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economics
解説
1. 基本情報と概要
英単語: economics
品詞: 名詞 (不可算名詞)
意味(英語): the branch of knowledge concerned with the production, consumption, and transfer of wealth.
意味(日本語): 経済の仕組みや、市場・資源などの動きを分析・研究する学問、いわゆる「経済学」。
「経済学」は、社会の中で財やサービスがどのように生産・分配・消費されるのかを研究する学問です。政治・社会・ビジネスなど幅広い分野と関連があり、経済の仕組みを理解したいときによく使われる用語です。大学の学問名としても一般的に使われます。
- CEFR レベル: B2(中上級)
- B2: 中上級レベル。ある程度長い文章や、抽象的なトピックについて理解し、それらを明確に説明できるレベルです。
活用形
- economics は不可算名詞のため、基本的には単数形で使われます。複数形は一般的ではありません。
- ただし文脈によっては社会科学としての「経済学の諸理論・諸側面」などを指し示すときに「Economics is…」や「The economics of this issue…」のような表現が用いられます。基本的に動詞は単数扱いです。
他の品詞形
- economy (名詞): 経済
- economic (形容詞): 経済の、経済に関する
- economical (形容詞): 経済的な、節約になる
- economist (名詞): 経済学者
- economize (動詞): 節約する
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語「eco-」: ギリシャ語の “oikos”(家、家庭、生活空間)に由来。
- 語幹「nom-」/「nomy」: ギリシャ語の “nomos”(法、管理)に由来する。
これらが合わさり、本来の意味は「家庭(生活空間)を管理する技術」→「経済全般を管理する学問」を表します。
派生語や関連語
- economics の学問領域としては、microeconomics(ミクロ経済学), macroeconomics(マクロ経済学)などがあります。
- また、behavioral economics(行動経済学), development economics(開発経済学)など、研究領域が多岐にわたります。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “behavioral economics” → 行動経済学
- “microeconomics course” → ミクロ経済学の授業
- “macroeconomics theory” → マクロ経済理論
- “economics department” → 経済学部
- “economics degree” → 経済学の学位
- “supply-side economics” → 供給サイドの経済学(サプライサイド経済学)
- “the economics of education” → 教育の経済学
- “advanced economics seminar” → 上級経済学セミナー
- “mainstream economics” → 主流派経済学
- “economics professor” → 経済学の教授
3. 語源とニュアンス
- 語源: ギリシャ語の oikonomikos(家政に長けた)→ oikonomia(家の管理)→ ラテン語→ 中英語を経て “economics” となりました。
- 歴史的背景: 古代ギリシャでは家庭管理術(家政術)を指していましたが、時代を経るにつれ、国家レベルの財政・経済を取り扱う学問領域へと拡大し、現代の「経済学」を意味するようになりました。
- ニュアンス・使用時の注意点:
- 大学の学問分野を指すフォーマルな名詞です。会話でも “I study economics.” のようによく使われます。
- ビジネスや社会問題の文脈でも “the economics of this situation” のように使われ、経済的側面やコスト分析などに言及するときに便利です。
- 口語で使う場合は説明調になることが多く、一般的にはアカデミックまたはフォーマル寄りです。
- 大学の学問分野を指すフォーマルな名詞です。会話でも “I study economics.” のようによく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 経済学(学問)として用いる場合: 不可算名詞として「Economics is …」と単数動詞をとります。
- イディオムや構文例:
- “The economics of (something)” → 「(何か)の経済的側面」
- “From an economics standpoint” → 「経済学的見地から」
- “The economics of (something)” → 「(何か)の経済的側面」
- 使用シーンの特徴:
- フォーマル: 論文や学術書、ビジネスレポートなど
- カジュアル: 学生同士の会話など、「大学で経済学を専攻しているんだ」などの程度
- フォーマル: 論文や学術書、ビジネスレポートなど
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文
- “I’m taking an economics class this semester, and it’s really enlightening.”
- (今学期は経済学の授業を取っていて、とても勉強になるよ。)
- (今学期は経済学の授業を取っていて、とても勉強になるよ。)
- “Her major is economics, so she knows a lot about market trends.”
- (彼女の専攻は経済学だから、市場の動向について詳しいんだ。)
- (彼女の専攻は経済学だから、市場の動向について詳しいんだ。)
- “Economics can help us understand why prices go up and down.”
- (経済学は、どうして価格が上がったり下がったりするのかを理解するのに役立つよ。)
5.2 ビジネスシーンでの例文
- “We need to consider the economics of implementing a new supply chain system.”
- (新しいサプライチェーンシステム導入の経済的側面を考慮する必要がある。)
- (新しいサプライチェーンシステム導入の経済的側面を考慮する必要がある。)
- “A solid understanding of economics is crucial for financial forecasting.”
- (経済学をしっかり理解していることは、財務予測には欠かせない。)
- (経済学をしっかり理解していることは、財務予測には欠かせない。)
- “The CEO’s background in economics helped the company navigate the recession.”
- (CEO は経済学の知見を活かして、会社が不況を乗り切るのを助けた。)
5.3 学術的文脈での例文
- “Recent research in behavioral economics has challenged traditional rational models.”
- (行動経済学における最近の研究は、従来の合理的モデルに異議を唱えている。)
- (行動経済学における最近の研究は、従来の合理的モデルに異議を唱えている。)
- “Keynesian economics played a major role in shaping post-war fiscal policies.”
- (ケインズ経済学は戦後の財政政策を形作る上で重要な役割を果たした。)
- (ケインズ経済学は戦後の財政政策を形作る上で重要な役割を果たした。)
- “We are studying the economics of climate change to propose sustainable solutions.”
- (持続可能な解決策を提案するために、気候変動の経済学を研究している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- finance (ファイナンス)
- 資金運用や投資の概念に重点がある。より具体的に企業や個人のお金の動きを扱う。
- 資金運用や投資の概念に重点がある。より具体的に企業や個人のお金の動きを扱う。
- political economy (政治経済学)
- 経済と政治の関係性を強調する古い呼び方。近代経済学の中核だった時期もある。
- 経済と政治の関係性を強調する古い呼び方。近代経済学の中核だった時期もある。
- economic science (経済学)
- “economics” とほぼ同義でフォーマル。学術表現として使われることがある。
- finance (ファイナンス)
反意語: 明確な反意語はありませんが、文脈によっては経済学的視点とは異なる “non-economic” な概念(たとえば “social perspective” のような社会的視点)を対比的に扱うことがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号)
- イギリス英語 (BrE): /ˌiː.kəˈnɒm.ɪks/ または /ˌek.əˈnɒm.ɪks/
- アメリカ英語 (AmE): /ˌiː.kəˈnɑː.mɪks/ または /ˌek.əˈnɑː.mɪks/
- イギリス英語 (BrE): /ˌiː.kəˈnɒm.ɪks/ または /ˌek.əˈnɒm.ɪks/
- 強勢(アクセント)の位置: “-nom-” の部分に強勢が来て、 “ee-kuh-NOM-iks” または “eh-kuh-NOM-iks” のように発音されやすいです。
- よくある誤り: “エコノミクス” と日本語風に発音すると強勢の位置が曖昧になりやすいので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “economics” を “economic” と混同しないように注意。
- 同音異義語との混同: 「economic(経済の)」は形容詞、「economical(節約になる)」も形容詞で違う意味。
- TOEIC・英検など:
- 経済分野の長文読解やリスニングで出題されやすい単語。
- 大学や研究分野、ビジネスシーンに関するテキストでしばしば目にします。
- 経済分野の長文読解やリスニングで出題されやすい単語。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “eco-” は “エコ” として「家・環境」を連想し、“-nomic” は「法則性的に管理する」をイメージすると覚えやすいです。
- “economy” や “economic” とセットで学ぶと、互いのスペルや意味の違いがより明確になります。
- 「家計簿をつけながら、社会全体の家計が集まったものが経済学」というイメージを持つと実感が湧きやすいです。
以上が economics(経済学)の詳細な解説です。経済全般や市場の動きを理解するとき、学習者にとっても不可欠な用語なので、ぜひ関連用語とあわせてしっかり学んでみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《単数扱い》経済学
意味(2)
《複数扱い》(国・人の)経済状態