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such
解説
以下では、英語の代名詞「such」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “such” — (1) of the type just mentioned, (2) so great, so good, or similar.
- 日本語: 「そのようなもの・そんな人・それほどのもの」
たとえば前の文脈で指示された物事・人・状況をまとめて言うときに使います。「そんなに~な」「あのような~」というようなニュアンスを持っています。献立の例や、以前に話していた事柄を指すときに用いたり、「非常にすごい」を強調する口語的なニュアンスにも使えます。
品詞と活用形
- 品詞: 代名詞 (pronoun)、ただし文法上は形容詞や限定詞(determiner)として使われる場合も多いです。
- 例: “Such is life.”(代名詞的用法)
- 例: “Such a nice day!”(形容詞・限定詞的用法)
- 例: “Such is life.”(代名詞的用法)
- 活用形:
- 代名詞としては、数や性によって形は変化しないため、活用形はありません。
- ほかの品詞(形容詞・限定詞)としても形は変わりません。
他の品詞になったときの例
- 形容詞・限定詞として: “Such ideas are interesting.”(名詞 ideas を修飾している)
- 副詞的な表現: 直接 “such” が副詞化するわけではありませんが、“such that SV” などの構文で副詞節を導く場合があります。
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 様々な文脈で「そんなに」「あのように」といった表現が必要になるレベル。ある程度英語に慣れてきた学習者が使いこなし始める単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “such” は接頭語・接尾語といった明確な要素を持ちません。古英語からほぼ一語として機能している単語です。
詳細な意味
- 直前または文脈で言及された物事・人・状況を指し示す代名詞
- 例: “We’ve discussed the plans. Such should be handled carefully.”(計画について話した、それら(=計画)は慎重に扱うべきだ)
- 例: “We’ve discussed the plans. Such should be handled carefully.”(計画について話した、それら(=計画)は慎重に扱うべきだ)
- 程度・範囲などを強調する表現
- 例: “It was such a long day.”(本当に長い一日だったよ)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- such as … → …のように
- such a(n) + 形容詞 + 名詞 → とても~な …
- such that … → その結果…となる
- no such … → そのような…はない
- as such → (文脈上) それ自体として / それをそのまま
- or such → それに類するもの / そんなところ
- such and such → 例のあれこれ、具体的には…
- in such a way → そのような方法で
- such a pity → とても残念なこと
- nothing of the sort / kind / such → そんなことは全くない
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “swilc” / “swȳlc” が起源で、“so + like” (「同じような」「似ている」の意) という要素が組み合わさって「そのような」という意味をもつようになりました。中英語期に “souch,” “such” と形を変えながら現代に至っています。
ニュアンス・使用時の注意
- 指示代名詞としてのニュアンス: 文脈で既に述べられたことを1語で指し示します。
- 程度の強調: “such a wonderful day” のように、驚きや感嘆を込めて「とても~な」と強調できます。
- カジュアル/フォーマルどちらでも使われますが、「Such a shame!(それは残念!)」のように感情的に使うとややカジュアルな印象です。
4. 文法的な特徴と構文
- 代名詞として → 直前の文脈を受けて「そのようなもの」を指す
- “He promised new solutions. Such would be ideal for our problem.”
- “He promised new solutions. Such would be ideal for our problem.”
- 限定詞(形容詞)的に → 冠詞(a/an/the)や所有格などと組み合わせて名詞を修飾
- “such a beautiful place”
- “such beauty”
- “such a beautiful place”
- 構文:
- “such that SV” → その結果~になるように
例: “He spoke such terrible words that I couldn’t forgive him.” - “as such” → それ自体として / それに固有の理由で
例: “He was elected leader, and as such, he is responsible for the team.”
- “such that SV” → その結果~になるように
可算/不可算との差
- 節をまとめて代名詞として使う場合は可算・不可算の区別はありません。たとえば「そんなこと」は “such” の一語で表せます。
- 名詞を修飾する場合は修飾対象によって可算名詞・不可算名詞の文法を踏まえましょう。
- “Such a big house.” (house は可算名詞)
- “Such information is valuable.” (information は不可算名詞)
- “Such a big house.” (house は可算名詞)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I’ve never seen such before. Where did you get it?”
(こんなの見たことないよ。どこで手に入れたの?) - “Don’t say such things! You’ll hurt his feelings.”
(そんなこと言わないで! 彼を傷つけちゃうよ。) - “That’s such a good idea! Let’s try it.”
(それはすごくいい考えだね! やってみよう。)
ビジネスシーン (ややフォーマル)
- “Such proposals should be reviewed by the board.”
(そのような提案は取締役会で検討されるべきです。) - “We aim to prevent such incidents from happening again.”
(このような事態が再発しないように努めます。) - “If there is any such issue, please report it promptly.”
(そのような問題がありましたら、速やかにご報告ください。)
学術的・専門的な文脈
- “Such data must be analyzed thoroughly before drawing conclusions.”
(結論を出す前に、かかるデータは綿密に分析されなければなりません。) - “Researchers have rarely observed such phenomena under controlled conditions.”
(研究者たちは、このような現象を管理された環境下で観察した例はほとんどありません。) - “We should examine prior studies on such processes to ensure accuracy in our results.”
(類似するプロセスに関する先行研究を検証し、結果の正確性を担保する必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(synonyms)
- “that kind (of)” / 「そういった種類の」
- “I didn’t expect that kind of response.” (=“such a response”)
- “that kind” はやや口語的で直接的な言い方。
- “I didn’t expect that kind of response.” (=“such a response”)
- “similar” / 「似たような」
- 比較的フォーマルに「似ている性質」を表すのに使う。
- 比較的フォーマルに「似ている性質」を表すのに使う。
- “so” / 「それほどの~」
- “so” は単独で程度を表すが、名詞は修飾できない(“such a big house” → “so big a house” はやや古風)。
反意語(antonyms)
- 直接的な反意語はありませんが、“different,” “unlike” などが対照的な概念になります。
- 例: “We wanted to avoid such problems this time.” ↔ “We wanted to handle different problems this time.”
7. 発音とアクセントの特徴
- 【IPA】/sʌtʃ/
- アメリカ英語: [sʌtʃ]
- イギリス英語: [sʌtʃ]
- アメリカ英語: [sʌtʃ]
- 強勢(アクセント)の位置: 短い単音節語なので、全体をそのまま強く発音します。
- よくある間違い: “such” の u の音は [ʌ] で、日本語の「サッチ」のように [satʃ] とすると不自然に聞こえるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “such” を “sutch” と誤記することがあります。
- 同音異義語との混同: 特に同音異義語はありませんが、“search” (サーチ) と似て聞こえる場合があるので注意が必要。
- “so” と “such” の使い分け: “such + 名詞,” “so + 形容詞” という形を間違えやすい。
- O “such a big problem”
- X “so a big problem” (誤用)
- O “such a big problem”
- 試験対策: TOEIC や英検などで “such that” 構文や程度の強調構文として出題されることがある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「≪サッチ≫と「サッと指さす」イメージ」
文脈で既に示された物や事柄をサッと指さして「そんなやつ」「それほどのもの」と指示しているイメージで覚えると良いでしょう。 - 「so と such の対比で覚える」
- so は形容詞・副詞を修飾(「とても~」)
- such は名詞をまとめて「あのような」「そんなに~な」と指示・強調する
- so は形容詞・副詞を修飾(「とても~」)
- なるべく例文と一緒に覚えて、文脈で自然と使い分けられるようにしましょう。
以上が英語の代名詞「such」に関する詳細な解説です。文脈に応じて代名詞的に使ったり、強調表現として使ったりと幅広い使い方ができる単語ですので、ぜひたくさんの例文に触れて、ニュアンスの違いを身につけてください。
意味のイメージ
意味(1)
そのような人(物,事)