元となった辞書の項目
wide
解説
副詞 “wide” の徹底解説
1. 基本情報と概要
英語: wide
日本語: 広く、大きく、完全に
品詞: 副詞 (ただし形容詞としても “wide” は存在します)
「wide」は形容詞としては「広い」という意味が有名ですが、副詞として使う場合は「広く」「大きく」「完全に」などの意味を表します。文脈によっては「的外れに」「大きくずれて」というニュアンスもあります。副詞としては使用頻度がそこまで高くはありませんが、日常や文書でも「ドアを大きく開く」などの表現で見かけることがあります。
- 「ドアを広く(大きく)開ける」や「目を大きく見開く」など、大きな動作や「完全に開く」というニュアンスで使われます。
- 「ターゲットを大きく外れる」という表現にも使われ、ずれや誤差が大きいことを表す場合もあります。
活用形(形容詞としての比較級・最上級の例)
- 形容詞: wide
- 比較級: wider
- 最上級: widest
副詞の “wide” 自身は比較級・最上級を持たず、意味を変えたいときは “widely” (より広く) という別の副詞を使う場合があります。
他の品詞になったときの例
- 形容詞: “wide” (広い)
例) The road is wide. (その道は広い) - 副詞: “wide” (広く、大きく)
例) She opened the door wide. (彼女はドアを大きく開けた)
CEFRレベル目安: B1(中級)
- A1(超初心者)やA2(初級)ではまだ習得する単語としては早めですが、B1以降になると形容詞と副詞の使い分けの学習時に出てきます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- もともと “wide” は接頭語・接尾語を特に持たず、語幹 “wide” そのままの形で副詞や形容詞として機能します。
関連する派生語
- widely (副詞): 広範囲に渡って、広く
例) He is widely known as a composer. (彼は作曲家として広く知られている)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- open (something) wide
- 何かを大きく開ける
- 例) She opened the door wide to let in fresh air.
- 何かを大きく開ける
- eyes wide open
- 目を大きく見開いて
- 例) He listened with his eyes wide open.
- 目を大きく見開いて
- wide awake
- すっかり目が覚めて
- 例) I’m wide awake after that strong coffee.
- すっかり目が覚めて
- throw (one’s arms) wide
- 腕を大きく広げる
- 例) He threw his arms wide in greeting.
- 腕を大きく広げる
- go wide (of the mark)
- 予想から大きく外れる・的を外す
- 例) The kick went wide of the goal.
- 予想から大きく外れる・的を外す
- swing (something) wide
- 大きく振って開ける
- 例) He swung the door wide to welcome guests.
- 大きく振って開ける
- spread wide
- 広く広げる・展開する
- 例) They spread the map wide on the table.
- 広く広げる・展開する
- stretch wide
- 大きく伸ばす
- 例) She stretched her arms wide after waking up.
- 大きく伸ばす
- wide of the target
- ターゲットから大きく外れて
- 例) The arrow landed wide of the target.
- ターゲットから大きく外れて
- wide in scope
- 範囲が広い(※形容詞的用法が混ざる場合あり)
- 例) The investigation was wide in scope.
- 範囲が広い(※形容詞的用法が混ざる場合あり)
3. 語源とニュアンス
“wide” は古英語の “wīd” に由来し、ゲルマン語系の「広い」を意味する語から派生しました。形容詞として「広い」という意味が中心ですが、そこから派生して「大きく広げている様子」「完全にオープンな状態」として副詞でも使われるようになりました。
使用時の注意点・ニュアンス
- 副詞 “wide” は「(ドアなどを)大きく開ける」「完全に開いている状態」を表すのにピッタリです。
- 少し口語的な響きがあり、日常会話やカジュアルな文体でよく使われますが、ビジネス文書でも描写的に使用されることがあります。
- 「的を外す」という意味(遠く外れる)もあるので、文脈的にネガティブなニュアンス(正確さに欠ける)を表すこともあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞としての位置
- 通常、動詞や分詞を修飾する位置に置かれます。
- 例) She opened the window wide. (彼女は窓を大きく開けた)
- 通常、動詞や分詞を修飾する位置に置かれます。
- 形容詞 “wide” との違い
- 形容詞: The road is wide. (その道は広い)
- 副詞: The door swung wide. (ドアが大きく開いた)
- 形容詞: The road is wide. (その道は広い)
- 他動詞・自動詞
- “wide” は主に「どのように開くか」を修飾するので、基本的には動作を表す動詞(他動詞・自動詞のどちらにも)に付けることが可能です。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Could you open the window wide? It’s stuffy in here.”
(窓を広く開けてくれる?ここ、ムッとしてるから。) - “I woke up wide awake this morning, ready to work out.”
(今朝はすっかり目が覚めて、運動する準備万端だったよ。) - “You left the back door wide and the cat got out!”
(裏口を大きく開けっぱなしにしてたから、猫が外に出ちゃったよ!)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Please open the conference room doors wide to accommodate more people.”
(より多くの人が入れるように会議室のドアを大きく開けてください。) - “Our projections were wide of the mark, so we need to revise the plan.”
(私たちの予測は大きく外れていたので、計画を修正する必要があります。) - “The scope of this project is wide, so we must allocate sufficient resources.”
(このプロジェクトは範囲が広いので、十分なリソースを割り当てなければなりません。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “The researcher left the laboratory door wide for ventilation during the experiment.”
(研究者は実験中、換気のために研究室のドアを大きく開けておいた。) - “His findings were criticized for being too wide of the standard methods.”
(彼の研究結果は、標準的な手法からあまりにも逸脱しているとして批判された。) - “When analyzing wide discrepancies, scholars must consider multiple factors.”
(大きく異なる結果を分析する際、研究者は複数の要因を考慮しなければなりません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(副詞として)
- fully(完全に)
- 例) The door was fully open. (ドアは完全に開いていた)
- “wide” よりも「余すところなく」のニュアンスが強い。
- 例) The door was fully open. (ドアは完全に開いていた)
- broadly(広範に)
- 例) He broadly declared his opinion. (彼は幅広い視点で意見を表明した)
- “wide” よりも「範囲が広い」「包括的」のニュアンスが強い。
- 例) He broadly declared his opinion. (彼は幅広い視点で意見を表明した)
- completely(すっかり・完全に)
- “wide” に含まれるニュアンスをより一般的に表せる。
反意語
- narrowly(狭く)
- 例) The door opened narrowly. (ドアはわずかに開いた)
- 例) The door opened narrowly. (ドアはわずかに開いた)
- slightly(わずかに)
- 例) He only opened the window slightly. (彼は窓を少しだけ開けた)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /waɪd/
- アクセントの位置: “wide” 全体を一拍で /waɪd/ と発音します。
- アメリカ英語・イギリス英語: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語の方が /aɪ/ がややハッキリした音になる傾向があります。
- よくある発音の間違い: “wid” (「ウィド」のように短く) としてしまうこと。しっかり「ワイド」と二重母音 /aɪ/ の音を意識すると良いでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 形容詞 “wide” と副詞 “widely” の混同
- “wide” と “widely” はどちらも「広く」を意味しますが、用法が異なります。
- 副詞の基本形は “widely” が多用される一方、文脈によっては「大きく開かれている」「的外れに」などのニュアンスで “wide” も使われる。
- “wide” と “widely” はどちらも「広く」を意味しますが、用法が異なります。
- スペルミス
- “wide” を “wiede” や “wid” などと綴ってしまうことがあります。
- “wide” を “wiede” や “wid” などと綴ってしまうことがあります。
- TOEIC・英検など試験対策
- 副詞 “wide” が出題される場合は、「形容詞との混同を問う」問題や「“wide” と “widely” の違いを理解しているか」を確かめる問題として出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ワイドスクリーン (wide screen)」を思い出す: 「横長に広い」というイメージがわきやすく、そこから「大きく広げている様子」を副詞のイメージとして関連づけられます。
- “door wide open” のフレーズとセットで覚えると、動詞を修飾する「大きく開ける」イメージがしっかり身につきます。
- 二重母音 /waɪ/ をしっかり発音すると、スペリングするときに “i” が入ることを思い出しやすくなります。
以上が副詞 “wide” の解説です。形容詞として「広い」という意味がよく知られていますが、「大きく」「完全に開いている状態」を表す副詞としての使用も押さえておくと、より自然な英語表現ができるようになります。ぜひ例文も参考に使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
広く,広範囲に
意味(2)
広く開いて,十分に開けて