元となった辞書の項目
unpack
解説
1. 基本情報と概要
単語: unpack
品詞: 動詞 (verb)
活用形:
- 現在形: unpack / unpacks (三人称単数)
- 現在進行形: unpacking
- 過去形 / 過去分詞形: unpacked
意味(英語):
- To remove items from a container, box, or bag.
- To analyze or break down the meaning of something (e.g., a concept or idea).
意味(日本語):
- 入れ物(箱やスーツケースなど)から中身を取り出すこと。
- 概念などを分解して分析すること。
「unpack」は、物理的に箱やカバンを開けて中身を取り出すときに使われます。また、比喩的に「複雑なアイデアや概念を分解して解釈する」という意味でも使われます。日常生活はもちろん、ビジネスや学術的な場面でも用いられる便利な単語です。
CEFRレベル: B2(中上級)
- 「unpack」の物理的な意味は中級(B1)でも見かけますが、比喩的な意味での使われ方はやや上のレベル(B2)程度で扱われることが多いです。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語「un-」: 「~を取り消す、反対の動作をする」を表します。
- 語幹「pack」: 「詰める、荷物をまとめる」の意味を持ちます。
- これらが組み合わさって「pack(荷造り)をほどく・取り除く」という意味になります。さらに派生的に「概念やアイデアを解きほぐす」というニュアンスにつながっています。
関連語・派生語
- pack (動詞): 詰める、荷造りする
- packable (形容詞): パックに適した
- package (名詞 / 動詞): 包み、包装する
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- unpack a suitcase(スーツケースの中身を取り出す)
- unpack the boxes(箱を開けて中身を取り出す)
- unpack a concept(概念を分解して説明する)
- carefully unpack(注意深く荷ほどきをする / 丁寧に概念を分解する)
- fully unpack(完全に荷ほどきする / 十分に内容を掘り下げる)
- quickly unpack(素早く荷ほどきする)
- start to unpack(荷ほどきを始める)
- help someone unpack(誰かの荷ほどきを手伝う)
- mentally unpack(頭の中で整理する)
- give me (some) time to unpack(解釈・荷ほどきする時間をちょうだい)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「un-」+「pack」から成り立ちます。もともと14世紀頃には「荷造りを解く」という物理的な意味合いが中心でしたが、20世紀以降に「アイデアを掘り下げる」「問題を分析する」といった比喩的な用法が広がりました。
ニュアンス:
- 物理的なシーン:スーツケースや箱を開ける、整理するというシーンでの日常的でカジュアルな表現。
- 比喩的なシーン:ビジネス文書や学術論文などで「テーマや仮説を解きほぐす」際に使われるややフォーマルな表現だが、カジュアルな会話でも「問題を詳細に分析する」意味でよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb): 目的語として「箱・スーツケース・概念」などを取ります。
例: “I need to unpack my bag.” (私のバッグを開けないといけない)口語/フォーマル共に使用: 「荷ほどきする」はカジュアルな文脈、「概念や考えを分析する」はどちらかというとフォーマルな文脈でも使われます。
イディオム的表現:
“unpack one’s thoughts” - 頭の中の考えを整理して言語化する、という意味合いで使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文(カジュアル)
- “I’m too tired to unpack right now.”
(今は疲れすぎていて荷ほどきできないよ。) - “Could you help me unpack these groceries?”
(これらの食料品の荷ほどきを手伝ってくれない?) - “After the trip, I always unpack immediately so I don’t forget anything.”
(旅行の後は忘れ物がないように、いつもすぐに荷ほどきするんだ。)
ビジネスシーンでの例文(ややフォーマル)
- “Let’s unpack the results of the survey to understand our customers better.”
(顧客をよりよく理解するために、その調査結果を分解して考えてみましょう。) - “We need to unpack the project requirements to identify any potential risks.”
(プロジェクトの要件を詳しく分析して、潜在的リスクを洗い出す必要があります。) - “Could you unpack the data for our stakeholders in the next meeting?”
(次回の会議で、ステークホルダーに向けてデータをわかりやすく解説してもらえますか?)
学術的な文脈での例文(フォーマル)
- “In this paper, we will unpack the theoretical framework of cultural identity.”
(本論文では、文化的アイデンティティの理論的枠組みを詳細に分析します。) - “To better understand social phenomena, we must first unpack the historical context.”
(社会現象をより理解するためには、まず歴史的文脈を分解して考える必要があります。) - “The scholars attempted to unpack the complexity of language acquisition in early childhood.”
(研究者たちは幼少期における言語習得の複雑さを解明しようと試みた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- unbox(箱を開ける)
ほぼ物理的に箱を開ける行為のみを指すことが多く、比喩的にはあまり使われません。 - analyze(分析する)
比喩的な「unpack」とほぼ同じだが、ややフォーマルかつ限定的。物理的な荷ほどきの意味はありません。 - explain(説明する)
「概念を解きほぐす」点では似ていますが、unpackほど細かく「分解して考える」ニュアンスはなく、単純に「説明する」です。
反意語
- pack(詰め込む、荷造りする)
「unpack」の真逆で「詰め込む・荷造りする」という意味になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˌʌnˈpæk/
- アクセント(強勢)は第二音節のpackに置かれ、“un-PACK”となります。
- アクセント(強勢)は第二音節のpackに置かれ、“un-PACK”となります。
- アメリカ英語: [アンパック](ʌは口をあまり丸めずに「あ」と「う」の中間の音)
- イギリス英語: [アンパック](母音のアクサントは似ていますが、地域によってはやや短く「ア」に近い音になります。)
- よくある間違い: 日本人学習者の場合、「アンパック」の”n”と”p”の音をつなげにくいことがあります。意識的に“n”の位置をしっかり舌先でとってから“p”に進むとスムーズです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「unpack」を「unpak」や「unpac」としてしまうミスに注意。
- unpack / unbox の混同: 「unbox」は箱だけを開ける意味が強く、より物理的。比喩的に使う場合は「unpack」を使う方が自然です。
- 同音異義語との混同: 厳密に同音の単語はありませんが、発音が似ている “impact” と聞き間違えることがあるかもしれません。文脈で判断を。
試験対策: TOEICや英検のリスニング・リーディングで「物理的に荷をほどく」と「概念を分析する」という両方の意味で出題されることがあります。文脈をよく読む必要があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- Prefix(接頭語)「un-」= “反対の意味” と覚えることで、「pack(詰める)」の反対、「unpack(ほどく)」とイメージしやすくなります。
- カバンの荷物を広げて、一つ一つ中身をテーブルに並べていくイメージを持つと、概念を整理するときにも「unpack」が思い浮かびやすくなります。
- 「unpack = 荷を取り出す → 話や情報を分解して要素を取り出す」を連想すると、比喩的な用法まで自然に使えるようになります。
以上が動詞「unpack」の詳細解説です。物理的に荷ほどきをする用法から、抽象的な概念やデータを分解して考える用法まで、幅広い場面で応用できる便利な単語です。ぜひ、旅行や議論のシーンで活用してみてください!
意味のイメージ
意味(1)
開いて…‘の'中身を取り出す
意味(2)
(…から)…‘を'取り出す《+名+from+名》
意味(3)
…‘から'荷[など]を降ろす