idol
1. 基本情報と概要
単語: idol
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語): A person or image that is greatly admired, loved, or revered.
意味(日本語): 大きく崇拝されている人、または象徴的に崇められる対象のことです。「憧れの対象」「崇拝の的」のようなニュアンスとして使われます。芸能界で言う「アイドル」とほぼ同義ですが、宗教的な「偶像」という文脈でも使われます。
日常では、「推し」「憧れのスター」のように、自分が大好きで応援している人物を指す場合に用いられます。宗教的文脈では、物理的な像や崇拝の対象を指します。
活用形:
- 名詞なので、複数形: idols (例: “They have many idols.”)
他の品詞での例:
- idolize (動詞): 「崇拝する」「偶像化する」
- idolatry (名詞): 「偶像崇拝」
CEFRレベルの目安: B1(中級)
- B1: 「ある程度の日常会話や一般的な文章でしばしば登場する語」
2. 語構成と詳細な意味
語構成: 特定の接頭語・接尾語がつかない比較的シンプルな単語です。
- 語幹: “idol”
- 派生語: “idolize” (〜を偶像化する), “idolatry” (偶像崇拝)
類縁語や関連語:
- idolize (動詞)
- idolatrous (形容詞)
- idolatry (名詞)
よく使われるコロケーション(共起表現)(日本語訳付き):
- teen idol(10代の憧れのスター)
- pop idol(ポップアイドル)
- sports idol(スポーツ界のアイドル)
- matinee idol(映画界の人気スター、特に昼間の上映で人気のある俳優)
- idol worship(偶像崇拝/アイドル崇拝)
- cultural idol(文化的ヒーロー)
- national idol(国民的アイドル)
- childhood idol(子どもの頃の憧れの人)
- personal idol(個人的なあこがれの存在)
- fallen idol(評判が落ちた元アイドル)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古代ギリシア語 “eidōlon” (形、姿) に由来し、ラテン語 “idolum” を経て、フランス語 “idole” から英語に入ったとされています。もともとは宗教的な「偶像」という意味合いが強かったのが、徐々にあらゆる「崇拝の対象」を指すようになりました。
微妙なニュアンス:
- 宗教的な文脈では特に「偶像崇拝」の対象として否定的・厳粛なトーンを伴うことがあります。
- エンタメ文脈では「ポップアイドル」「芸能人」のように、カジュアルで肯定的な憧れを持つニュアンスが強いです。
- 一般に「崇拝の対象」として少し強めのニュアンスが含まれ、「大好き」「あこがれ」というポジティブな感情が表リアイダ。
使用時の注意点:
- 宗教色の強い「偶像」として使うか、娯楽や芸能の「アイドル」として使うかは文脈に依存します。
口語/文章・カジュアル/フォーマル:
- 芸能文脈や口語的なシーンではカジュアルに使われることが多いです。
- 宗教・学術文脈ではフォーマルな文章で使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 【可算名詞】として扱われるため、具体的な数を言うときは “an idol”, “two idols” などとします。
- 文章では “He became a national idol.” のように補語で用いられることが多いです。
- イディオムとして頻出するものは少ないですが、“idol worship” は「崇拝」「熱狂的なファン心理」を表す場合によく使われます。
- カジュアルなシーンで “My idol is ...” として憧れの対象を紹介できます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “My idol is that famous singer. I collect all her albums.”
(私の憧れの人はあの有名な歌手なんだ。彼女のアルバムは全部集めているんだ。) - “Who was your childhood idol? Mine was a soccer star.”
(子どもの頃の憧れって誰だった?私はサッカー選手だったよ。) - “I can’t believe I just met my idol in person!”
(憧れの人に実際に会えたなんて信じられないよ!)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “She’s considered an idol in the company for her leadership and expertise.”
(彼女は、そのリーダーシップと専門知識から社内で尊敬される存在です。) - “Creating an idol-like figure can boost company morale.”
(社内でスター的人物をつくることで、社員の士気が高まることがあります。) - “Some executives become idols to young employees due to their visionary ideas.”
(先見性のあるアイデアから、一部の経営陣は若手にとって憧れの存在となります。)
(3) 学術・フォーマルな文脈での例文
- “In anthropology, the role of an idol often reflects a society’s spiritual and cultural values.”
(人類学では、偶像の役割は社会の精神的、文化的価値観を反映することが多い。) - “Historical research shows that idol worship has existed since ancient civilizations.”
(歴史研究によると、偶像崇拝は古代文明の時代から存在していたことがわかっている。) - “The idol embodied the collective aspirations of the community.”
(その偶像は共同体の総体的な願望を体現していた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(synonyms):
- icon(アイコン): 「崇拝される象徴」として非常に近いが、宗教美術や芸能界など幅広く使われる。
- hero(英雄): 成し遂げた偉業や勇敢な行動によって尊敬される人物。情緒的には「頼もしい」「敬意を集める」ニュアンスが強い。
- role model(ロールモデル): 模範となる人。実践的に「こうなりたい」という指標として見られる。
- star(スター): 芸能界やスポーツで人気がある人物を指すカジュアルな表現。
- legend(伝説的人物): 長い評価の歴史があって一般的に崇拝される人物。
※「idol」は、必ずしも偉業を成し遂げたというより、個人的または大衆的に「崇める存在・憧れ」といったニュアンス。
反意語(antonyms):
- nobody(無名の人/取るに足らない人): 「崇拝される対象」とは対照的に、誰からも認知されていない存在。
- commoner(普通の人): 一般的に有名ではない、特別な要素がない人を示す表現。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA): /ˈaɪ.dl/ または /ˈaɪ.dəl/
- アメリカ英語(GA): [アイ-dl] (語末の母音は、会話だとあまりはっきり発音されないことが多い)
- イギリス英語(RP): [アイ-dəl] (語末の “-əl” がややはっきり聞こえる)
強勢(アクセント)の位置: 第1音節「i」に強勢があります(ˈaɪ)。
よくある発音の間違い: “idle”(怠けている)と混同して、「アイドル」と “アイドル(idle)” を混同しがちです。スペリングは異なるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル: 「idol」と「idle」(形容詞の「怠けた」)が似ているので間違えやすい。
- 意味の幅: 単に芸能人を指すだけでなく、宗教的文脈で「偶像」、人類学的文脈で「崇拝の対象」など多様な使われ方をする。
- TOEIC・英検などでの出題: よくある単語ではないが、読解問題で「idol worship」「celebrity idol」などのバリエーションが出現する可能性がある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アイドル」とカタカナで覚えやすいが、日本語でいう「推し」や「憧れ」というニュアンスだとイメージするとすぐ覚えられます。
- 「idle(怠けた)」とはスペルが一文字違い。混同しないように、「空いている(idle)」「偶像(idol)」と、しっかり区別をつけておくと◎。
- 語源の “eidōlon” が「姿・かたち」を意味することから、「何かの象徴・かたち化された崇拝対象」というイメージを持つと覚えやすいでしょう。
以上が、名詞 “idol” の詳細な解説です。学習や実際のコミュニケーションの中で、様々な文脈に応じて使い分けてみてください。
アイドル,崇拝される人(物)
偶像,偶像神