元となった辞書の項目
overseas
解説
1. 基本情報と概要
単語: overseas
品詞: 副詞 (ただし形容詞としても使われる)
意味(英語): in or to a foreign country, especially one across the sea.
意味(日本語): 海外へ、海外で。海を越えた外国へ行く、またはそこに関連することを指します。
「アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどの国外へ行く、あるいはそこで行われる活動を表すときによく使われる単語です。主に“abroad”という意味とほぼ同じですが、海を越えるイメージが強い言葉です。」
CEFRレベル: B2(中上級)
「日常会話でもよく見かけますが、ビジネスシーンでも頻出するため、中上級レベルの学習者向けと言えるでしょう。」
活用形
- 副詞: overseas
- 形容詞: overseas (例: an overseas student)
※「副詞」としての使い方は “I went overseas.”、「形容詞」としての使い方は “She has an overseas branch.” のようになります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- over: 「越えて」「上に」というニュアンスを持つ接頭的要素
- seas: 「海」という語
二つが合わさって「海の上を越えて」というイメージを作り出し、「海外」という意味に発展しました。
派生語・関連表現
- overseas (adj.): 海外の、海外に関する
- oversea (古めの表記): 昔は “oversea” と書かれることもありましたが、現在は “overseas” の形が一般的です。
- abroad: 同じく「海外へ」を表す副詞(意味はほぼ同じですが、海を越えるイメージより“自国以外”という意味合いが強い)
よく使われるコロケーション(10個)
- travel overseas(海外旅行をする)
- go overseas(海外へ行く)
- overseas trip(海外旅行)
- overseas operations(海外事業)
- overseas market(海外市場)
- overseas branch(海外支店)
- overseas investment(海外投資)
- overseas expansion(海外への事業拡大)
- overseas customers(海外の顧客)
- send goods overseas(商品を海外へ送る)
3. 語源とニュアンス
- 「over(越えて) + seas(海)」の組み合わせで、中世以降に「海を越えて向こう側」というニュアンスを持つ言葉となりました。
- 多くの場合「外国へ行く」「外国で行う活動」を指します。
- ニュアンスとしては、一般的に「自国以外の場所」「海を挟んだ向こうの国」をややフォーマルながらも日常的に表す際に使われます。
- 「海外勤務」や「海外留学」など、ビジネスや学術の場面でもよく用いられます。
- 口語・文章どちらでも頻出しますが、会話では “I’m going abroad.” と言うのと同様に気軽に使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞用法: 「海外へ/海外で」の意味で使う。
- 例: “He studied overseas for two years.” (彼は2年間海外で勉強しました)
- 例: “He studied overseas for two years.” (彼は2年間海外で勉強しました)
- 形容詞用法: 「海外の」「海外に関する」の意味で使う。
- 例: “The company has an overseas branch.” (その会社は海外支店を持っています)
- 例: “The company has an overseas branch.” (その会社は海外支店を持っています)
- 文法的には可算・不可算などの区別はありません。副詞としては修飾対象が動詞である点に注目してください。
- フォーマル、カジュアルどちらでも使用可能です。公的文書から日常会話まで幅広く使われます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I’m planning to travel overseas next summer.”
(来年の夏に海外旅行を計画しています。) - “She wants to go overseas to study English.”
(彼女は英語を勉強するために海外に行きたがっています。) - “My brother lived overseas for a while and learned French.”
(私の兄はしばらく海外に住んでフランス語を覚えました。)
(2) ビジネスでの例文
- “Our company is expanding overseas to reach new markets.”
(私たちの会社は新しい市場を開拓するために海外展開を進めています。) - “We have several overseas clients interested in our products.”
(当社の製品に興味を持っている海外の顧客が数社います。) - “They’re attending an overseas conference next month.”
(彼らは来月、海外で行われる会議に出席します。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “He conducted his research overseas to gather various data.”
(彼は多様なデータを収集するために海外で研究を行いました。) - “Many academics collaborate with overseas institutions on international projects.”
(多くの学者が国際プロジェクトで海外の機関と協力しています。) - “The study abroad program offers opportunities to live overseas for a semester.”
(留学プログラムは、1学期間海外に住む機会を提供します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- abroad(海外で/海外へ)
- overseas とほぼ同義。「自国以外」という感覚が強い。例: “She studied abroad in Spain.”
- overseas とほぼ同義。「自国以外」という感覚が強い。例: “She studied abroad in Spain.”
- internationally(国際的に)
- 国境をまたいでの活動を表す。例: “Their products are sold internationally.”
- 国境をまたいでの活動を表す。例: “Their products are sold internationally.”
- foreign(外国の/外国へ)
- 形容詞形がメインで、「海外の」「異国の」という意味合い。例: “foreign culture”(外国の文化)
反意語
- domestically(国内で)
- 「国内で/国内向けに」を表す。海外活動と対比して使われる。 例: “Sales domestically are strong, but how about overseas?”
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国英語): /ˌoʊvərˈsiːz/
- IPA(英国英語): /ˌəʊvəˈsiːz/
主なアクセントは “-seas” の部分に置かれます。
- アメリカ英語: “オウヴァーシーズ”
- イギリス英語: “オウヴァシーズ” (“o” の発音がやや短くなる、もしくは“əʊ”の音)
よくある間違いとして “over” と “sea” を分けて発音してしまう例がありますが、一続きで「オーヴァーシーズ」のようにはっきり言うのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: “o-v-e-r-s-e-a-s” と書き、複数の “s” に注意。 “oversees” (監視する、見守る)という動詞とは綴りが似ていて紛らわしいので要注意です (“oversees” は “see” の変化形)。
- 意味の混同: “oversees” (監督する) と同音なので文脈をしっかり確認する。
- TOEICや英検などでも、ビジネス英語パートや長文読解中に「海外事業」や「海外進出」を表す言葉として頻繁に登場します。文脈上の区別に注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “over + seas” = 「海を越える」というイメージで覚えるとわかりやすいでしょう。
- 「海をこえる」という具体的な絵を思い浮かべながら、“overseas” と “abroad” をセットで覚えると便利です。
- 「oversees(監督する)」とのつづり・発音の類似点を意識して区別しましょう。スペルの “a” の有無に着目すると間違えにくくなります。
海外側へ視線を向けて「海を越える」イメージで覚えてしまえば、使い方がしっくりきますよ。副詞としても、形容詞としても幅広く活躍する便利な単語です。ぜひ日常会話やビジネスシーンに取り入れてみてください。
意味のイメージ