bear
《しばしば受動態で》(子)を産む / 〈花〉をつける,〈実〉を結ぶ / 〈重さ〉を支える / 《通例否定構文で》をがまんする,をこらえる / 《文》 を運ぶ / 《副詞を伴って》《…の》方向にある
1. 基本情報と概要
英単語: bear
品詞: 動詞 (ただし、「クマ」を意味する名詞“bear”も存在しますが、ここでは動詞として取り上げます)
意味(英語・日本語)
- 英語: to carry, to endure, to produce, or to give birth
- 日本語: 「運ぶ・負担する」「耐える」「生み出す」「(子供を)産む」などを意味します。
「bear」は、「ある重みや責任を抱えて持ち運ぶ」「困難を耐える」といったニュアンスで使われるほか、「果実や実りをもたらす」「子供を産む」といった意味でも使われます。文脈によって大きく意味が変わるため、注意が必要です。
活用形
- 原形: bear
- 過去形: bore
- 過去分詞: borne/born
- 「産む」という文脈では、しばしば “born” を使います (例: She was born in Tokyo.)
- 「支える、耐える」の文脈では、しばしば “borne” を使います (例: The cost was borne by the company.)
- 「産む」という文脈では、しばしば “born” を使います (例: She was born in Tokyo.)
他の品詞
- bear (名詞): クマ
- 例: The bear hibernates in winter.
- 例: The bear hibernates in winter.
- adjective や副詞形: 直接的な形容詞・副詞はありません。ただし、派生表現として “bare” (形容詞: 裸の) がありますが、スペル・意味ともに異なるので注意が必要です。
CEFRレベル
- B2 (中上級) 〜 C1 (上級)
- 「bear」は複数の意味や熟語表現があり、上級者レベルや文脈理解が求められるため、このあたりのレベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
「bear」は古英語から来ている単語で、はっきりした接頭語や接尾語を持ちません。
ただし、“be-” の部分が接頭語のようにも見えますが、語源としてはそういう形ではありません。
派生語・関連語
- bearing (名詞): 態度、関連、方位などの意味を持つ
- bearable (形容詞): 耐えられる、我慢できる
- unbearable (形容詞): 耐えられない
- forbear (動詞): 差し控える、我慢する
- overbear (動詞): 威圧する、圧倒する
コロケーション(共起表現)10選
- bear responsibility
- 責任を負う
- 責任を負う
- bear the cost
- 費用を負担する
- 費用を負担する
- bear fruit
- 実を結ぶ(成果が出る)
- 実を結ぶ(成果が出る)
- bear in mind
- 心に留める、覚えておく
- 心に留める、覚えておく
- bear a grudge
- 恨みを抱く
- 恨みを抱く
- bear witness
- 証言する
- 証言する
- bear the consequences
- 結果を受け止める
- 結果を受け止める
- bear the pain
- 苦痛に耐える
- 苦痛に耐える
- bear with someone
- (人に)我慢する、(人の言動を)大目に見る
- (人に)我慢する、(人の言動を)大目に見る
- bear the burden
- 負担を担う
3. 語源とニュアンス
「bear」は古英語 “beran” に由来し、「運ぶ」「支える」「産む」という意味をもっていました。歴史的に、人や物を支えたり運んだりする行為と、結果として何かを“もたらす”ニュアンスが含まれています。
- ニュアンス:
- 「無理やりでも責任や重荷を担う」といった、重みを感じさせる表現になります。
- 「子供を産む」ではより生物学的・公式な響きがあり、日常会話で直接的に「産む」という表現をするときは “give birth” のほうが一般的です。
- 「無理やりでも責任や重荷を担う」といった、重みを感じさせる表現になります。
- 使用上の注意点:
- 口語・文章どちらでも使われますが、特に「責任を負う」という文脈ではビジネスやフォーマルな文書でもよく登場します。
- 「bear with me」は口語でも丁寧な言い回しとして使われますが、意味は「(ちょっとの間)我慢して待ってください」というニュアンスです。
- 口語・文章どちらでも使われますが、特に「責任を負う」という文脈ではビジネスやフォーマルな文書でもよく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive): 「~を耐える」「~を運ぶ」「~を産む」といった意味では目的語が必要。
例: “She bears a heavy responsibility.” - イディオム・一般的な構文
- bear in mind: 「心に留める」
- bear witness (to …): 「(~に)証言する」
- bear (something) out: 「~を裏付ける、証拠だてる」
- cannot bear: 「~に耐えられない」
- bear in mind: 「心に留める」
- 可算・不可算: 動詞なので数えられる/数えられないの区別はありません。
- 使用シーン:
- フォーマル: “bear responsibility,” “bear the cost”
- カジュアル: “bear with me for a second”
- フォーマル: “bear responsibility,” “bear the cost”
5. 実例と例文
日常会話での例文 (カジュアル)
- “Can you bear with me while I find my wallet?”
- ちょっと財布を探す間、待っていてもらえる?
- ちょっと財布を探す間、待っていてもらえる?
- “I can’t bear the noise any longer!”
- この騒音にはもう耐えられないよ!
- この騒音にはもう耐えられないよ!
- “Please bear in mind that the store closes early today.”
- お店は今日早く閉まるから、その点を覚えておいてね。
ビジネスシーンでの例文 (よりフォーマル)
- “We must bear the cost of this project if we want to move forward.”
- このプロジェクトを進めたいなら、私たちが費用を負担しなければなりません。
- このプロジェクトを進めたいなら、私たちが費用を負担しなければなりません。
- “All team members bear responsibility for meeting the deadline.”
- すべてのチームメンバーが納期を守る責任を負っています。
- すべてのチームメンバーが納期を守る責任を負っています。
- “Please bear in mind the guidelines when drafting the report.”
- レポートを作成するときは、ガイドラインを忘れないようにしてください。
学術的な文脈での例文 (論文や学会など)
- “The data bear out our initial hypothesis on climate change.”
- そのデータは、気候変動に関する当初の仮説を裏付けています。
- そのデータは、気候変動に関する当初の仮説を裏付けています。
- “These results bear significant implications for future research.”
- これらの結果は、今後の研究に重要な示唆を与えます。
- これらの結果は、今後の研究に重要な示唆を与えます。
- “Many theories have been borne out by new experimental evidence.”
- 多くの理論が新しい実験結果によって裏付けられています。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- endure (耐える)
- ニュアンス: 肉体的/精神的苦痛に耐える。よりフォーマルな印象。
- 例: “He endured the pain for hours.”
- ニュアンス: 肉体的/精神的苦痛に耐える。よりフォーマルな印象。
- tolerate (我慢する)
- ニュアンス: ある状況・行為を渋々受け入れる。社会的・文化的な許容のニュアンスが強い。
- 例: “She won’t tolerate any disrespect.”
- ニュアンス: ある状況・行為を渋々受け入れる。社会的・文化的な許容のニュアンスが強い。
- carry (運ぶ)
- ニュアンス: 物理的に物を運ぶ。抽象的には責任を「担う」というイメージにも使われる。
- 例: “They carried the boxes upstairs.”
- ニュアンス: 物理的に物を運ぶ。抽象的には責任を「担う」というイメージにも使われる。
反意語
- avoid (避ける)
- 「負担や責任を負う」の反対は「責任や負荷を回避する」のイメージになります。
- 例: “They tried to avoid all responsibility.”
- 「負担や責任を負う」の反対は「責任や負荷を回避する」のイメージになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (イギリス英語): /beə(r)/
- IPA (アメリカ英語): /ber/
- アクセントは一音節の単語なので強勢は “bear” 全体にあります。
- よくある発音間違い:
- “bare” (/beər/ or /ber/) とよく混同されますが、実際には同音です。ただし意味が全く異なるので文脈で区別する必要があります。スペルを間違えないように注意しましょう。
- “bare” (/beər/ or /ber/) とよく混同されますが、実際には同音です。ただし意味が全く異なるので文脈で区別する必要があります。スペルを間違えないように注意しましょう。
- イギリス英語では [ɛə] と少し伸ばすような発音になることがあります。アメリカ英語では [eər] に近い音になることが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bear” と “bare” を混同しがち。「裸の」を意味する“bare”とは意味がまったく違うので注意。
- 同音異義語: “bear” (耐える・クマ) と “bare” (裸の) は発音がほぼ同じですが、スペリングと意味が違います。文脈と綴りで区別する必要があります。
- TOEIC/英検などでの出題傾向:
- 「複数の意味を持つ動詞(多義語)」として、書き換え問題や穴埋め問題になりやすい。
- 「bear fruit」「bear in mind」などのイディオム形式で問われることも多いです。
- 「複数の意味を持つ動詞(多義語)」として、書き換え問題や穴埋め問題になりやすい。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「クマ(bear)」が“重たい荷物を背負って耐えるイメージ” と紐づけると「耐える」「負担する」と覚えやすいかもしれません。
- スペルの違いを覚えるコツ: 「bear」は“ear (耳)”を含んでいる → 「耳をすませて“耐える/運ぶ”」と連想するとヒントになるかも。
- 長文読解やリスニングで “bear in mind” や “cannot bear” が出やすいので、イディオムや慣用句ごと覚えておくのもおすすめです。
以上が、動詞「bear」の詳細な解説です。複数の意味をしっかり区別し、文脈に応じて使い分けられるように練習してみてください。
《通例否定構文で》〈物事が〉…‘に'ふさわしい,‘の'価値がある
(語源は、「重みに耐えて運ぶ」)
《しばしば受動態で》〈子〉'を'産む
〈花〉'を'つける,〈実〉'を'結ぶ;〈利子など〉'を'生む
〈重さ〉'を'支える,‘に'耐える;〈物〉'を'載せている
〈義務・責任など〉'を'負う,負担する;〈罰など〉'を'受ける,こうむる
《文》…'を'運ぶ,持って行く,連れて行く
〈情報・うわさなど〉'を'伝える,広める
〈力など〉'を'与える,提供する
〈武器・紋章など〉'を'身につけている,帯びている
〈ある性質・特徴〉'を'示す,持っている
〈ある感情〉…'を'心にいだく,持つ
《副詞[句]を伴って》…'を'押す,突く
《副詞[句]を伴って》(…の方に)向く,進む《+toward+名》
《副詞[句]を伴って》(…の)方向(位置)にある
子を産む;実を結ぶ
…に向かって努力する
…にぐっと押し寄せる
《通例否定構文で》〈人が〉…'を'がまんする,こらえる