clone
以下では、英単語 clone
(動詞)について、学習者向けにできるだけわかりやすく、詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 【英語】clone: to make an identical copy of an organism, cell, or piece of genetic material; or more broadly, to create an exact copy of something.
- 【日本語】クローンを作る:生物や細胞、遺伝物質などをそっくりそのまま同じものとして複製すること。または、より広い意味で、なにかを正確にコピーすること。
「clone」という単語は、「そっくり同じものを作り出す」というニュアンスで使われます。通常は科学分野(バイオテクノロジーなど)において「遺伝子組み換え」や「細胞のコピー」について言及する場合が多いですが、ビジネスやITなどの分野で、システムやサービスを“完全に同じ状態に複製する”という比喩的な意味でも使われたりします。
品詞
- 動詞 (to clone)
活用形
- 原形:clone
- 過去形:cloned
- 過去分詞:cloned
- 現在分詞:cloning
- 三人称単数現在形:clones
他の品詞になった時の例
- 名詞形:clone(「クローン」という名詞。たとえば「a clone of Dolly the sheep」というように使う)
- 形容詞的な使われ方は少ないが、複合的に「cloned animal(クローン動物)」などと表現されることはある。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
科学やテクノロジー関連のニュースやドキュメンタリーで頻出する用語であり、やや専門的な話題に関連しますが、比較的多く目にする単語になってきています。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源の部分でも触れますが、「clone」はギリシャ語の「twig(小枝)」を意味する “klōn” から来ています。
- 接頭語・接尾語が付いた形はあまり一般的ではなく、単独で「clone」として使われることが多いです。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- clone a gene(遺伝子をクローンする)
- clone an organism(生物個体をクローンする)
- clone cells(細胞をクローンする)
- clone a sheep(ヒツジをクローンする)
- clone a hard drive(ハードドライブをクローンする)
- to create a clone(クローンを作り出す)
- clone technology(クローン技術)
- clone repository(レポジトリをクローンする - ITでソースコード管理において)
- exact clone(完全なコピー)
- clone function(クローン機能)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「clone」の語源はギリシャ語の「κλών (klōn)」(小枝)で、もともとは植物を「小枝から増やすこと」を指す言葉でした。
- 20世紀に生物学用語として定着し、遺伝的に同一な生物を作る技術や行為を指すようになりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 科学分野では厳密に「遺伝子レベルで完全に同一の個体をつくり出す」ことを指し、クローン動物などの話題は倫理的・社会的に議論されることが多い言葉です。
- 一方、IT領域やビジネス領域では、「まったく同じものを再現する」「複製する」という意味で、日常的に使われる場合があります。
- 文章・フォーマル/カジュアル両方で使用されますが、科学方面の専門的文脈だと厳密に用いられやすく、日常やIT用語としてはややカジュアルな使い方が多めです。
4. 文法的な特徴と構文
- 「clone」は他動詞 (transitive verb) として使われ、目的語として「何をクローンするのか」が続きます。
例:We cloned the DNA sample. (私たちはそのDNAサンプルをクローンした) - 副詞や前置詞などが後に続くことはありますが、基本は
clone + 目的語
の形です。
一般的な構文やイディオム
- 「to clone X from Y」: YからXをクローンする
例:They cloned the cells from a single tissue sample. - 「to be cloned into ...」: …にクローンとして組み込まれる/写し取られる
例:The gene was cloned into the plasmid.
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
I wish I could clone myself so I could be in two places at once!
(自分をクローンできたら同時に2つの場所にいられるのに!)Let’s clone this recipe and see if it tastes the same.
(このレシピをそっくり真似して同じ味になるか試そうよ。)He cloned his phone’s data onto the new device.
(彼はスマホのデータを新しい端末にクローンした。)
ビジネスシーンでの例文
Our company plans to clone the successful marketing strategy for the next product line.
(当社は次の製品ラインに同じ成功したマーケティング戦略をクローンする予定です。)You can clone the project’s repository from our Git server.
(当社のGitサーバーからプロジェクトのリポジトリをクローンできます。)We need to clone our production environment for testing.
(テストのために本番環境をクローンする必要があります。)
学術的・科学的な文脈での例文
Scientists successfully cloned a sheep named Dolly in 1996.
(科学者たちは1996年にドリーという名のヒツジをクローンすることに成功しました。)They aim to clone specific cells to study genetic disorders.
(彼らは遺伝疾患を研究するために特定の細胞をクローンすることを目指しています。)The research team has cloned a gene associated with crop disease resistance.
(研究チームは作物の病気耐性に関連する遺伝子をクローンした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- replicate(レプリケート)
- 「自己複製する」「再現する」という意味。科学分野では、細胞やウイルスが自然に増殖する際に使われることが多い。
- duplicate(デュプリケート)
- 「複製する」という意味。cloneほど生物学的・遺伝子学的なニュアンスはなく、一般的にコピーすることに広く使われる。
- copy(コピーする)
- 「写す・移す」という意味。もっとも一般的な「コピー」。「clone」は完全な一致を意図するので、その意味では“copy”より厳密に同一性を示す場合も。
- reproduce(リプロデュース)
- 「再生産する」「繁殖させる」。クローン技術の文脈では「繁殖」という意味で使われることがある。
反意語
- (はっきりした反意語はありませんが)
- destroy(破壊する)
- differentiate(分化させる)
などが「作る」「同じ形にする」とは逆の概念として挙げられることはあります。
- destroy(破壊する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /kloʊn/ (“クローン”というイメージ)
- イギリス英語: /kləʊn/ (“クロウン”に近い音)
- アメリカ英語: /kloʊn/ (“クローン”というイメージ)
- 強勢(アクセント)は単語全体(1音節)にあります。
- よくある間違いとして、日本語で「クローン」のイメージが強いので、つづりを「clon」などと途中で切ってしまわないように注意すること。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:つづりが短い分「clone」を「clon」などと間違えてしまうことがある。
- 同音異義語:英語では同じ発音の単語はほとんどありませんが、
close
と混同してしまう学習者がまれにいます(スペル・発音ともに似ていませんが、見た目が近いので注意)。 - 資格試験や英検、TOEIC:科学・技術の記事やリーディング問題で見かける可能性があります。クローン技術やバイオテクノロジーの話題とセットで出題されるケースが多いので、その文脈を押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源の「twig(小枝)」から始まったというイメージ:「小枝を切り取って、そのまま別のところでまったく同じ木のコピーをつくる」という発想で覚えるとわかりやすいです。
- スペリングのポイント:「clo」と「ne」の2つのパートで覚えるとミスしづらいです。
- 音のイメージ:「クローン」は日本語でも定着しているので、英語でも /kloʊn/ (米) /kləʊn/ (英) と覚えやすいでしょう。
以上が「clone」(動詞)の詳細解説になります。
「clone」はバイオテクノロジーやIT界隈でよく使われる単語ですが、日常会話でも「同じものを作る」というニュアンスでカジュアルに使われることがあります。スペリングや用法を押さえて、文脈に合わせた使い方をぜひ練習してみてください。
〈単一個体などから〉クローンをつくる