元となった辞書の項目
well-known
解説
1. 基本情報と概要
単語: well-known
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベル: B1(中級)
- 「世間によく知られている」「有名な」という意味。
- 「特定の分野や場所などで広く認知されている」ニュアンスをもつ単語です。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広い場面で使われ、フォーマル・カジュアルどちらにも対応可能な便利な表現です。
活用形(比較級・最上級)
- 一般的に「well-known」は比較級や最上級をとりにくい表現ですが、使用される場合は「better-known」「best-known」の形をとることがあります。
- 例: “He is better-known for his paintings than his sculptures.” (彼は彫刻よりも絵画でより有名だ)
他の品詞の例
- 「known」自体は形容詞・過去分詞(動詞“know”の過去分詞形)として使われます。
- 「well」は副詞(または形容詞)として使われることがあります。例: “I know him well.” (私は彼をよく知っています)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- well: 副詞「上手に、十分に」などの意味
- known: 動詞「know」の過去分詞形、および形容詞 「知られている」
両方を組み合わせて、「満足に(十分に)知られている」→「よく知られている、有名な」という意味になります。
関連語や派生語
- well-knownness: まれに見られる名詞形(「有名であること」)
- known (形容詞): “He is a known artist.”(彼は知られた存在の芸術家です)
- well-established: 「充分に定着した」
- better-known / best-known: 「より有名な / 最も有名な」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- well-known fact(周知の事実)
- well-known brand(よく知られたブランド)
- well-known figure(著名人)
- well-known author(有名な作家)
- well-known restaurant(有名なレストラン)
- well-known phenomenon(よく知られた現象)
- well-known phrase(よく知られたフレーズ)
- well-known company(有名企業)
- well-known for ~(〜で有名)
- well-known worldwide(世界的によく知られている)
3. 語源とニュアンス
語源
- well は古英語の “wel” に由来し、「良く」「充分に」などを表す言葉。
- known は古英語の “cnawan” (知る) の過去分詞形から。
中世英語以降、「十分に知り渡っている」という含みから「よく知られている(有名な)」という意味合いが定着しました。
ニュアンス
- 「有名」=「famous」とほぼ同義ですが、直接「名声」を強調するよりも、広く認知されていることを冷静に伝えるニュアンスがあります。
- フォーマル・カジュアル両方で使用可能です。
- 肯定的な文脈で使われることが多く、人物や事柄の名声や信頼度を示す際に用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾します。
- 例: “He is a well-known scientist.” (彼はよく知られた科学者だ)
- 例: “He is a well-known scientist.” (彼はよく知られた科学者だ)
- 補語として使う場合は “He is well-known (for ~).” のように、be 動詞+形容詞の形をとります。
- 名詞の前に置いて名詞を修飾する場合はふつうハイフン付きで “well-known” と書きます。
- 例: “He is a well-known figure in this town.”
- 例: “He is a well-known figure in this town.”
- 口語・文章いずれでも使用されますが、文書などではハイフンをしっかりつけて表記することが多いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “He’s well-known in our neighborhood for organizing community events.”
- (彼は地域のイベントを企画していることで、この近所ではよく知られています)
- (彼は地域のイベントを企画していることで、この近所ではよく知られています)
- “That café is well-known for its cozy atmosphere.”
- (あのカフェは居心地の良さで有名です)
- (あのカフェは居心地の良さで有名です)
- “She’s quite well-known among local artists.”
- (彼女は地元の芸術家の間でかなり知られています)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Our company is well-known for its customer service.”
- (当社は顧客サービスで有名です)
- (当社は顧客サービスで有名です)
- “He’s a well-known consultant in the tech industry.”
- (彼はテック業界でよく知られたコンサルタントです)
- (彼はテック業界でよく知られたコンサルタントです)
- “This software is well-known for its user-friendly interface.”
- (このソフトウェアはユーザーフレンドリーなインターフェースで有名です)
(3) 学術的な文脈での例文
- “It is a well-known theory that has influenced many researchers.”
- (これは多くの研究者に影響を与えてきた、よく知られた理論です)
- (これは多くの研究者に影響を与えてきた、よく知られた理論です)
- “His work is well-known in the field of molecular biology.”
- (彼の研究は分子生物学の分野で有名です)
- (彼の研究は分子生物学の分野で有名です)
- “The phenomenon is well-known, yet not fully understood.”
- (その現象はよく知られていますが、まだ完全には理解されていません)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- famous(有名な)
- 「名声」「多くの人に知られている」という側面が強調される。
- 「名声」「多くの人に知られている」という側面が強調される。
- renowned(高名な、評価の高い)
- 学術や芸術領域で特に評価されているニュアンス。
- 学術や芸術領域で特に評価されているニュアンス。
- noted(著名な)
- ややフォーマルで、特定の分野で認知度が高い。
- ややフォーマルで、特定の分野で認知度が高い。
- celebrated(称賛されるほどに有名な)
- 肯定的・祝福的なイメージが強い。
- 肯定的・祝福的なイメージが強い。
- distinguished(卓越した、有名な)
- 地位や功績などにより敬意を集めているイメージ。
反意語
- unknown(未知の、無名の)
- obscure(あまり知られていない、不明瞭な)
これらは「知られていない、無名である」ことを表す点で “well-known” の対極にあたります。
7. 発音とアクセントの特徴
- アメリカ英語(IPA): /ˌwɛl ˈnoʊn/
- イギリス英語(IPA): /ˌwel ˈnəʊn/
- アクセントは「noʊn / nəʊn」のあたりに置かれるイメージです。
- “well” の /wɛl/ /wel/ は短く発音し、“known” をはっきり発音するように意識すると通じやすいです。
- “known” の /n/ の鼻音をしっかり出す点にも注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- ハイフンの有無
- 名詞を修飾する形容詞として使うときは「well-known」とハイフンを入れるのが一般的です。
- 名詞を修飾する形容詞として使うときは「well-known」とハイフンを入れるのが一般的です。
- “better-known”, “best-known” の存在
- 通常の比較級「more well-known」とは言わず、「better-known」や「best-known」が使われる点に注意。
- 通常の比較級「more well-known」とは言わず、「better-known」や「best-known」が使われる点に注意。
- スペルミス
- “known” の w を落としてしまったり、ハイフンの位置を間違えたりしがちなので確認を。
- “known” の w を落としてしまったり、ハイフンの位置を間違えたりしがちなので確認を。
- TOEICや英検などの試験
- ビジネスシーンや一般常識を問う問題で「〜 is well-known for 〜」の形で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “well” = 「良く」「十分に」、 “known” = 「知られている」と結びつけて「よく知られている」をイメージすると覚えやすいでしょう。
- スペリングは「well (w-e-l-l)」+「known (k-n-o-w-n)」ですが、中に “k” のサイレント文字があるため、混同に注意が必要です。
- 「知る (know)」+「良く (well)」という語源を思い出すことで、自然にイメージしやすいと思います。
上記のポイントを押さえて「well-known」を使いこなせるようになると、会話や文章表現の幅が広がります。ぜひいろいろな文脈で活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
有名な,周知の