最終更新日:2025/12/07

〈願いなど〉をかなえる / 《文》(特に正式に)〈許可など〉を与える / 〈事柄など〉を認める

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元となった辞書の項目

grant

動詞

〈願いなど〉をかなえる / 《文》(特に正式に)〈許可など〉を与える / 〈事柄など〉を認める

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解説

1. 基本情報と概要

単語: grant

品詞: 動詞 (他動詞)

意味 (英語): to give or allow something officially or formally

意味 (日本語): (公式にまたは正式に)与える、許可する、認める

「grant」は、公的な手段で何か(お金、権利、許可など)を与えたり、要望を認めて許可したりする場面で使われます。ビジネス文書や政府機関など、少し改まったシーンや公的な手続きを連想すると分かりやすいです。


  • CEFRレベル目安: B2 (中上級)

    ある程度長めの文章や、公式な文脈で難易度が上がりますが、きちんと使いこなせると表現に幅が出ます。

活用形


  • 原形: grant

  • 三人称単数現在形: grants

  • 現在分詞 / 動名詞: granting

  • 過去形 / 過去分詞: granted

他の品詞になったときの例


  • 名詞: a grant (助成金、許可など)


    • 例: “He received a grant for his research.” (研究のための助成金を受け取った)



2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • この単語は短く、接頭語や明確な語幹・接尾語に分けにくい単語です。語源的にはラテン語の「credere(信じる)」が源流にある、という説がありますが、現在の形としてはフランス語を経由した英語単語で、直接的な接頭辞・接尾辞は含まれていません。

詳細な意味とニュアンス


  1. 公式に何かを与える

    お金や権利を与える公的な行為を表します。


    • 例: “to grant a scholarship” (奨学金を与える)


  2. 正式に承認する、認める

    行政や組織が正式に要望や願いを認めるときに使います。


    • 例: “to grant permission” (許可を与える)


  3. 要請・申請に応える

    「(相手の願いを)かなえる」というニュアンスもあります。


    • 例: “to grant someone’s request” (誰かの要望を認める)


よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)


  1. grant permission

    許可を与える

  2. grant a request

    要望を認める

  3. grant access

    アクセスを許可する

  4. grant a loan

    融資を行う

  5. grant a patent

    特許を与える

  6. grant asylum

    亡命を認める

  7. grant citizenship

    市民権を付与する

  8. grant an award

    賞を授与する

  9. grant a wish

    願いをかなえる

  10. research grant

    研究助成金(名詞としての “grant” の例)


3. 語源とニュアンス


  • 語源:

    中英語「granten」(古フランス語由来)を通じて、ラテン語の「credere(信じる)」が遠い起源になっていると言われます。フランス語の「grandir(拡張する)」という説もあり、学説によっては様々です。いずれにしても「公式に認める・与える」ニュアンスが歴史的に強くなっています。


  • ニュアンス/注意点:


    • 公的・公用的な雰囲気がある

    • 口語的に「(相手の願いを)かなえてあげる」というような柔らかなニュアンスにも使える

    • フォーマルな書き言葉にもよく登場する


「grant」は、ビジネスレターや申請書、行政手続きなどフォーマルな場面でよく使用されます。一方、カジュアルに友人同士で「I’ll grant your wish」と言う場合は、少し大げさ・演劇調になるイメージです。


4. 文法的な特徴と構文


  • 他動詞 (transitive verb)

    目的語を必ず伴います。

    例: “The university granted him a scholarship.” (大学は彼に奨学金を与えた)


  • 一般的な構文

    1) grant + 目的語 + 目的語


    • 例: “They granted him full access.”

      (彼に完全なアクセス権を与えた)


2) grant + 目的語 + to + 人/組織

- 例: “They granted full access to him.”

(彼に完全なアクセス権を与えた)


  • イディオム的な用法


    • “take ~ for granted” (~を当然のこととみなす)

    • 例: “Don’t take your health for granted.”

      (健康を当然だと思わないように)


  • フォーマル/カジュアルの使い分け


    • フォーマルな書き言葉、契約書、交渉などで頻出

    • 会話で使う場合は、気持ち改まった響きになる



5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “Could you grant me a bit more time to finish this?”

    (これを終わらせるために、もう少し時間をいただけますか?)

  2. “I’ll grant your wish and cook your favorite meal tonight.”

    (あなたの願いをかなえて、今夜はあなたの好きな料理を作るよ。)

  3. “He always takes my help for granted, which is annoying.”

    (彼はいつも私の助けを当然だと思っていて、ちょっと腹が立つの。)

ビジネスでの例文(3つ)


  1. “The board of directors decided to grant the budget for the new project.”

    (取締役会は新プロジェクトの予算を許可することを決定した。)

  2. “Our company was granted permission to expand operations overseas.”

    (私たちの会社は海外事業拡大の許可を得た。)

  3. “We can’t grant your request for a higher salary at this moment.”

    (現時点ではあなたの給与アップの要望に応じることはできません。)

学術的/公的文脈での例文(3つ)


  1. “The university granted him a research grant to continue his studies.”

    (大学は彼に研究を継続するための助成金を与えた。)

  2. “Only a few proposals are granted funding each year.”

    (毎年、わずかな提案だけが資金提供を認められる。)

  3. “The government granted asylum to the political refugee.”

    (政府はその政治難民に亡命許可を与えた。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. bestow (授ける)


    • “bestow” は格式ばった響きが強く、祝福や称号などを「与える」イメージ。


  2. give (与える)


    • 一般的でカジュアル。「grant」の方が公的・公式に近いニュアンス。


  3. confer ((地位・称号などを)授与する)


    • 学位や称号に対して公式に与えるニュアンス。


反意語


  • deny (拒否する)


    • 「grant」は「与える・許可する」なので、その反対は「却下する、認めない」ニュアンスです。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号 (IPA):


    • アメリカ英語: /ɡrænt/

    • 「グラント」のように “æ” (cat の母音) をやや短めに発音

    • イギリス英語: /ɡrɑːnt/

    • 「グラーント」のように “ɑː” (father の母音) を長めに発音


  • 強勢(アクセント)の位置:


    • 最初の音節に強勢が置かれます: GRANT


  • よくある発音の間違い:


    • イギリス英語とアメリカ英語の母音の違いに混乱する可能性あり

    • 日本人学習者は “グラント” とアメリカ英語寄りに発音しがちですが、イギリス英語の “grɑːnt” はもう少し長め



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルミス:

    “grat” や “grand” と間違えないように注意。

  2. 同音異義語との混同:

    同音はあまりありませんが、 “grand” (壮大な) と似たスペルで誤解が起きやすい。

  3. 「take ~ for granted」との混同:

    こちらはイディオムで「~を当然だと思う」という意味なので、直訳で混乱しないように。

  4. TOEIC・英検などでの出題傾向:

    ビジネス場面での「許可」「助成金」「認可」という文脈の穴埋め問題や読解問題で使われることが多い。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 公式に与える」というイメージで覚えましょう。例として、大学や政府による「助成金 (a grant)」という名詞形でイメージすると覚えやすいです。

  • 「グラント」は音的に「グラウンド(ground)」と似ていますが、「grant」には“officially give”“recognize” の意味がある、と区別しておくと良いです。

  • 「take ~ for granted」のイディオムを一緒に覚えると、セットで単語が馴染みやすくなります。

以上が動詞「grant」の詳細解説です。フォーマルな場面や公的なやりとりで大変役立つ単語なので、ぜひ使ってみてください。

意味のイメージ
grant
意味(1)

〈人の願いなど〉‘を'かなえる,聞き入れる

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意味(2)

《文》(特に正式に)〈許可など〉‘を'与える,〈権利・年金など〉‘を'授与する,授ける

意味(3)

〈事柄など〉‘を'認める

組織は優れた学生に奨学金を与えることを決定しました。

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和英選択問題 / 中級英単語(CEFR-J B1)

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