元となった辞書の項目
cost
解説
1. 基本情報と概要
英語の意味: “to cost” = “to require payment or expenditure for something”
(何かを手に入れたり行ったりするために、お金や労力などの支払いを必要とすること)
日本語の意味: 「(お金や労力などが)かかる」「~の費用が必要になる」
「この品物を買うためにはいくらかかる」「ある行動の代償としてどれだけ払わなければならない」という場面で使われます。費用のみならず、時間や労力といった「支払い(犠牲)」を表すニュアンスも含むことがあります。
- 品詞: 動詞 (Verb)
- 活用形:
- 原形: cost
- 過去形: cost
- 過去分詞形: cost
- 原形: cost
※ 不規則動詞で、原形・過去形・過去分詞形がすべて同じ形です。
他の品詞形:
- 名詞 “cost” : 「費用」「経費」「代償」
- 例: “The cost of living is rising.” (生活費が上がっている)
- 名詞 “cost” : 「費用」「経費」「代償」
CEFRレベル: A2(初級)~B1(中級)の範囲
- A2(初級): 基本的な日常会話でお金や値段を話すときによく使われる
- B1(中級): より複雑な文脈(コスト管理やビジネス)でも使える
- A2(初級): 基本的な日常会話でお金や値段を話すときによく使われる
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: cost
- 接頭語や接尾語を特に伴わない、比較的短い動詞です。
関連語や派生語
- costly (形容詞): 「高価な」「大きな代償を払う」
例: “That was a costly mistake.” - cost-effective (形容詞): 「費用対効果が高い」
例: “We need a cost-effective solution.”
よく使われるコロケーション(共起表現)やフレーズ10選
- cost (someone) an arm and a leg
(人に)非常に高い費用がかかる - cost a fortune
大金がかかる - cost a pretty penny
かなりのお金がかかる - cost of living
生活費 - cost analysis
コスト分析 - at all costs
どんな犠牲を払っても、必ず - hidden costs
隠れた費用 - it won’t cost a dime
ほとんど(または全く)お金がかからない - cost reduction
コスト削減 - cost estimate
見積り(費用見積もり)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語「costen」や古フランス語「couster」、さらにラテン語「constare(=一緒に立つ、価値がある)」が元になっています。
- 歴史的には「あるものを得るために(立ち)合わせて必要なもの(代償)」という意味を持つようになりました。
ニュアンス:
- 「値段がかかる」という表面的な意味だけでなく、「犠牲を払う」「努力が必要になる」という意義を含む場合もあります。
- カジュアルにもフォーマルにも広く使われますが、ビジネス文書で使うときは「費用がどのくらい見込まれるか」を客観的・事務的に指すことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞: “cost” は基本的に他動詞として使われ、目的語を取ります。
例: “This book costs 10 dollars.”(この本は10ドルします) - SV + O + O型(S = 主語, V = 動詞, O = 目的語)
例: “It cost me 50 dollars to fix the car.”(その車を修理するのに50ドルかかった) - 過去形・過去分詞形がいつも “cost”なので、時制に注意が必要です。
- イディオム:
- “at all costs” = 「どんな手段を使っても」「ぜひとも」
- “cost (someone) dearly” = 「(人に)大きな犠牲や損失をもたらす」
- “at all costs” = 「どんな手段を使っても」「ぜひとも」
5. 実例と例文
A. 日常会話での例文(3つ)
- “How much does this sandwich cost?”
(このサンドイッチはいくらですか?) - “It only cost me a dollar to buy this pen.”
(このペンを買うのに1ドルしかかからなかったよ。) - “Taking a taxi might cost more, but it’s faster.”
(タクシーだとお金が余計にかかるかもしれないけど、その分早いよ。)
B. ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Implementing the new system will cost the company a significant amount of money.”
(新しいシステムを導入するには、会社にかなりの費用がかかるでしょう。) - “Could you estimate how much it would cost to hire a consultant?”
(コンサルタントを雇うのにどのくらい費用がかかるか、見積もりをお願いできますか?) - “We must carefully evaluate the cost before moving forward with the project.”
(プロジェクトを進める前に、費用を慎重に評価しなければなりません。)
C. 学術的・専門的な文脈での例文(3つ)
- “Conducting large-scale clinical trials can cost millions of dollars.”
(大規模な臨床試験を行うには、数百万ドルもの費用がかかる可能性があります。) - “An inefficient resource allocation can cost a country its competitive advantage.”
(非効率的なリソース配分は、国の競争力を失わせることにつながる。) - “Selling these products at a lower price might cost us our profit margin.”
(これらの商品を安価で売ると、利益率を失う可能性がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- charge(請求する)
- 「請求する」側の目線に近い。 “The store charges $5 for shipping.”
- 「請求する」側の目線に近い。 “The store charges $5 for shipping.”
- require(必要とする)
- お金以外にも時間や労力などを含め、もう少し広い意味で「必要とする」のニュアンス。
- お金以外にも時間や労力などを含め、もう少し広い意味で「必要とする」のニュアンス。
- price(値付けする)
- 主に商品の値札にフォーカス。「価格を設定する」という意味で使う。
- 主に商品の値札にフォーカス。「価格を設定する」という意味で使う。
- run (someone) X / set (someone) back X (口語表現)
- “That car repair will run you about $500.” / “It will set you back about $500.” のように口語で「~の出費になる」のニュアンス。
反意語
- “earn” 「稼ぐ」
- お金が入ってくる側のアクション。 “cost” が「支払い」を必要とするなら、 “earn” は「収益」を得る。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- 【米語】/kɔːst/ または /kɑːst/ に近い発音
- 【英語(イギリス)】/kɒst/
- 【米語】/kɔːst/ または /kɑːst/ に近い発音
- アクセント:
- 一音節の単語なので、音節の先頭にストレスが来る感覚で発音します。
- 一音節の単語なので、音節の先頭にストレスが来る感覚で発音します。
- よくある発音ミス:
- “coast”(/koʊst/ コウスト)と混同して発音してしまうこと。母音をしっかり区別しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルの混同: “coast”(海岸)や “cast”(投げる)とスペルが似ているので混同しやすいです。
- 過去形・過去分詞形の扱い: “cost” と “costed”
- 通常、過去形・過去分詞形は “cost” で不変です。
- ただし、経理・会計用語で「原価計算をする」意味で “costed” が使われる特殊な用法もあります。一般的な「〜がかかった」の意味では “cost” を使います。
- 通常、過去形・過去分詞形は “cost” で不変です。
- TOEICなどの試験: 金額やコスト計算の穴埋め問題でよく登場します。時制に合わせた形(S + cost, cost + O など)に引っかからないよう注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「コストがかかる」と日本語でも言うように、英語でも “cost” は非常によく使う単語です。
- 過去形・過去分詞形が変わらないので、時制によって変化しないことをイメージで覚えましょう。「コスト計算はいつでも同じ」と覚えると楽かもしれません。
- “at all costs” (どんな犠牲を払っても)という強調表現を併せて覚えると、印象に残りやすいです。
上記を参考に、“cost” の意味・使い方・文法を身につければ、日常会話からビジネスまで幅広く応用できます。ぜひ繰り返し英作文やリスニングで慣れてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈品物が〉〈ある金額〉‘が'かかる,'を'要する
意味(2)
〈物事が〉…'を'犠牲にさせる,失わせる
意味(3)
〈仕事など〉‘の'手間(原価)を計算する