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hatred
解説
以下では、名詞「hatred」について、学習に役立つように詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: hatred
品詞: 名詞 (不可算名詞として扱われることが多い)
意味 (英語): intense dislike or ill will
意味 (日本語): 「強い嫌悪感」や「激しい憎悪」を表す言葉です。
「誰かまたは何かに対して、強い憎しみや嫌悪を抱く」といったニュアンスを持ちます。悪意や深い敵意を示す際に使われるため、感情の強さが非常に大きい言葉です。
活用形
名詞のため、動詞のように時制による活用形はありません。同根の動詞に “hate” (憎む) があります。
- hate (動詞) – 憎む、嫌う
- hateful (形容詞) – 憎らしい、嫌な
- hater (名詞) – 憎む人、アンチ
※ “hatred” は名詞としてのみ使われ、可算・不可算どちらも見られますが、実際には抽象名詞としての不可算用法が多いです。
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級): 感情・主張を表現したり、抽象的な話題を扱う場面ではよく使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- hate (感情の根幹となる語幹) + -red (古英語から派生した名詞化語尾という説がありますが、現代英語では接尾辞の役割は意識されません)
関連語・派生語
- hate (動詞/名詞): 憎む、嫌う / 嫌悪
- hateful (形容詞): 憎むべき、忌まわしい
- hater (名詞): 憎む人、敵意を持つ人
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- hatred toward (someone/something)
- (〜に対する憎しみ)
- (〜に対する憎しみ)
- racial hatred
- (人種的憎悪)
- (人種的憎悪)
- religious hatred
- (宗教的憎悪)
- (宗教的憎悪)
- deep-seated hatred
- (根深い憎しみ)
- (根深い憎しみ)
- mutual hatred
- (相互の憎悪)
- (相互の憎悪)
- incite hatred
- (憎しみを煽る)
- (憎しみを煽る)
- sow hatred
- (憎しみをまき散らす)
- (憎しみをまき散らす)
- hatred of injustice
- (不正への憎悪)
- (不正への憎悪)
- breed hatred
- (憎しみを生む)
- (憎しみを生む)
- bitter hatred
- (苦々しいほどの憎しみ)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “hǣtred” (hate + -red) に由来。
- 中英語を経て現代英語の “hatred” となりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「非常に強い嫌悪・敵意」を表すため、通常の「嫌い」(dislike) や「憎む」(hate) よりも感情の強度が高いです。
- 口語でも使われますが、非常に強い感情を示すため、場面や相手、文脈に注意が必要です。
- フォーマル・カジュアルのどちらでも使われますが、公的な文書や演説では “hatred” を用いて強い非難を示すケースが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としてのみ機能し、自動詞・他動詞の使い分けはありません。
- 不可算名詞で扱われることが多いですが、「様々な種類の憎しみ」というように可算名詞として複数形 hatreds が使われる場合もまれにあります。
- 「hatred + 前置詞 + 名詞/代名詞」の構文で、対象を明確にする使い方が一般的です。
- 例: “hatred toward violence” (暴力に対する憎しみ)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I could sense his deep hatred for lying.”
(彼が嘘をつくことを深く憎んでいるのを感じたよ。) - “She said she feels no hatred toward anyone despite her past.”
(彼女は過去がどうであれ、誰に対しても憎しみを感じないと言っていた。) - “His hatred for spicy food is surprising; he won’t even try a mild curry.”
(彼の辛い食べ物に対する強烈な嫌悪には驚くよ。マイルドなカレーさえ挑戦しないんだ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We must eliminate any form of hatred or discrimination within the workplace.”
(職場内のあらゆる形の憎しみや差別を排除しなければなりません。) - “Hosting diversity training programs can mitigate hatred in the corporate environment.”
(多様性研修プログラムを開催することで、企業環境における憎しみを軽減できるでしょう。) - “The manager’s open-door policy reduced any lingering hatred among team members.”
(そのマネージャーの開かれた方針によって、チームメンバー間のわだかまりが消えていきました。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “Historical studies reveal how hatred has fueled numerous conflicts across the globe.”
(歴史研究は、世界中で多くの紛争が憎悪によって引き起こされてきたことを明らかにしている。) - “In social psychology, hatred is often examined alongside prejudice and discrimination.”
(社会心理学では、憎悪は偏見や差別とあわせて研究されることが多い。) - “This paper investigates the root causes of racial hatred within multi-ethnic societies.”
(本稿では、多民族社会における人種差別的憎悪の根本的原因について考察する。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- loathing (激しい嫌悪):より強烈な嫌悪感を指すことがある
- abhorrence (忌み嫌う感情):道徳的・倫理的に受け入れがたいものへの強い嫌悪
- detestation (大嫌い):個人的忌避感が強調される
- animosity (敵意):強い敵対心や反感
- hostility (敵意):相手を敵と見なす姿勢
※ いずれも「強い嫌悪」を表す点では類似していますが、 “hatred” は感情の内面的強さに焦点があり、場面によってどの単語を使うかで微妙なニュアンスが変わります。
反意語 (Antonyms)
- love (愛)
- affection (愛情)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈheɪtrɪd/
- アクセントは先頭 (heɪ-) に置かれます。
- アメリカ英語 / イギリス英語 ともに大きく変わりませんが、 /ɪ/ の部分が /ə/ に近く聞こえる場合もあります。
- 誤って “hate + r + ed” のように3音節で発音してしまうことがあるので、2音節「ヘイ・トリッド」に近い感覚で捉えるとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルは “hatred” で “hate + red” と書きます。 “hatread” や “hatered” と誤記しがちなので注意。
- 同音異義語はありませんが、“hat + red” と分割して覚えると覚えやすいかもしれません。
- 試験対策(TOEICや英検など)では、感情表現や社会的テーマ(差別・暴力など)に関する文章で出題されることがあります。文脈を理解し、名詞としての用法を確認することが重要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “hate” に名詞らしさを加えたものが “hatred” と覚えるとわかりやすいです。
- スペリングは “hat” (帽子) + “red” (赤) とも読めますが、実際は “hate” の名詞形。イメージとして「赤い憎悪の帽子をかぶっている」ように覚えるとユニークかもしれません。
- 感情を表す単語なので、思い出すときに憎しみの強いシーン(ドラマや映画のワンシーン)と結びつけると記憶に定着しやすいでしょう。
以上が、名詞「hatred」の詳細解説です。強い嫌悪心を表す語なので、使う場面や文脈には十分注意しながら学習・使用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…に対する)憎しみ,憎悪,《話》大嫌い《+of(for)+名》