元となった辞書の項目
queen
名詞
(…の)(一国の君主としての)『女王』(+『of』+『名』) / 『王妃(queen consort)』 / 《比喩(ひゆ)的に》(…の)『女王』,『花形』《+『of』+『名』》 / (カードの)(…の)クイーン[の札]《+『of』+『名』》 / (チェスの)クイーン / ...
解説
1. 基本情報と概要
単語: queen
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベルの目安: A2(初級)
- 英語での意味: “queen” は「女王」を指す言葉です。
- 日本語での意味: 「女王」。国や王国を統治する女性や、比喩的に高い地位・権威をもつ女性のことを指します。
- 概要: 「queen」は王室の文脈(国を治める女王)でよく使われますが、チェスの駒(クイーン)や昆虫社会(女王アリ、女王バチ)など、さまざまな文脈で使われる単語です。また、転じて「圧倒的な存在感がある女性」を指すときにも用いられます。
派生形と活用
- 複数形: queens
- 形容詞形: queenly(女王のような、威厳のある)
- 名詞(抽象名詞): queendom(女王の領域、あるいは女王としての地位)
- 動詞的用法(やや専門的): to queen(チェスでポーンをクイーンに昇格させること)
2. 語構成と詳細な意味
“queen” は、はっきりした接頭語や接尾語をもたない語ですが、以下のような関連語・派生語があります。
- queenly: 形容詞。「女王のように威厳のある」という意味。
- queendom: 名詞。「女王の統治する国や領域、またはその地位」を表す。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- the reigning queen(在位中の女王)
- crowned queen(戴冠した女王)
- queen bee(女王バチ/中心的な存在の女性)
- queen of hearts(“ハートの女王” トランプのカードや人々の心をつかむ女性)
- beauty queen(ミスコンテストの優勝者)
- homecoming queen(学校のホームカミング・クイーン)
- drag queen(ドラァグクイーン、女装のパフォーマー)
- chess queen(チェスのクイーンの駒)
- queen mother(王または女王の母后)
- the queen’s speech(女王のスピーチ、特に英国で議会開会時の演説)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の “cwen” (女性、妻)から来ており、さらに古いゲルマン語系の語から派生しています。
- 歴史的背景: 中世ヨーロッパで国を統治する女性を指す称号として確立し、徐々に比喩や他の場面でも「女王」の高貴さや権威を示す言葉として使われるようになりました。
- ニュアンス:
- フォーマル: 王室の文脈、公式タイトルで使う。
- カジュアル/口語: 「〜界の女王」などの比喩として使う場合もある(例: “She’s the queen of pop!”)
- 感情的響き: 尊敬、威厳、カリスマ性をイメージさせる場合が多い。
- フォーマル: 王室の文脈、公式タイトルで使う。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「a queen」「the queen」のように冠詞を伴って用いられます。
- 一般的な構文・イディオム
- “(to) become queen” → 「女王になる」
- “queen it over someone” (口語・文語混在、やや古い) → 「女王然として振る舞う・威張る」
- チェス用語で “to queen a pawn” → 「ポーンをクイーンに昇格させる」
- “(to) become queen” → 「女王になる」
- 使用シーン:
- フォーマル: 「Her Majesty the Queen」のように敬称を伴う公式表現。
- カジュアル/口語: 「Beauty queen!」「She’s a queen!」など、称賛や冗談混じりの誉め言葉。
- フォーマル: 「Her Majesty the Queen」のように敬称を伴う公式表現。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “She dressed up as a queen for Halloween.”
(彼女はハロウィンで女王の仮装をした。) - “My mother always treats our cat like a queen.”
(うちの母は、いつも猫を女王のように扱うんだ。) - “They crowned her the queen of the local festival.”
(彼女は地元のお祭りで女王に選ばれたよ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Her leadership style is reminiscent of a queen commanding respect.”
(彼女のリーダーシップは、みんなの尊敬を集める女王のようだ。) - “We named our new product line ‘Queen’s Choice’ to convey a sense of luxury.”
(私たちは新製品ラインを「クイーンズ・チョイス」と名付け、高級感を伝えようとしました。) - “During the presentation, the CEO was referred to as the ‘queen of innovation.’”
(プレゼン中に、CEOは「イノベーションの女王」と称されていました。)
(3) 学術・専門的な文脈での例文
- “In European history, Queen Elizabeth I had a significant impact on the Renaissance period.”
(ヨーロッパ史において、エリザベス1世はルネサンス期に大きな影響を与えました。) - “A queen bee is typically the only fertile female in a hive.”
(女王バチは通常、巣で唯一の産卵能力を持つメスです。) - “Some ancient societies revered warrior queens who led their armies into battle.”
(古代のいくつかの社会では、軍を率いて戦った武闘派の女王たちが崇拝されていました。)
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語
- monarch(君主)
- 男性・女性問わず「君主」を表す単語。男女両方に使えるより広い意味。
- 男性・女性問わず「君主」を表す単語。男女両方に使えるより広い意味。
- sovereign(主権者)
- 王や女王、皇帝など「最高権力者」を表すフォーマルな単語。
- 王や女王、皇帝など「最高権力者」を表すフォーマルな単語。
- empress(女帝)
- 皇帝(帝国の最高支配者)の女性形。王よりもさらに大きな領地や帝国を支配。
- 皇帝(帝国の最高支配者)の女性形。王よりもさらに大きな領地や帝国を支配。
- monarch(君主)
- 反意語に近い単語
- king(王): 「女王」の男性形。厳密には反意語というよりは対になる語。
- commoner(庶民): 王族や貴族でない庶民を表す。文脈によっては対立的に使われる場合も。
- king(王): 「女王」の男性形。厳密には反意語というよりは対になる語。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /kwiːn/
- アクセント: 英語では1音節なので “queen” 全体をはっきり発音します。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: ほぼ同じ発音ですが、アメリカ英語では [kwiːn]、イギリス英語でも同様に [kwiːn] となります。母音の長さやイントネーションに若干の違いがある場合もありますが、大きな差はありません。
- よくある間違い: [kwin] のように長音を短く発音してしまうなど。母音をしっかりと伸ばすことがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “queen” のスペルを “queeen” や “quenn” としてしまうミスに注意。
- 同音異義語: とくに “queen” と音が似ている単語はありませんが、「Quiet / quite / quit」など “qu~” から始まる単語との混同に気をつけましょう。
- 試験での出題傾向:王室関連のトピック(イギリスの王室史など)に関する語彙として、英検やTOEICの長文読解に出る場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Q” + “u” は英語でしばしばセットになるので、続く “ee” を長音と覚えて “kwiːn” としっかり伸ばして発音すると頭に定着しやすいです。
- 王冠(crown)やチェスのクイーンの駒をイメージすると、ビジュアルと結びついて覚えやすくなります。
- “queen” の響きから「威厳がある」「優雅で力強い」というイメージを思い浮かべると使い方を覚えやすいでしょう。
以上が名詞 “queen” の詳細解説です。王室や象徴的リーダーとしてのイメージと共に、チェスや昆虫社会など多彩な用法もあるので、文脈にあわせて使い分けられるとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
(…の)(一国の君主としての)女王(+of+名)
意味(2)
《比喩(ひゆ)的に》(…の)女王,花形《+of+名》
意味(3)
(カードの)(…の)クイーン[の札]《+of+名》
意味(4)
(チェスの)クイーン
意味(5)
女王バチ(queen bee)
意味(6)
王妃(queen consort)
意味(7)
《軽べつして》女王のつもりで統治する,もったいぶる