misery
1. 基本情報と概要
単語: misery
品詞: 名詞 (主に不可算名詞として使われることが多いですが、文脈により可算名詞として「miseries(いくつかの悲惨さや苦悩)」と複数形も使われることがあります。)
- 英語の意味: a state of great suffering, unhappiness, or distress
- 日本語の意味: 大きな苦しみや悲惨さ、不幸な状態
- 「心身の苦痛が大きい苦しみや、非常につらい状態にあるときに使われる単語です。個人の悩みから社会的不幸まで幅広く表せます。」
活用形:
- 不可算名詞としての形が基本。(複数形は数えられる個々の苦悩を表す場合に
miseries
となる。)
他の品詞形:
- 形容詞: miserable (惨めな、悲惨な)
- 副詞: miserably (惨めに、ひどく)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「日常的な英語というよりは、読み書きや少し深い感情表現にも使われる語です。ドラマや小説、ニュース記事などでも目にすることがあります。」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語や接尾語は特に明確ではありませんが、ラテン語由来の “miser-” (不幸、悲惨) という語幹に -y(名詞化の接尾辞)が組み合わさった形です。
派生語・類縁語
- miserable(惨めな、悲惨な):形容詞
- miserably(惨めに):副詞
- miser(守銭奴、ケチ):「お金を手放したがらず惨めな状態になる」イメージがありますが、語源は同じ “miser” から来ています。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- abject misery(絶望的な悲惨さ)
- live in misery(悲惨な状態で暮らす)
- reduce someone to misery(人を悲惨な状態に追い込む)
- a life of misery(悲惨な人生)
- mental misery(精神的な苦痛)
- physical misery(肉体的な苦痛)
- sheer misery(まったくの悲嘆)
- deep misery(深い悲しみ)
- prolonged misery(長引く苦痛・悲惨な状態)
- misery loves company(「不幸は仲間を求める」=不幸な人は他人の不幸を聞くと少し安心する、という慣用表現)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “miseria”(悲惨、不幸)から派生し、古フランス語 “misere” を経由して中英語に取り入れられました。
ニュアンス・歴史的背景
- 歴史的には、人間の不幸や苦痛を象徴する言葉として、文学や宗教文献でも使われてきました。特に深刻な苦しみや強い不幸感を強調するニュアンスがあります。
使い方の注意点
- 「苦しみ」「不幸」として感情的な響きが強い単語なので、軽い程度の不快感(たとえば「ちょっとイヤだ」程度)を表すのにはあまり使いません。深刻な状況や大きな苦痛を強調する場合に用いられます。
- 文語的にも口語的にも使われますが、カジュアル会話では “terrible situation” や “a really bad time” といった表現の方が自然なケースもあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞(主に不可算)
- 不可算名詞として使う際は「苦悩や不幸」といった概念的な状態を表します。
- 「miseries」という形で可算として使う場合は「個々の悲惨な体験や苦しみ」を指し、文脈によっては複数形が成立します。
- 不可算名詞として使う際は「苦悩や不幸」といった概念的な状態を表します。
一般的な構文・イディオム
Misery loves company.
(不幸は仲間を欲しがる)He was in misery after the accident.
(事故後、彼は苦しみにあった)She can’t bear the misery anymore.
(彼女はこれ以上、その悲惨さに耐えられない)
フォーマル/カジュアル
- 文章やスピーチにはフォーマルにも用いられます。
- 日常的にも重苦しい雰囲気を伝えたい場合に使われます。
- 文章やスピーチにはフォーマルにも用いられます。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
I'm in misery because my best friend moved away.
「親友が引っ越してしまって、すごく悲しいんだ。」He’s been in misery all week after losing his job.
「彼は仕事を失ってから、この1週間ずっと落ち込んでるよ。」That movie is all about the misery of a broken heart.
「あの映画は失恋の悲哀を描いた作品だよ。」
ビジネスシーン(ややフォーマル)
We must address the employees’ misery caused by excessive workload.
「私たちは、過度な仕事量による従業員たちの苦痛に対処しなければなりません。」The fall in company profits led to misery for many staff members.
「会社の利益の減少が、多くの従業員を苦しい状況に追い込みました。」His resignation ended his professional misery at that hostile work environment.
「彼が辞職したことで、あの険悪な職場での苦悩に終止符が打たれました。」
学術的な文脈(フォーマル)
Chronic health issues can lead to prolonged misery unless properly managed.
「慢性的な健康問題は、適切に対処されなければ長引く苦痛をもたらし得ます。」Poverty is often cited as a primary cause of widespread misery in developing regions.
「貧困は、開発途上地域における広範な苦悩の主な原因としてよく挙げられます。」The study aims to examine the psychological factors contributing to a sense of misery among adolescents.
「本研究は、青年期における悲嘆感に寄与する心理的要因を検証することを目的としています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- sorrow(深い悲しみ)
- 「個人の感情レベルでの深い悲しみに焦点がある」
- 「個人の感情レベルでの深い悲しみに焦点がある」
- suffering(苦しみ、苦痛)
- 「身体的・精神的両面の苦しみを広く表す」
- 「身体的・精神的両面の苦しみを広く表す」
- distress(苦悩、悩み)
- 「心が乱されている状態に重きを置く」
- 「心が乱されている状態に重きを置く」
- woe(嘆き、悲哀)
- 「文学的・文語的表現での悲嘆」
- 「文学的・文語的表現での悲嘆」
反意語
- happiness(幸福)
- joy(喜び)
- relief(安堵)
- これらの反意語は、苦しみとは対照的に、喜びや安心感をもたらす状態を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈmɪz.ər.i/
- アメリカ英語(米音):
ミズァリ
「ミ(強勢)-ズ(弱)-ァリ(弱)」 - イギリス英語(英音):米音とほぼ同じですが、“ə” の発音の違いでやや「ミズ(弱)・リ」に近い響きになることがあります。
- アクセント: 最初の “mís” の部分に強勢があります。
- よくある発音の間違い:
misery
をmiserly
(ケチな) と誤って発音するケースがあるので要注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「mis*sery」や「misery*」など、s が重複したり y が抜けたりしやすいので注意。
- 同音異義語との混同: “miserly” (ケチな) と混同しやすい。
- 試験対策:
- TOEIC・英検などでは、文章読解中に不幸や悲惨さを強調するときに見かける単語。露骨に覚えにくいわけではありませんが、同じラテン語由来の形容詞 “miserable” もあわせて覚えると良いでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ヒント: “miser” という言葉には「惨め」「ケチ」というイメージが含まれ、この「惨めさ」を名詞化したのが “misery”。「ミザリー」と表記して響きを頭に残すと覚えやすいかもしれません。
- イメージ: 「ミザリー=見る(ミ)札束(ザ) ない(リー) → お金がなくて苦しい状態?」といったこじつけでも、一度印象付けると忘れにくくなります。
- 勉強テクニック: “miserable” など形容詞や副詞もあわせて覚え、例文を自分で作って使うことで理解が深まります。
以上が、名詞「misery」の詳細な解説です。深い苦悩や不幸を表す語として、文脈や場面に応じて正しく使ってみてください。
〈C〉(…にとっての)不運(苦痛)のたね《+to+名》
〈U〉貧困,困窮
〈U〉《しばしば複数形》みじめさ,(精神的・肉体的な)非常な不運(苦難,苦痛)