pack in
以下では、英語の句動詞「pack in」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: pack in
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
活用形:
- 現在形: pack in
- 過去形: packed in
- 現在分詞: packing in
- 三人称単数現在形: packs in
意味(英語 + 日本語)
「(場所に) 人や物を詰め込む/押し込む」
(to fill a place with a large number of people or things)
→ たくさんの人や物を詰め込む、というニュアンスがあります。例えば「演劇やイベントに大勢のお客さんを集める」といった状況でも使われます。「(活動・仕事などを) やめる、あきらめる」(口語的)
(to stop doing something or give up, often in an informal context)
→ ちょっとカジュアルに「もうやめる」「さっさと切り上げる」というニュアンスで使われます。「(短時間に) 多くのことを詰め込む」
(to manage to include or fit a lot of things or activities into a limited time)
→ 限られた時間や空間に多くの予定や内容を押し込むイメージです。
学習者目線では、「pack in」は何かをぎゅうぎゅうに詰めこむイメージや、「もうやめちゃう」というカジュアルな表現の両面を持つ、と覚えておくと便利です。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
句動詞や複数の意味をもつ熟語をある程度運用しながら、流暢に会話を進めたいレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
- pack + in
- 「pack」は「詰める、梱包する」という意味。
- 「in」は「中に」「入ってくる」というニュアンスの前置詞。
- 組み合わさって「中に詰め込む/押し込む」というイメージが生まれます。
- 「pack」は「詰める、梱包する」という意味。
他の品詞・関連表現例
- 「pack」自体は動詞だけでなく、名詞として「パック(梱包、包み)」の意味でも使います。
- 「packing」(名詞) は「梱包作業」「詰め物」の意味にもなります。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- pack in a lot of people → たくさんの人を詰め込む
- pack in the audience → 観客を満員にする
- pack it in (informal) → それをやめる/諦める
- pack in a lot of stuff → たくさんの物を詰め込む
- pack in as many tasks as possible → できるだけ多くの仕事を詰め込む
- plan to pack in → (スケジュールなどに) 詰め込むつもり
- manage to pack in → うまく詰め込む/取り入れる
- pack in the crowds → 大勢の人々を詰め込む
- pack in events → イベントを詰め込む
- pack in your job (informal) → 仕事を辞める
3. 語源とニュアンス
- 語源
- 「pack」という語は古英語にさかのぼり、元は「包む」「詰める」といった意味を持ちます。
- 「in」は方向性を示す前置詞で、何かを「中に押し込む」イメージがあります。
- 「pack」という語は古英語にさかのぼり、元は「包む」「詰める」といった意味を持ちます。
- 歴史的な使われ方
- 「pack in」は、19世紀頃から「大勢の客を入れる」という文脈で使われ始めたといわれています。
- 20世紀以降、口語的に「やめる」「諦める」という意味でも広く使われるようになりました。
- 「pack in」は、19世紀頃から「大勢の客を入れる」という文脈で使われ始めたといわれています。
- ニュアンス・注意点
- 「やめる」「諦める」という用法はカジュアルです。フォーマルな場ではあまり使いません。
- 「詰め込む」という意味で使うときは、「短時間や限られた空間に多くを押し込む」ニュアンスが強いです。
- 「やめる」「諦める」という用法はカジュアルです。フォーマルな場ではあまり使いません。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞的用法: 「~を詰め込む」というときは目的語(詰め込む対象)が必要です。
例) pack in a lot of activities - 自動詞的用法は少ない: 多くの場合は「pack in + 目的語」の形をとります。
- イディオム的な用法: 「pack it in」という形で「諦める/もうやめる」の意味が強いです。
- このときの “it” はしばしばスラング的に置かれる代名詞で、「その物事すべて」を指す曖昧な表現です。
- このときの “it” はしばしばスラング的に置かれる代名詞で、「その物事すべて」を指す曖昧な表現です。
- フォーマル/カジュアル:
- 「(人や物を) 詰め込む」という意味は、あまりフォーマル・カジュアルを問わず使えますが、文書で使う際は「cram in」や「fit in」を使うことも多いです。
- 「やめる」の用法はかなりカジュアルなので、ビジネス文書やオフィシャルな場では避けるのが一般的です。
- 「(人や物を) 詰め込む」という意味は、あまりフォーマル・カジュアルを問わず使えますが、文書で使う際は「cram in」や「fit in」を使うことも多いです。
5. 実例と例文
以下では、日常会話、ビジネス、学術的な文脈でそれぞれ3つずつ例文を紹介します。
5.1 日常会話
- “We managed to pack in six museums during our trip to London!”
- ロンドン旅行では、6つの美術館を詰め込むことができたよ!
- ロンドン旅行では、6つの美術館を詰め込むことができたよ!
- “I’m too tired. I think I’ll pack it in for the day.”
- 疲れすぎたから、今日はもうやめておくわ。
- 疲れすぎたから、今日はもうやめておくわ。
- “They really packed in the guests at that party—it was so crowded!”
- あのパーティは本当に人をたくさん呼んでて、すごい混雑だったよ!
5.2 ビジネス
- “We need to pack in more activities at the trade show to attract customers.”
- 顧客を引きつけるために、その展示会ではもっとアクティビティを詰め込む必要があります。
- 顧客を引きつけるために、その展示会ではもっとアクティビティを詰め込む必要があります。
- “The new product launch packed in the delegates from all over the country.”
- 新製品のローンチでは、全国から代表者を大勢集めることができました。
- 新製品のローンチでは、全国から代表者を大勢集めることができました。
- “With the budget cuts, some employees decided to pack it in and find new jobs.”
- 予算削減のせいで、何人かの従業員は辞めて新しい仕事を探すことにしました。
5.3 学術的な文脈
- “The professor packed in a great deal of content into the one-hour lecture.”
- 教授は1時間の講義に非常に多くの内容を詰め込みました。
- 教授は1時間の講義に非常に多くの内容を詰め込みました。
- “To optimize research outcomes, they tried to pack in multiple experiments in a single day.”
- 研究の成果を最大化するために、1日に複数の実験を詰め込むようにしました。
- 研究の成果を最大化するために、1日に複数の実験を詰め込むようにしました。
- “She considered packing it in after receiving multiple rejections, but her passion for the subject kept her going.”
- 何度も拒否された後、彼女は研究を諦めようと考えたが、その分野への情熱が彼女を支え続けた。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- cram in (ぎゅうぎゅうに詰め込む)
- ほぼ「pack in」と同義だが、やや「無理やり詰め込む」感が強い。
- ほぼ「pack in」と同義だが、やや「無理やり詰め込む」感が強い。
- squeeze in (時間・空間を「こじ開けて」入れる)
- 「どうにかしてねじ込む」というニュアンス。
- 「どうにかしてねじ込む」というニュアンス。
- fit in (うまく収まるように入れる)
- 「うまく(スケジュールなどに) 収まる」感じ。多少余裕がある響き。
- 「うまく(スケジュールなどに) 収まる」感じ。多少余裕がある響き。
- give up / quit (やめる)
- 「pack it in」のカジュアル表現をフォーマルに言い換えるならこちら。
反意語
- spread out
- 「一つひとつを広げて配置する」「分散させる」という意味。
- 「一つひとつを広げて配置する」「分散させる」という意味。
- carry on / continue (続ける)
- 「やめる」の反対で「続ける」。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /pæk ɪn/
- イギリス英語: /pæk ɪn/ (大きな違いはありませんが、地域によっては母音の微妙な違いがあります)
- アメリカ英語: /pæk ɪn/
アクセント
- 「pack」に強勢がきます: “PACK in”。
- 「pack」に強勢がきます: “PACK in”。
よくある発音の間違い
- “pack” の /æ/ の音を /ʌ/ や /ɑː/ と混同しないように注意する。
- “in” は /ɪn/ で、/iːn/ (イーン) とは区別すると自然です。
- “pack” の /æ/ の音を /ʌ/ や /ɑː/ と混同しないように注意する。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 綴り間違い: “pack” を “pac” や “pak” と書いてしまうことがあるので注意。
- 同音異義語・紛らわしい表現: “back in” (戻るの意) と読み間違えてしまわないように。
- 試験対策: TOEICや英検などで、「詰め込む」「やめる」の句動詞問題として出ることがあります。二つの意味を混同しないようにしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「pack」は「荷造りをする」「箱詰めする」というイメージ。
- 「in」は「中に入れる」イメージ。
- そこから「たくさんの人やものを詰め込む」→「もう無理だからやめる」という二面性が生まれると覚えるとイメージしやすいです。
- 勉強テクニックとしては、実際に「pack in ...」で例文をいくつか作って、声に出して覚えるといいでしょう。
以上が、動詞句「pack in」の詳細な解説になります。意味が複数あり、特に「やめる」の用法はカジュアルである点に注意してください。限られた時間や場所に大量の何かを押し込むイメージと、「もう無理!」と投げ出すイメージをセットで覚えておくと活用しやすいでしょう。ぜひ例文を自分でも作ってみてください。