは多くありませんが、ビジネスや技術文書で「traverse the problem/issue」が「問題を包括的に検討する」など比喩的に使われることがあります。
使用シーン:
- フォーマル: 文章や学術論文、公式報告の場面で用いられる頻度が高い
- カジュアル: 日常会話ではやや堅い印象を与えるため、「cross」や「go across」の方が一般的
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “We decided to traverse the park instead of taking the main road.”
(メイン道路を使わずに公園を横切ることにしたんだ。) - “It’s faster if we traverse the field behind the school.”
(学校の裏手の野原を横切ったほうが早いよ。) - “I love adventures where I get to traverse unknown places.”
(知らない場所をあちこち巡るような冒険が大好きなんだ。)
ビジネス (3例)
- “Our team will traverse the entire customer journey to identify key pain points.”
(私たちのチームは、顧客がたどるプロセス全体を調査して、主要な課題を特定します。) - “We need to traverse multiple departments to gather all the necessary data.”
(必要なデータを集めるために、複数の部署を横断する必要があります。) - “To expand globally, we must traverse language and cultural barriers effectively.”
(グローバルに展開するには、言語や文化の壁を効果的に乗り越えなければなりません。)
学術的・技術的 (3例)
- “The explorer spent years traversing previously uncharted territories.”
(その探検家は、これまで地図に載っていなかった地域を何年もかけて縦断しました。) - “A depth-first search algorithm is used to traverse the graph systematically.”
(深さ優先探索アルゴリズムは、グラフを体系的に走査するのに使われます。) - “We need to traverse the domain of possible solutions to find the optimal one.”
(最適解を見つけるには、考えられる解の範囲を網羅的に検証する必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- cross(横切る)
- よりカジュアル。また、ある線や点を越えるイメージに特化。
- よりカジュアル。また、ある線や点を越えるイメージに特化。
- travel across(横断して旅行する)
- “traverse”を一般的な言い回しにした表現。
- “traverse”を一般的な言い回しにした表現。
- navigate(航行する、うまく進む)
- 船や車、飛行機、困難な状況などをうまく進む場合に使われる。
- 船や車、飛行機、困難な状況などをうまく進む場合に使われる。
- pass through(通過する)
- 広い範囲を「横切る」よりも、「ある一点を抜ける」というニュアンス。
- 広い範囲を「横切る」よりも、「ある一点を抜ける」というニュアンス。
反意語 (Antonyms)
- 明確な反意語は少ないが、強いて言えば「remain」や「stay」など「とどまる」ニュアンスの動詞が対照的。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /trəˈvɜːs/ (英), /trəˈvɝːs/ (米)
- イギリス英語: [truh-VURSS](第2音節“verse”が強め)
- アメリカ英語: [truh-VURSS](同じく第2音節にアクセント)
- イギリス英語: [truh-VURSS](第2音節“verse”が強め)
- 強勢は “-verse”の部分にあります。
- まれに「TRA-verse」と第1音節にアクセントを置く人もいますが、辞書的には第2音節に置くのが標準的です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “tra*verse” の **v* を忘れる、または a と e の順番を入れ替えて “travase” のように書いてしまうなどのミス。
- 発音: 第2音節を強く読むことに注意しましょう。
- 同音異義語: とくに “transverse” (横切る・横断の形容詞) と混同しないこと。
- 試験対策: IELTSやTOEFL、英検の読解問題などでややフォーマルな文脈に登場することがあります。TOEICではあまり頻出ではありませんが、技術的な文章で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “trans-”には「横切って」「超えて」の意味がある → “transport”, “transform”, “translate”などの単語と関連づける
- “-verse”は「回る」「方向」のイメージ → “reverse”, “universe”, “conversation” (語源は「共に回る」)
- イメージのストーリー: 広大な土地を横断して旅をする「探検家の姿」「障害を乗り越える登山家の姿」を思い浮かべると覚えやすいです。
- 文字数は9文字と比較的短めですが、「tr-a-v-e-r-s-e」と分けて一歩一歩進むイメージで綴るとスペルミスを防げます。
以上が「traverse」の詳細な解説です。地形やエリア、データ、問題を「横断する」イメージをしっかりと頭に浮かべて覚えると使いやすいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
…‘を'あちこち動く,行ったり来たりする
意味(2)
あちこち動く;(山などを)ジグザグに登る
意味(3)
横切る,旋回する
意味(4)
横切ること,横断
意味(5)
トラバース(登山での斜面横断)
意味(6)
横木,横ばり
意味(7)
ざんごう内での方向転換
意味(8)
…‘を'横切る,横断する,渡る,越える