元となった辞書の項目
bow
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: bow
品詞: 名詞 (ただし同綴りで動詞も存在します)
意味 (英語)
- 弓 (a weapon used for shooting arrows)
- 船首 (the front part of a ship)
- リボンなどを結んだ蝶結び (a decorative knot usually made of ribbon)
- (音楽の) 弓 (a slightly curved stick with horsehair, used to play string instruments)
- おじぎ (the act of bending the upper part of the body forward)
※「おじぎ」の意味では同じ綴りでも発音やニュアンスが異なります。詳しくは後述。
意味 (日本語)
- 弓:弓矢を放つための道具
→「弓を引いて矢を放つときに使われる道具です。弓道やアーチェリーで使われる弓をイメージしてください。」 - 船首:船の一番前の部分
→「海事用語で、船の前方部分です。『船尾』(stern)と対をなす部位です。」 - 蝶結び・リボン結び:装飾用の結び目
→「文字通り、プレゼントのリボンや髪飾りなどでよく使われる結び方です。」 - (音楽の) 弓:ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器を演奏する際の弓
→「木製の棒に馬のしっぽの毛が張られたものです。弦をこすって音を出します。」 - おじぎ:上半身を前に傾けて挨拶する動作 (形の上では名詞でも、実際には動詞もよく使います)
→「会釈や深いおじぎなど、日本でも礼儀として日常的に使われています。」
使用場面やニュアンス
- 「弓」や「船首」、「(音楽の) 弓」のように具体的な物体を指すときに使われます。
- 「蝶結び」は日常やプレゼントの場面でよく登場します。
- 「おじぎ」は礼儀や挨拶に関する文脈で使われます。
活用形
名詞には基本的に変化形はありませんが、複数形では bows となります。
- a bow (単数形)
- bows (複数形)
他の品詞例
- 動詞: to bow (おじぎをする)
- 例: He bowed to the audience. (彼は観客におじぎをした)
- 例: He bowed to the audience. (彼は観客におじぎをした)
- 形容詞: bowed (曲がった、湾曲した) などで使われることがあります。
CEFR レベル (目安: B2 中上級)
「bow」は同綴りでも意味や発音などが大きく変わる多義語であり、中上級レベルの英語学習者が意識的に学ぶ単語の一つです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「bow」という単語には、はっきりとした接頭語や接尾語はありません。
- 古英語に由来し、それぞれの意味(弓、おじぎなど)も歴史的な派生をもって現在に至ります。
関連語や派生語
- bowman (名詞):弓兵、弓を扱う人
- bowstring (名詞):弓の弦
- bowline (名詞):船の帆を張るためのロープ(海事用語)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- bow and arrow → 弓と矢
- take a bow → おじぎをする(舞台挨拶などで)
- bow of the ship → 船首
- play the violin with a bow → ヴァイオリンを弓で演奏する
- tie a bow → リボンを結ぶ
- bow tie → 蝶ネクタイ
- musical bow → (弦楽器の) 弓
- hair bow → 髪飾り用のリボン結び
- make a deep bow → 深々とおじぎをする
- draw a bow → 弓を引く
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語 “boga” (弓、湾曲したもの) から派生し、「曲がったもの」「湾曲した形」を意味するところから「弓」や「おじぎ」へ、さらには船首(船が湾曲して突き出している部分)などへ広がっています。
ニュアンス・使用時の注意
- 「bow (弓)」と「bow (おじぎ)」は同じスペルですが、発音が異なります(後述)。
- 「おじぎ」のニュアンスには、礼儀正しさや敬意が含まれ、和やかなイメージを持ちます。
- 「弓」や「船首」に関しては日常会話で頻出するわけではありませんが、アーチェリーや海事、または音楽分野では基本的な用語です。
- フォーマルな文脈では「take a bow」のように舞台挨拶などで使われ、カジュアルな会話から正式なスピーチまで幅広いシーンで用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「弓」「船首」「蝶結び」「(音楽の) 弓」「おじぎ」いずれも可算名詞として扱われます。例: a bow, two bows
- イディオム:
- “take a bow”: 舞台挨拶などでおじぎをする
- “draw the long bow”: 大げさに話す、ホラを吹く (やや古風)
- “take a bow”: 舞台挨拶などでおじぎをする
- フォーマル/カジュアル:
- フォーマルな式典や舞台などでは “Please take a bow.”
- カジュアルな会話で「蝶結びを作る」「髪にリボンを付ける」など日常でもよく使われます。
- フォーマルな式典や舞台などでは “Please take a bow.”
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I need to tie a bow on this present before the party.”
- 「パーティの前にこのプレゼントにリボンの蝶結びをしなきゃ。」
- 「パーティの前にこのプレゼントにリボンの蝶結びをしなきゃ。」
- “Her hair bow matches her dress perfectly.”
- 「彼女の髪につけたリボンはドレスにぴったりだね。」
- 「彼女の髪につけたリボンはドレスにぴったりだね。」
- “Could you make a small bow when you meet her? She values politeness.”
- 「彼女に会ったら軽くおじぎをしてくれる?礼儀を大切にしているんだ。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “He gave a slight bow to the clients as a sign of respect.”
- 「彼は顧客に礼儀として軽くおじぎをした。」
- 「彼は顧客に礼儀として軽くおじぎをした。」
- “Make sure the company logo on the ship’s bow is clearly visible.”
- 「船首にある会社のロゴがはっきり見えるようにしておいてください。」
- 「船首にある会社のロゴがはっきり見えるようにしておいてください。」
- “Our product packaging has a small bow for a classy look.”
- 「私たちの製品のパッケージには上品さを出すために小さな蝶結びが付いています。」
(3) 学術的/アカデミックな文脈での例文
- “In traditional archery, the shape of the bow significantly affects arrow velocity.”
- 「伝統的な弓術では、弓の形が矢の速度に大きく影響します。」
- 「伝統的な弓術では、弓の形が矢の速度に大きく影響します。」
- “The violin bow is often made of Pernambuco wood for optimal resonance.”
- 「ヴァイオリンの弓は、最適な響きを得るためにペルナンブコ材で作られることが多いです。」
- 「ヴァイオリンの弓は、最適な響きを得るためにペルナンブコ材で作られることが多いです。」
- “Naval architects focus on designing the bow of a ship to reduce water resistance.”
- 「造船技師は、水の抵抗を減らすために船の船首の設計に重点を置きます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- prow (名詞): 船首
- “bow” と同じく船の前方部分を指し、海事用語では “prow” が使われることがありますが、一般的には “bow” のほうが広く知られています。
- “bow” と同じく船の前方部分を指し、海事用語では “prow” が使われることがありますが、一般的には “bow” のほうが広く知られています。
- knot (名詞): 結び目
- “bow” は結び目の一種(蝶結び)ですが、knot は一般的に紐を結ぶすべてを指します。
- “bow” は結び目の一種(蝶結び)ですが、knot は一般的に紐を結ぶすべてを指します。
- bend (動詞/名詞): 曲げる、カーブ
- 「おじぎ」の動作にも“bend”を使うことがありますが、より一般的に「体を曲げる」という意味です。
反意語
- stern (名詞): 船尾
- 船の後方部分で、bow と対をなす言葉です。
7. 発音とアクセントの特徴
bow は意味によって発音が異なる “heteronym (同綴異音語)” です。
- 弓 / 船首 / 蝶結び / (音楽の) 弓 など → /boʊ/ (米), /bəʊ/ (英)
- アクセントは一音節なので、特定の強勢位置はなく「ボウ」と発音します。
- アクセントは一音節なので、特定の強勢位置はなく「ボウ」と発音します。
- おじぎ → /baʊ/ (米・英共通)
- 「アウ」と発音するイメージです。
- 「アウ」と発音するイメージです。
例
- “He bought a new bow (/boʊ/) and arrows.” (彼は新しい弓と矢を買った。)
- “He made a deep bow (/baʊ/) to the audience.” (彼は観客に深々とおじぎをした。)
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 同綴なので紛らわしくありませんが、発音を取り違えないように注意が必要です。
- 同音異義語との混同: “bow” は文脈で意味と発音が大きく異なります。文章や会話の内容から文脈的に判断しましょう。
- 試験対策: TOEIC や英検などでも、多義語として出題される場合があります。特にリスニングセクションで「おじぎ」なのか「弓」なのかを問う問題などが考えられます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「弓 (bow /boʊ/)」は“boat の bo-”のような音で、「おじぎ (bow /baʊ/)」は“cow (カウ)”と同じ母音のイメージで覚えると区別しやすいです。
- 「前に曲がる」(おじぎ) は “baʊ”、「弓の形はボウッと曲がっている」イメージで “boʊ” と関連づけると覚えやすいでしょう。
- 多義語なので、絵と一緒に「おじぎ」「弓」のそれぞれのイメージを頭に浮かべながら覚えてみてください。
このように、bow は意味や発音が多彩な単語です。文脈をよく把握し、正しい意味と発音を選んで使えるようになりましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(楽器の)弓
意味(2)
弓形,弓形のもの(にじなど)
意味(3)
(リボンなどの)ちょう結び;ちょうネクタイ(bowtie)
意味(4)
(めがねの)つる
意味(5)
弓