元となった辞書の項目
because of
解説
1. 基本情報と概要
単語(表現): because of
品詞: 前置詞(句)
英語の意味: due to, on account of, as a result of
「~が原因で」「~のために」「~のせいで」という意味を表します。
日本語では「~が原因で」「~のために」というニュアンスで、理由・原因を表す際に使われる表現です。
「He was late because of the heavy traffic.」
(彼はひどい交通渋滞が原因で遅刻した。)
のように、「何が理由なのか」を具体的に名詞や名詞句で受けるときに用います。
活用形
前置詞なので、動詞のように活用はしません。ただし、後ろに続くのは名詞または代名詞です。
- 正: because of the rain / because of you
- 誤: because of it rained など、節(S+V)を続けるのは誤用です。
他の品詞形への派生
- “because” 単体で用いる場合は接続詞 (conjunction) になります。
例: “He was late because it rained.” (it 以下は節) - “of” も単独で前置詞ですが、“because of” はセットで一つの前置詞句として機能します。
CEFR レベル: B1(中級)
・日常会話やビジネスなどでよく使われる頻出表現で、理由を説明するときに必須となる構文です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- because
- 元々は “by cause” という語源から来ており、「原因となるものによって」という意味合い。
- 元々は “by cause” という語源から来ており、「原因となるものによって」という意味合い。
- of
- 前置詞で「~の」「~に属する」。
- 前置詞で「~の」「~に属する」。
- because of
- 2語が連結して「~が原因で」「~のために」という意味を担う。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- because of the rain (雨のために)
- because of the traffic jam (交通渋滞のせいで)
- because of your help (あなたの助けのおかげで)
- because of the delay (遅延が原因で)
- because of unforeseen circumstances (予想外の事態のせいで)
- because of financial reasons (金銭的な理由で)
- because of technical difficulties (技術的問題のために)
- because of the weather conditions (天候状況が原因で)
- because of COVID-19 (COVID-19が理由で)
- because of personal issues (個人的な問題で)
3. 語源とニュアンス
語源
- “because” は中英語の “by cause” (理由によって) が一体化したものとされます。
さらに “of” が加わることで、原因を示す前置詞句として機能するようになりました。
ニュアンス
- 「原因・理由を述べたいとき」に簡潔に使える表現。
- フォーマル、カジュアルともに幅広く使われ、会話・文章いずれでも自然に用いられます。
- 「because + 節」と異なり、「because of + 名詞(句)」という構造になっている点に注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 構文: because of + 名詞 / 代名詞 / 名詞句
- 例: “He left early because of the storm.”
- 例: “He left early because of the storm.”
- 可算・不可算: 名詞の可算・不可算に関わらず使用可能です。
- 句動詞ではない: これはあくまでも前置詞句なので、動詞に掛かる修飾を行います。
- フォーマル / カジュアル: どちらの文体でも使用できますが、フォーマルな場面では “due to” や “owing to” を使うことも多いです。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I’m staying home because of the bad weather.”
(悪天候が原因で家にいます。) - “We had to cancel the picnic because of the rain.”
(雨のせいでピクニックを中止しなければなりませんでした。) - “I’m tired today because of lack of sleep.”
(寝不足が原因で今日は疲れています。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The meeting was postponed because of the client's sudden request.”
(クライアントからの突然の要望により、会議は延期されました。) - “We couldn't deliver on time because of a technical error.”
(技術的エラーのせいで、納期に間に合いませんでした。) - “Our sales figures dropped significantly because of market fluctuations.”
(市場の変動が原因で、売上が大きく落ち込みました。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “The results were inconclusive because of insufficient data.”
(データ不足により、結果は決定的なものにはなりませんでした。) - “Because of the high standard deviation, further analysis is required.”
(標準偏差が高いため、さらなる分析が必要です。) - “The hypothesis was rejected because of significant evidence to the contrary.”
(反証となる重要な証拠が存在したため、その仮説は棄却されました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- due to(~のせいで / ~が原因で)
- because of よりもややフォーマル。
- 例: “The flight was canceled due to bad weather.”
- because of よりもややフォーマル。
- owing to(~が原因で)
- フォーマルな文書でよく使われる。
- 例: “The event was delayed owing to technical issues.”
- フォーマルな文書でよく使われる。
- on account of(~のために)
- 少し古風な響きを持ち、文語的。
- 例: “He couldn’t attend on account of illness.”
- 少し古風な響きを持ち、文語的。
- as a result of(~の結果)
- 結果や帰結を強調。
- 例: “Sales increased as a result of the new marketing strategy.”
- 結果や帰結を強調。
反意語(文脈上の対比的表現)
- despite(~にもかかわらず)
- in spite of(~にもかかわらず)
いずれも「~が原因で」という意味の逆を表す、逆接の前置詞句です。
7. 発音とアクセントの特徴
- because:
- アメリカ英語: /bɪˈkɑːz/ または /bəˈkʌz/
- イギリス英語: /bɪˈkɒz/ (「ビコズ」や「ビカズ」のように聞こえる)
- アメリカ英語: /bɪˈkɑːz/ または /bəˈkʌz/
- of:
- /əv/(弱形, 「アヴ」に近い)または /ʌv/(強調時の音)
「because of」をまとめて言うと「ビコズ(ビカズ) アヴ」のようにつながり、しばしば「ビコゾヴ」のように聞こえる場合もあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
“because of” の後ろは名詞句
- 誤: “He was late because of he was sick.”
- 正: “He was late because he was sick.”(接続詞 “because” を使用)
- 正: “He was late because of his illness.”(名詞句の場合)
- 誤: “He was late because of he was sick.”
スペルミス
- “becuase” や “becauce” などのつづり間違いに注意。
TOEIC / 英検などの出題傾向
- 前置詞と接続詞の区別を問う問題でよく登場。
- 「(because of) + 名詞」か「(because) + 主語 + 動詞」かを区別できるかが焦点になることが多い。
- 前置詞と接続詞の区別を問う問題でよく登場。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「because of」は「cause (原因) + of (~の)」というイメージをすると覚えやすいかもしれません。
- “because of” の後には「名詞や名詞句が来る!」というルールをしっかり頭に入れると、接続詞の “because” との使い分けがスムーズです。
- スペリングは「be + cause + of」で区切って確認すると間違いにくくなります。
以上が「because of」の詳細解説です。理由や原因を短く表したいときには非常に便利な表現なので、日常会話でもビジネスシーンでも活用してみてください。
意味のイメージ