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acquaintance
解説
名詞 “acquaintance” の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: acquaintance
日本語: 知人(ちじん)
品詞: 名詞
意味(英語・日本語)
- 英語: A person one knows slightly but is not a close friend.
- 日本語: 「顔見知り」や「少しは知っている人」のことで、親しい友人ほどではないが、ある程度の面識がある人を指します。ややフォーマルな響きがあり、「知り合い」というニュアンスで用いられます。
「acquaintance」は「顔見知りや仕事上の知り合い」のように、相手との距離が比較的遠い場合に使われます。身内・家族や親友といった近しい関係性では使われません。
活用形
名詞なので直接的な活用はありませんが、派生形や関連する品詞として下記のようなものがあります。
- 動詞形:acquaint (~に知らせる、熟知させる)
- 例) acquaint oneself with ...(…に精通する)
- 例) acquaint oneself with ...(…に精通する)
- 形容詞形:acquainted (~と面識がある、~をよく知っている)
CEFR レベル
- B2(中上級): B2 レベルになると語彙も増えてきて、より抽象的な概念を扱う単語の使用が増えます。「acquaintance」は日常生活でも時々耳にしますが、少しフォーマルな場面にも登場するため、B2 くらいが目安です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- ac-: もともとはラテン語由来の接頭辞 “ad-” (~へ、~に向かって)
- quaint: 古フランス語 “acointer” (知らせる、紹介する) に由来するとされますが、直接的には “coint” (知られるようになる) と関連があります。
関連する派生語や類縁語
- acquaint (v.): 知らせる、知らせて親しくさせる
- acquainted (adj.): 面識がある、よく知っている
- acquaintanceship (n.): 知人関係、知り合いとしての関係
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- make an acquaintance with ~
→ ~と知り合いになる - a passing acquaintance
→ かすかな知り合い(深くは知らない知人) - a casual acquaintance
→ なんとなくの知り合い - renew an acquaintance
→ 知り合いとの関係を再開する - develop an acquaintance
→ 知り合い関係を深める - acquaintance network
→ 知人のネットワーク - slight acquaintance
→ 浅い付き合い(面識が薄い) - broad circle of acquaintances
→ 幅広い交友関係(たくさんの知人がいる) - close acquaintance (slightly contradictory in nuance, but sometimes used)
→ 比較的親しい知人 - introduction through acquaintances
→ 知人を通しての紹介
3. 語源とニュアンス
語源
- 古フランス語 “acointer” (紹介する、親しくさせる) に由来し、それが中英語へと入ってきたとされています。ラテン語の “ad-” + “cognoscere” (知る) が遠い起源とされることもあります。
ニュアンス・使用時の注意
- 「acquaintance」は「友人(friend)」ほど親しみを示すニュアンスではありません。あくまで「知っている人」という感じです。
- 日常会話でも使われますが、ややフォーマルな場面や書き言葉での使用が目立ちます。日常では単純に「someone I know(知り合い)」と言うことも多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「an acquaintance」「some acquaintances」のように可算扱いされます。
- 構文例:
I have an acquaintance who works at the bank.
He’s just a casual acquaintance from college.
イディオムや表現
- make (someone's) acquaintance: ~と知り合いになる、初対面をする
- 例)
I had the pleasure of making her acquaintance at the conference.
- 例)
フォーマル/カジュアル
- フォーマル寄り: ビジネスや目上の人へのレター、公式文書などでもよく使われます。
- カジュアル: 口語では少し硬い響きがありますが使えなくはありません。ただし、会話では「I know him (彼のこと知ってる)」や「He’s a friend of a friend (友達の友達)」など、より軽めの表現が多用されます。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
She’s not a close friend, just an acquaintance from my gym.
- (彼女は親友ってわけではなく、ジムで顔見知りになった人なんだ。)
- (彼女は親友ってわけではなく、ジムで顔見知りになった人なんだ。)
I ran into an old acquaintance at the grocery store today.
- (今日、スーパーで昔の知り合いに偶然会ったよ。)
- (今日、スーパーで昔の知り合いに偶然会ったよ。)
He’s only an acquaintance; we’ve never really hung out.
- (彼はただの知り合いで、実は一緒に遊んだことはないんだ。)
(B) ビジネスでの例文
We have several mutual acquaintances in the industry.
- (業界に私たちの共通の知り合いが何人かいます。)
- (業界に私たちの共通の知り合いが何人かいます。)
It would be great to expand our network of acquaintances at this seminar.
- (このセミナーで、知人のネットワークを広げられるといいですね。)
- (このセミナーで、知人のネットワークを広げられるといいですね。)
I met him through a business acquaintance who recommended our service.
- (弊社のサービスを紹介してくれたビジネス上の知人を通じて、彼と知り合いました。)
(C) 学術的・フォーマルな文脈での例文
Her acquaintance with Goethe’s works is extensive.
- (彼女はゲーテの作品を幅広く知っている。)
- (彼女はゲーテの作品を幅広く知っている。)
The researcher’s acquaintance with statistical methods proved invaluable.
- (その研究者の統計手法に対する熟知が非常に貴重なものとなった。)
- (その研究者の統計手法に対する熟知が非常に貴重なものとなった。)
His acquaintance with historical archives helped in verifying the data.
- (歴史アーカイブに精通していたことが、データの検証に役立った。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- associate (同僚、仕事関係の人)
- 「associate」は「仕事相手、同僚」などビジネス寄りの文脈で使われやすい。
- 「associate」は「仕事相手、同僚」などビジネス寄りの文脈で使われやすい。
- contact (連絡先、取引先の知り合い)
- 「contact」は情報交換のための連絡相手というニュアンスが強い。
- 「contact」は情報交換のための連絡相手というニュアンスが強い。
- familiar (面識がある人)
- 「familiar」は形容詞的にも使われ、「馴染みのある」「面識がある」という状態を表す。
反意語 (Antonyms)
- stranger (見知らぬ人)
- 「全く知らない人」という点で「知人」とは対極。
- 「全く知らない人」という点で「知人」とは対極。
- enemy (敵)
- 立場的に敵対する相手を示す。
「acquaintance」は一定の面識を前提とします。ほぼ何も知らない「stranger(他人)」や感情的に敵対している「enemy(敵)」は反意として挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (アメリカ英語): /əˈkweɪn.təns/
- IPA (イギリス英語): /əˈkweɪn.təns/
強勢(アクセント)
- 第2音節「-quaint-」に強勢があります。 /ə-KWAYN-təns/ のように発音します。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- ほとんど同じ発音です。母音の若干の違い(/eɪ/ の長さなど)が地域差で出る場合があります。
よくある発音ミス
- “quaint” の部分を /kwɪn/ のように短く発音してしまう
- 語末 -ance を /-əns/ ではなく /-ɑːns/ のように伸ばしてしまう
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “acquaintance” の “quaint” の部分を “quint” や “quant” と間違えないように注意。
- 同音異義語との混同: 特に挙げられるような同音異義語はありませんが、「acquaint (動詞)」との混同に注意しましょう。
- 試験対策: TOEIC や英検の読解問題で、文脈から「彼らはただの知り合いの関係」といったニュアンスを理解する必要が出てきます。フォーマルな文脈で使われることが多いので、ビジネスレターや文章の読解問題で出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「acquaintance」は「ac + quaint(珍しい?)」のように見えますが、「相手を知らせる(親しくさせる)」というイメージで覚えるとよいでしょう。
- 「acquaintance = ちょっとした知り合い」という意味で、「知り合う(= acquaint) + ’-ance’(名詞化) → 知り合い」という流れを頭に入れておくと理解しやすいです。
- 勉強テクニックとしては、「友達(friend)よりは距離がある人 → acquaintance」というニュアンス差を意識して、実際の人間関係をイメージすると覚えやすいでしょう。
以上が “acquaintance” の詳細解説です。使いどころを押さえながら、ぜひ語彙力アップに活用してください!
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(それほど親密ではない)知り合い,知人
意味(2)
(またacquaintanceship)〈U〉《時にa~》( …を)知っていること,(…の)知識《+with+名》