元となった辞書の項目
faithful
解説
以下では、形容詞 “faithful” をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語と日本語)
- 英語:faithful = loyal, reliable, remaining true to someone or something
- 日本語:faithful = 「忠実な」「誠実な」「信頼できる」
こういう場面で使われる、相手や信念に対して最後まで裏切らないニュアンスを持つ単語です。人や思想、信念、約束に対して「忠実である」「誠実である」と表したい時によく使われます。
品詞
- 形容詞 (adjective)
活用形
- 形容詞なので、比較級や最上級は “more faithful” / “most faithful” を用います。
- 副詞形:faithfully (「誠実に」「忠実に」)
- 名詞形:faithfulness (「忠実さ」「誠実さ」)
他の品詞例
- 名詞 “faith” (「信念」「信頼」) + 形容詞を作る接尾辞 “-ful” → “faithful”
- 副詞 “faithfully” (「誠実に」「忠実に」)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
理由:日常会話でも比較的よく登場するが、「忠誠」「献身」といった少し抽象的な概念を扱うため、中上級レベルといえます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹:faith (「信念」「信頼」)
- 接尾語:-ful (「~に満ちた」「~が豊富な」)
つまり、“faithful” は「信念(faith)を満たしている(-ful)」が原義で、「信頼・信念に満ちた」「忠誠心をもっている」という意味を表します。
派生語や類縁語
- faith (名詞):信念、信頼
- faithfully (副詞):誠実に、忠実に
- faithfulness (名詞):忠実さ、誠実さ
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- faithful companion (忠実な仲間)
- faithful friend (信頼できる友人)
- faithful dog (忠犬)
- faithful spouse (貞節な配偶者)
- remain faithful to (~に忠実であり続ける)
- faithful ally (信頼できる同盟国・味方)
- faithful testimony (正確な証言)
- faithful representation (忠実な再現)
- faithful servant (忠誠心のある使用人)
- faithful version (原作に忠実なバージョン)
3. 語源とニュアンス
語源
“faithful” は、古フランス語 “feithful” さらにその前身であるラテン語 “fides”(信頼、信仰)に由来します。中世以降、キリスト教文書で “faith” の語が使われる中で、後ろに “-ful” をつけて “faithful” という形で「信念を持った、誠実である」という意味になりました。
使用時の注意点・ニュアンス
- “faithful” は「約束や誓いを守る」「思いを裏切らない」「やり遂げる」といった、長期的・継続的な忠誠・誠実さを含意します。
- 口語・文章どちらでも使えますが、ややフォーマルな響きがある場合もあります。
- 「忠実である」という意味合いが強いので、人間関係や契約・約束事、宗教的な文脈などで重宝されます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- be faithful to + 名詞:~に忠実である
例:He remained faithful to his beliefs.(彼は自分の信念に忠実であり続けた)
名詞として使われる場合
- 「The faithful」という形で「信者たち、忠実な人々」を意味するやや古めの用法もありますが、現代の日常会話ではあまり一般的ではありません。
フォーマル/カジュアル
- カジュアルなシーン:恋人同士、友人関係で「ずっと一緒にいてくれる・裏切らない」という文脈
- フォーマルなシーン:法的契約や宗教的・ビジネス上の文脈
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I love my dog because he’s always so faithful.”
(うちの犬、大好き。いつもすごく忠実なんだ。) - “No matter what happens, I’ll stay faithful to you.”
(何があっても、あなたに忠実でいるよ。) - “She’s faithful to her daily workout routine.”
(彼女は毎日の運動習慣に忠実に取り組んでいるよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Our employees have been faithful to the company values for years.”
(私たちの社員は何年にもわたって会社の価値観に忠実であり続けている。) - “A faithful analysis of market data is crucial for accurate forecasts.”
(市場データの忠実な分析は正確な予測には不可欠です。) - “He remained faithful to the project’s original objectives.”
(彼はプロジェクトの当初の目標に忠実であり続けた。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “This translation is remarkably faithful to the original text.”
(この翻訳はオリジナルテキストに驚くほど忠実だ。) - “A historian should remain faithful to the historical evidence.”
(歴史家は史料に忠実でなければならない。) - “They provided a faithful reconstruction of the ancient site.”
(彼らはその古代遺跡を忠実に復元した。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- loyal(忠実な)
- 忠誠心を示す点で似ていますが、“faithful” はより「裏切らない」ニュアンスが強め。
- 忠誠心を示す点で似ていますが、“faithful” はより「裏切らない」ニュアンスが強め。
- devoted(献身的な)
- “faithful” が「裏切らない・忠実」ですぐに裏切る可能性がないというイメージなら、“devoted” は「深く献身し、時間も努力も捧げる」ニュアンス。
- “faithful” が「裏切らない・忠実」ですぐに裏切る可能性がないというイメージなら、“devoted” は「深く献身し、時間も努力も捧げる」ニュアンス。
- committed(コミットしている)
- 「義務感・責任感から関わり続ける」という点で近いですが、“faithful” はもう少し心情的な忠誠心を伴う感じ。
- 「義務感・責任感から関わり続ける」という点で近いですが、“faithful” はもう少し心情的な忠誠心を伴う感じ。
反意語
- unfaithful(不誠実な、裏切る)
- disloyal(不忠実な)
いずれも「約束や信念を裏切る」という意味合いを持ち、対照的です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈfeɪθ.fəl/
- イギリス英語: /ˈfeɪθ.fəl/
ほぼ同じ発音ですが、アメリカ英語では「フゥ」の要素が少し柔らかめに聞こえる場合もあります。
強勢(アクセント)
- 第1音節 “faith” にアクセントがきます:FAITH-ful
よくある発音の間違い
- “faith” の /θ/ 音が /s/ や /f/ にならないよう注意
- “-ful” の “l” をしっかり発音しないと「フェイスフー」のように聞こえがちです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスで “faitful” と “h” を落としてしまうことがある。
- “loyal” と意味が近いため、どちらを使えばいいか迷うことがあるが、
“faithful” は信念・信頼に重きを置く、一方で “loyal” は立場や関係性に対して忠誠を示すことが多い。 - TOEIC や英検などでは、「忠実な~」「誠実な~」といった和訳問題や、文脈から “faithful” が「裏切らない」「正確な再現」といった意味をどう捉えるか問われることがある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “faith + ful” = 信念が“満ちた” → 「忠実、誠実」をイメージしましょう。
- 「フェイス(faith)をフル(ful)に信じる」と覚えるとスペルミスを防ぎやすいです。
- “faithful” は愛犬や親友など「決して裏切らない仲間」のイメージを持つと覚えやすいかもしれません。
以上が、形容詞 “faithful” の詳しい解説です。日常会話からビジネス、学術場面など幅広く使える便利な単語ですので、例文で使い方を確認しながらぜひ身につけてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
忠実な,誠実な;貞節な
意味(2)
正確な,そのままの