元となった辞書の項目
scale
解説
以下では、名詞としての「scale」を、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
単語: scale
品詞: 名詞 (他の品詞としては動詞でも使われる)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
意味(英語 / 日本語)
- (1) a device for weighing / 計り(重さを測る装置)
こういう場面で使われる:体重計やキッチンのはかりなどを指します。 - (2) the size or level of something, especially when compared to something else / 規模、程度
こういう場面で使われる:プロジェクトの規模や地図上の縮尺など、何かの大きさや範囲を表すときに使われます。 - (3) the outer covering of fish or reptiles / (魚や爬虫類の)うろこ
こういう場面で使われる:動物学や生物学などで、特定の生き物の体表を説明するときに使われます。 - (4) a series of musical notes arranged in order / 音階
こういう場面で使われる:音楽や楽器の練習で、音階の練習をするときに使われます。
「scale」は非常に多義的で、重さの計量器から規模、うろこ、音階といったバラエティ豊かな意味を持っています。文脈によって意味が大きく変わるので、どのシーンで使われているかを考慮する必要があります。
活用形・他の品詞形
- 名詞: scale (複数形: scales)
- 動詞: to scale(登る、拡大・縮小するなど。例: “scale a wall”)
- 形容詞形は特にないが、派生形として“scalable”という形容詞(拡張や拡大が可能な)があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹 (scale): ラテン語由来で、“scala” (階段や段階を意味した語)に由来するとされます。
代表的な関連語や派生語
- scalable (形容詞): 拡張性のある、拡大可能な
- scaling (動名詞/形容詞): 拡張すること、または拡張に関する
- scale back/down (句動詞): 規模を縮小する
- scale up (句動詞): 規模を拡大する
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- large scale(大規模な)
- small scale(小規模な)
- on a global scale(世界規模で)
- on a massive scale(大々的に)
- scale model(縮尺模型)
- weigh on the scale(はかりで重さを量る)
- scale of operation(事業の規模)
- fish scale(魚のうろこ)
- musical scale(音階)
- at scale(大規模に、本格的に)
3. 語源とニュアンス
ラテン語の “scala” (はしご、階段) が元になり、そこから「段階的に並べる」「段階を上がる」という意味合いが広がったとされています。
- 歴史的変遷: 古フランス語や中世英語を経て、はかりやうろこの意味が追加されました。
- ニュアンス: 「scale」は「上下・大小などの度合いを測る」「範囲を測る」というイメージが強く、比較の視点が含まれます。
使用時の注意点として、カジュアルな会話でも使われますが、「音階」や「縮尺」「規模」など、比較的フォーマルな文書(学術、ビジネス)でも広く使われます。文脈を見てどの意味かを判断することが重要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 「scale」が「はかり」という具体的な装置を指すときは可算名詞(通常は “a scale” または “scales”)として扱われます。
例: “I bought a new scale.” / “I bought new bathroom scales.”
「規模」や「縮尺」の意味で使うときは通常不可算的に扱います。
例: “We need to consider the scale of the project.” - 一般的な構文
- “the scale of something”: 何かの規模
- “at scale”: 大きな規模で
- “a scale for measuring weight”: 重さを測るためのはかり
- “a musical scale in C major”: Cメジャーの音階
- “the scale of something”: 何かの規模
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Do we have a kitchen scale? I need to weigh the flour.”
(キッチンのはかりある? 小麦粉の重さを量りたいんだけど。) - “I stepped on the scale this morning, and it shocked me!”
(今朝体重計に乗ったら、ショックだったよ!) - “He found a fish scale on his shirt after cooking.”
(料理のあと、シャツに魚のうろこがついているのを見つけたよ。)
ビジネス (フォーマル~セミフォーマル)
- “We plan to operate on a larger scale next year to increase profits.”
(私たちは来年、利益を拡大するためにより大規模に事業を行う予定です。) - “Please make sure the scale of the map is accurate before printing.”
(印刷する前に、地図の縮尺が正確か確認してください。) - “Our new marketing campaign should be rolled out at scale across all regions.”
(新しいマーケティングキャンペーンは、すべての地域で大規模に展開すべきです。)
学術的 (アカデミック)
- “The researchers measured the scale of climate change impacts over the past decade.”
(研究者たちは、過去10年間にわたる気候変動の影響の規模を測定しました。) - “In biology, the protective scales of reptiles serve multiple functions.”
(生物学において、爬虫類のうろこは複数の機能を果たします。) - “This paper discusses the structure of the minor scale in Western music.”
(本論文は、西洋音楽における短音階の構造について論じています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- range(範囲)
- “scale” はやや「比較の度合い・縮尺」などのニュアンスが強く、「range」は単に上下限を指すときに用いられる。
- “scale” はやや「比較の度合い・縮尺」などのニュアンスが強く、「range」は単に上下限を指すときに用いられる。
- scope(範囲、領域)
- “scope” は「活動や議論が及ぶ範囲」で、具体的な数量よりは抽象的な領域を示す。
- “scope” は「活動や議論が及ぶ範囲」で、具体的な数量よりは抽象的な領域を示す。
- extent(広がり、程度)
- “extent” は広さや程度を表し、地理的・抽象的にもよく使われる。
- “extent” は広さや程度を表し、地理的・抽象的にもよく使われる。
- measure(測定、基準)
- “measure” は測る行為や、その結果の数値を指すのに使われる。
反意語
- 厳密に「反意語」と言えるものは少ないですが、“scale down”は “scale up”の反意です。
- “scale up” → 規模を拡大する
- “scale down / back” → 規模を縮小する
- “scale up” → 規模を拡大する
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /skeɪl/
- アクセント: “scale” は 1 音節だけなので、特にアクセントの移動はありません。
- アメリカ英語 / イギリス英語: 大きな違いはほぼありません。
- よくある発音ミス: 日本語の「スケール」に引っ張られて語尾が [ru] のようになりやすいので、短く [skeɪl] と終わらせるのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “scale”を “scare” や “skale” と間違えないようにしましょう。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特に多くありませんが、文脈によって多義語なので意味を取り違えないように。
- 試験対策: TOEICや英検などでは「ビジネス規模を表す語」として、あるいは「音階」「地図の縮尺」など、いろいろな文脈で問われる可能性があります。問題文や設問に応じた文脈把握が大切です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「スケールが大きい」という日本語表現でイメージすると、「規模・度合い」という意味を思い出しやすいです。
- 体重計やキッチン秤など、実際の「はかり」をイメージすると「scale」が思い浮かびます。
- 「音階」も頭の中で「ドレミファソラシド」と浮かべると、単語の発音やスペルイメージが定着しやすいです。
- ラテン語 “scala”=「はしご」→「段階的に上がる・大きくする・小さくする」という連想で記憶に残りやすくなります。
以上が名詞としての「scale」の詳細解説です。一つの単語で多くの意味を持ちますが、どの意味かを文脈から判断する練習をすると、自然と使い分けが身につきます。ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《しばしば複数形で》てんびん,はかり
意味(2)
てんびんのさら
意味(3)
…‘を'てんびんではかる
意味(4)
《重量を表す副詞[句]を伴って》…の目方(体重)がある