元となった辞書の項目
thought
名詞
〈U〉考えること / 〈C〉〈U〉(一つの)考え, 思いつき / 〈U〉(ある個人・グループ・時代・場所に特有の)思想 / 〈C〉〈U〉《…への》配慮,思いやり《for ...》
解説
1. 基本情報と概要
単語: thought
品詞: 名詞 (noun)
英語での意味:
- A product or act of thinking; an idea, opinion, or mental concept.
日本語での意味:
- 「考え」「思考」「意見」「思いつき」などを指す言葉です。頭の中で思い浮かぶアイデアや感情、判断などを広く表します。日常的にも使われ、例えば「何かいい考えはある?」といった「アイデア」としても使われたり、「あのときはこう考えていた」という「思考の経緯」を表す際にも用いられます。言葉自体はやや抽象的ですが、比較的身近に使われる単語です。
CEFRレベル目安: B1(中級)
- 日常会話の中で頻繁に目に・耳にする機会があり、英語学習の中級レベルあたりでしっかり覚えたい単語です。
活用形と他の品詞形
- 名詞形: thought (単数形)、thoughts (複数形)
- 動詞形: think (現形)、thought (過去形/過去分詞形)
- 形容詞形: thoughtful (思慮深い)、thoughtless (思慮がない)
「thought」は名詞として使われますが、同じ綴りの thought
は動詞 “think” の過去形・過去分詞形でもあるので、文脈で判別する必要があります。
2. 語構成と詳細な意味
語源・派生
- 「thought」は古英語の「þōht(thōht)」に遡り、動詞「think(考える)」から派生した名詞形です。
- 「think」にさまざまな接頭語・接尾語がつくことで、派生語が生まれます。たとえば、
- 「thoughtful」(形容詞):思いやりのある、思慮深い
- 「afterthought」(名詞):後から思いついた考え
- 「forethought」(名詞):あらかじめの考え、用心
- 「thoughtful」(形容詞):思いやりのある、思慮深い
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- deep thought – 深い考え
- original thought – 独創的な考え
- food for thought – 考えるきっかけになるもの(ヒント)
- train of thought – 思考の流れ
- on second thought – よく考えてみると/考え直してみると
- spare a thought (for...) – (...のことを)少し考える、思いを馳せる
- put one’s thoughts into words – 思考を言葉に表す
- a random thought – ふと浮かんだ考え
- lost in thought – 物思いにふける
- give it some thought – そのことについてちょっと考えてみる
3. 語源とニュアンス
- 「thought」は前述のとおり古英語に由来し、「頭・心の中で何かを形作る」意味がもとになっています。
- 「考え」という意味のほか、「配慮や思いやり」「気遣い」というニュアンスを含む場合もあります(例:That was thoughtful of you.)。
- 口語・文章問わず幅広い場面で使えます。フォーマルな文章でもカジュアルな会話でも、相手に「意見や考え」を尋ねるときなどに自然に使えます。
4. 文法的な特徴と構文
可算名詞・不可算名詞両用:
- 可算名詞として「具体的な考え」を指す場合は、複数形
thoughts
を使います。
- 例: “I have several thoughts on this matter.”
- 例: “I have several thoughts on this matter.”
- 不可算名詞的に「思考一般」「考えという概念」を表すときもあります。
- 例: “Thought is what separates humans from animals.”(哲学的な文脈など)
- 可算名詞として「具体的な考え」を指す場合は、複数形
構文例:
- “What are your thoughts on this topic?”(このトピックについてのあなたの考えは?)
- “I lost my train of thought.”(思考の流れを見失った、何を言おうとしていたか忘れた)
- “What are your thoughts on this topic?”(このトピックについてのあなたの考えは?)
イディオム:
- “On second thought” – 「よく考えた結果、実は…」
- “Food for thought” – 「考えさせられる材料」
- “On second thought” – 「よく考えた結果、実は…」
フォーマル・カジュアルを問わず使いやすい単語ですが、丁寧に議論するときやアイデア交換の文脈では特に多用されます。
5. 実例と例文
① 日常会話 (カジュアル)
- “A penny for your thoughts.”
- 「何考えてるの?(教えて)」という軽い言い回し。
- 「何考えてるの?(教えて)」という軽い言い回し。
- “I just had a random thought: maybe we should try a new restaurant tonight.”
- 「今ふと思ったんだけど、今夜は新しいレストランに行ってみようか?」
- 「今ふと思ったんだけど、今夜は新しいレストランに行ってみようか?」
- “I was lost in thought and didn’t notice my phone ringing.”
- 「考え込んでいて、電話が鳴っていたのに気づかなかった。」
② ビジネス (ややフォーマル)
- “Could you share your thoughts on our current marketing strategy?”
- 「現在のマーケティング戦略についての考えを共有していただけますか?」
- 「現在のマーケティング戦略についての考えを共有していただけますか?」
- “We need to gather more feedback and consolidate these thoughts before making a decision.”
- 「決定する前に、もっとフィードバックを集めてこれらの考えをまとめる必要があります。」
- 「決定する前に、もっとフィードバックを集めてこれらの考えをまとめる必要があります。」
- “My initial thought was to allocate more resources to our social media campaigns.”
- 「当初の考えとしては、ソーシャルメディアのキャンペーンにもっとリソースを割り当てようと思いました。」
③ 学術的・専門的 (フォーマル)
- “The philosopher’s main thought revolves around the concept of personal identity.”
- 「その哲学者の主張の中心は個人的同一性の概念にある。」
- 「その哲学者の主張の中心は個人的同一性の概念にある。」
- “In cognitive science, much attention is paid to how thought processes emerge.”
- 「認知科学では、思考過程がどのように生み出されるかに多くの注目が集まっている。」
- 「認知科学では、思考過程がどのように生み出されるかに多くの注目が集まっている。」
- “His seminal work changed the course of economic thought.”
- 「彼の画期的な研究は、経済思想の流れを変えました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- idea (アイデア)
- 「具体的な提案や発想」を意味する場合に用いられることが多い。
- 「具体的な提案や発想」を意味する場合に用いられることが多い。
- notion (概念)
- やや抽象寄りで、ある考えや概念を含意する。
- やや抽象寄りで、ある考えや概念を含意する。
- concept (コンセプト/概念)
- 論理的または抽象的に捉えられる考え方を示す。学術的な文脈でよく使われる。
- 論理的または抽象的に捉えられる考え方を示す。学術的な文脈でよく使われる。
- opinion (意見)
- 主観的立場を表す「意見」というニュアンスが強い。
- 主観的立場を表す「意見」というニュアンスが強い。
- view (見解、見方)
- ある特定の視点からの理解や判断を示す場合に使う。
反意語 (Antonyms)
- ignorance (無知)
- 明確な「対義語」と言える言葉はあまりありませんが、「thought」が「考え」ならば、「ignorance」は「考えが及ばない・知らない」状態とも言えます。
「thought」はアイデアや思考を幅広く含意するため、類似語でもニュアンスや使われ方が微妙に異なります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /θɔːt/ (イギリス英語), /θɔt/ (アメリカ英語)
- アクセント: 「thóught」と1音節なので強勢はひとまとめですが、語頭の /θ/ の発音に注意が必要です。
- イギリス英語: /θɔːt/(「オー」を長めに発音)
- アメリカ英語: /θɔt/(「オー」がやや短めになる人もいます)
- よくある間違いとして、/θ/ 音を /s/ や /t/ などで代用してしまうケースがあります。しっかり舌を歯の間に軽く置き、息を出して発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「thoght」「though」などとつづりを間違えることがあるので要注意です。
- 発音の混同: “thought” /θɔt/ と “taught” /tɔt/(教えられた)を混同しやすいです。前者は語頭が /θ/、後者は /t/。
- 同音異綴り・似た単語:
- “though”(接続詞 「〜だけれど」)
- “through”(前置詞 「〜を通って」)
- “tough”(形容詞 「タフな」)
これらはスペリング・発音が微妙に違い、混乱しやすいので注意しましょう。
- “though”(接続詞 「〜だけれど」)
- 試験対策: TOEICや英検などのリスニングで /θ/ の音が捉えにくいため、しっかり口の形を意識した練習をすることが重要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “thought” は “think” の過去形と同じスペルなので、「think → 過去に考えた → その結果生まれたのが thought(考え、思考)」と関連付けると覚えやすいです。
- スペリング上のポイントとしては、t + h + ou + g + h + t という「TH + OUGH + T」という少し特殊なまとまりをイメージしておくとよいでしょう。
- 何かを考えているときの頭の中のイメージを連想して、視覚的なイメージやマインドマップに結びつける学習法も効果的です。
以上が、名詞 “thought” の詳細な解説です。日常会話やビジネス、学術的文献まで幅広い場面で使う単語なので、発音・綴り・文脈のポイントをしっかり押さえておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
think の過去・過去分詞
意味(2)
〈U〉考えること,思索,熟考
意味(3)
〈C〉〈U〉(一つの)考え,思いつき(idea)
意味(4)
〈C〉〈U〉(…への)配慮,心遣い,思いやり《+for+名》
意味(5)
〈U〉(…する)つもり,意図《+of doing》
意味(6)
《a~》《話》少々,ちょっと
意味(7)
〈U〉(ある個人・グループ・時代・場所に特有の)思想,考え方