《強意用法》《主語のoneと同格に用いて》『自分自身が(で)』,みずから / 《再帰用法》《動詞・前置詞の目的語として》『自分自身を(に)』,自分を(に)
oneself
1. 基本情報と概要
単語: oneself
品詞: 代名詞(再帰代名詞)
活用形: oneself(唯一の形)
英語での意味:
“oneself” は「one(不特定の人物)」を主語としたときに、その主語自身を指す再帰代名詞です。
日本語での意味:
「自分自身」という意味です。たとえば「What one believes about oneself~」のような文で、「人が自分自身について信じていることは~」という意味になるイメージです。
「one」は特定の人ではなく「一般的な人」を表すので、“oneself” は「一般的な人が自分自身を指す」語感をもちます。ややかしこまった雰囲気や客観性を伴う表現です。
CEFR レベルの目安:
- B2(中上級): 学術的・フォーマルな文脈でも正確に使える要素が必要。文面やフォーマルな場面で使用されることが多い。
他の品詞になる例:
“one” 自体が不定代名詞(または三人称単数扱い)で、所有格は “one’s”,目的格は “one” を使います。再帰代名詞は “oneself” だけです。「動詞」や「名詞」になることは通常ありません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- one(不定の「人」や「もの」)
- self(「自己」)
この2つが組み合わさって「(不特定の)人自身」を表す再帰代名詞となっています。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個):
- to enjoy oneself(自分自身で楽しむ)
- to express oneself(自己表現をする)
- to find oneself(自分自身を見つける/気づくと~の状態にある)
- to see oneself as 〜(自分自身を〜とみなす)
- to take care of oneself(自分自身の世話をする)
- to prepare oneself for 〜(~に備える/準備をする)
- to pride oneself on 〜(~を誇りに思う)
- to apply oneself (to 〜)(~に専念する/熱中する)
- to distance oneself from 〜(~から距離を置く)
- to commit oneself to 〜(~に専心する/~に身を捧げる)
3. 語源とニュアンス
語源:
- “one” は古英語の「ān」に由来し、「一つ」「一人」の意味。
- “self” も古英語の “self, seolf” などから派生し、「自己」「自分」を指す語。
現代では “oneself” は「一般的に言うところの『自分自身』」を指すフォーマルかつ客観的な表現としてよく使われます。
ニュアンスや使用時の注意:
- “oneself” は「誰か特定の個人」ではなく「一般論」を述べるときに使われる、ややかしこまった響きです。
- フォーマルな文書や公共のスピーチなどで見られることが多く、口語では “yourself” や “myself” など、より直接的な再帰代名詞が使われることが多いです。
- 文脈によっては改まった雰囲気を与えるため、カジュアルな会話の中では少し浮く場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 再帰代名詞: 主語と同じ対象を指すときに用いられます。
例) One should always respect oneself.(人は常に自分自身を尊重すべきだ) - “one” を主語とする文で、同一人物を再帰的に指す時だけ使用可能です。
- フォーマルな文体・文章表現で、一般的な真実や姿勢などを述べるときに適しています。
一般的な構文やイディオム:
- One cannot help oneself.(自分ではどうしようもできない)
- It is important for one to know oneself.(人にとって自分を知ることは大切だ)
フォーマル / カジュアル:
- フォーマル: “oneself” はフォーマルな文章やスピーチで頻繁に用いられます。
- カジュアル: 口語ではあまり使われず、代わりに “yourself” や “myself” などが優先される傾向があります。
5. 実例と例文
以下では「日常会話」「ビジネス」「学術的・フォーマル」それぞれ 3 文ずつ例文を示します。
A. 日常会話
- One should never rush oneself when making important decisions.
(大事な決断を下すときは焦らない方がいいよ。) - Everyone needs time to relax and just be oneself.
(誰にとっても、くつろいで自分らしくいられる時間は必要だよ。) - It’s good for one to treat oneself occasionally.
(ときどきは自分にご褒美をあげるのもいいものだよ。)
B. ビジネス
- One must conduct oneself with professionalism in the workplace.
(職場では常にプロ意識を持った振る舞いが求められます。) - One should not overextend oneself when taking on new projects.
(新しいプロジェクトを請け負うときは自分を追い込みすぎない方がいいでしょう。) - It is essential to keep oneself updated with market trends.
(市場の動向は常にチェックしておくことが重要です。)
C. 学術的・フォーマル
- In order to understand one’s cognitive processes, one must first observe oneself objectively.
(認知プロセスを理解するためには、まず客観的に自分自身を観察する必要があります。) - One’s moral compass is often shaped by how one perceives oneself in relation to society.
(人の道徳観は、社会との関係性において自分をどのように認識しているかに大きく左右されます。) - One may find oneself at a crossroads when conducting interdisciplinary research.
(学際的研究を行うとき、一種の岐路に立たされることがあるかもしれません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- “yourself”(あなた自身)
- “himself / herself / itself / themselves”(他の単数三人称や複数に対する再帰代名詞)
- “myself”(私自身)
これらは特定の人を指しますが、“oneself” は「一般的な人」を指すため、やや客観的・形式的なニュアンスがあります。
反意語:
代名詞のため、明確な反意語は存在しませんが、強いていうと「他者」を指す「someone else」「another person」のような表現が対比的に使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /wʌnˈsɛlf/
- イギリス英語: /wʌnˈsɛlf/
強勢(アクセント):
- “one” は弱めに “wʌn” と発音し、“self” に強勢がきます。(one-SELF)
よくある発音の間違い:
- “one” の /wʌn/ が /wan/ と発音されがち。
- “self” の /sɛlf/ が /sɪlf/ と濁る場合があるが、/ɛ/ と /ɪ/ の違いに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “oneself” のスペルで “one’s self” と間違って書いてしまうケースがあるが、「one’s self」は所有格 + 名詞 “self” と解釈されてしまい、別の表現になるので注意。
- 口語では “oneself” を使わないほうが自然な場合が多い。
- TOEIC や英検などでは、フォーマルな文章中に “one” と “oneself” が出題され、正しい再帰代名詞を選択する問題などが考えられる。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “one-self” = 「不特定の人」+「自己」という組み合わせと覚える。
- フォーマルな文脈で「一般人の自分」を表現したいときに使う、とイメージづける。
- “oneself” の “one” と “self” を切り離して考えると理解しやすいが、スペリングは一語である点を忘れないようにする。
以上が “oneself” の詳細な解説です。フォーマルな文脈でよく見かける再帰代名詞ですので、文面を書く際にぜひ活用してみてください。
《再帰用法》《動詞・前置詞の目的語として》自分自身を(に),自分を(に)
《強意用法》《主語のoneと同格に用いて》自分自身が(で),みずから