元となった辞書の項目
kindly
解説
以下では、副詞“kindly”をできるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- kindly: “in a kind manner” (親切な態度で)、または「どうか~してください」という丁寧な依頼を表す副詞
日本語での意味
- 「優しく」「親切に」「どうぞ~してください」「よろしければ~してください」というニュアンスを持つ。
例:「Could you kindly help me?(どうか助けていただけますか?)」のように、とても丁寧に依頼する場面で使われます。
品詞
- 副詞 (adverb)
活用形
- 副詞のため、動詞のように時制による活用はありません。
他の品詞への変化例
- 形容詞: kind(優しい、親切な)
例:「He is a kind person.」 - 名詞: kindness(優しさ)
例:「Her kindness always impresses me.」
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
「kindly」は丁寧な依頼やフォーマルな文書などで頻繁に使用される表現です。B2レベルの方が使いこなせると、より丁寧で自然な英語表現が可能になります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “kind”(優しい、親切な)
- 接尾辞: “-ly”(~のように、~な態度で、などを示す副詞化の接尾辞)
関連する単語・派生語
- kind (adj.): 優しい、親切な
- kindness (n.): 親切、優しさ
- unkind (adj.): 不親切な
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- speak kindly to someone —(誰かに優しい言葉をかける)
- kindly help/assist —(親切に手伝う/支援する)
- kindly note that... —(…をご承知ください)
- kindly provide —(ご提供ください)
- kindly advice/request —(親切な助言/お願い)
- kindly accept —(受け入れていただくようお願いします)
- kindly remind —(ご確認いただくようお願いします)
- kindly consider —(ご検討いただくようお願いします)
- kindly decline —(丁重にお断りする)
- kindly be informed —(通知させていただきます)
3. 語源とニュアンス
- 語源: “kind”は古英語“cynde”/“gecynde”などに遡り、「生まれつきの」「本質的な」という意味から発展して、やがて「優しい」「親切な」を表すようになりました。そこに古英語の“-lic”が現代の“-ly”としてつき、副詞形“kindly”となっています。
- ニュアンス: 「丁寧に」「優しく」という意味合いを強調するだけでなく、依頼表現としても「どうか~してください」「恐縮ですが~お願いします」というポライトな響きを持ちます。ビジネスメールでは「Would you kindly...」などで丁重に依頼する時に重宝されます。
- 使う場面:
- 口語でも使われますが、メールや手紙などフォーマルな文面で特に使われやすい表現。
- カジュアルな会話では「Could you please...」に比べてややかしこまった印象。
- 口語でも使われますが、メールや手紙などフォーマルな文面で特に使われやすい表現。
4. 文法的な特徴と構文
- “kindly”は副詞なので、主に動詞や文全体を修飾します。
- 「Please + 動詞」のような形と同様に、丁寧な依頼表現として文頭に置かれることがあります。
例:「Kindly return the completed form by Friday.」 - 口語では少しフォーマル寄りか、やや上品な印象。書き言葉ではビジネス上のメールや正式なお願い、文書などでよく使われます。
- 他動詞・自動詞の違いによる限定はなく、幅広い文脈で使えます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Could you kindly pass me the salt?”
(塩を取っていただけますか?) - “Kindly be careful when you walk on the wet floor.”
(床が濡れているので、気をつけてくださいね。) - “I’d kindly ask you not to smoke in this area.”
(こちらでは喫煙をご遠慮いただきたいと存じます。)
ビジネスシーンの例文
- “Kindly confirm your attendance at the meeting by tomorrow.”
(明日までに会議への出席可否をご確認いただけますでしょうか。) - “We kindly request that you follow the new company guidelines.”
(新しい社内規則に従っていただきますようお願いいたします。) - “Kindly note that our office will be closed on national holidays.”
(当社は祝日に休業となりますので、ご了承ください。)
学術的・フォーマルな文脈の例文
- “You are kindly requested to submit your final report by the deadline.”
(最終レポートを締め切りまでに提出していただきますよう、よろしくお願いいたします。) - “Kindly refrain from using electronic devices during the examination.”
(試験中の電子機器の使用はご遠慮ください。) - “We kindly invite all interested researchers to join the seminar.”
(興味のある研究者の皆様に、ぜひセミナーへの参加をお願いいたします。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- politely(丁寧に)
- 「礼儀正しく」というニュアンスで、人への配慮を強調
- 「礼儀正しく」というニュアンスで、人への配慮を強調
- courteously(礼儀正しく)
- 「品位をもって丁重に」という、よりフォーマルな響き
- 「品位をもって丁重に」という、よりフォーマルな響き
- graciously(寛大に、優雅に)
- 「上品さや寛容さ」を伴う優しさを表す
- 「上品さや寛容さ」を伴う優しさを表す
- gently(優しく)
- 「そっと」「穏やかに」といった物理的・感覚的な優しさを表す
- 「そっと」「穏やかに」といった物理的・感覚的な優しさを表す
反意語(Antonyms)
- unkindly(不親切に)
→ 直訳すると「不親切に」という意味ですが、日常的にはあまり使われないため、文脈により「rudely(失礼に)」などを使うことが多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA):
- アメリカ英語: /ˈkaɪnd.li/
- イギリス英語: /ˈkaɪnd.li/
- アメリカ英語: /ˈkaɪnd.li/
- アクセントは最初の音節「kind」に置かれ、“kaɪnd”をはっきり発音し、「ly」を軽く発音します。
- よくある発音の間違い:
- “kind” を “canned” や “cand” と混同しないように注意してください。母音が /aɪ/(アイ)の音になることを意識して発音すると良いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「kidly」や「kindy」と書いてしまうミスが起こりやすいので注意。
- “kind” と音が似た単語(find / mind / wind など)との混同に注意。
- 丁寧な依頼表現として“kindly”を使う際、少しフォーマル・ビジネスライクな響きがあるので、親しい友達との会話ではややかしこまりすぎる場合があります。
- TOEICや英検などのビジネス・フォーマルなやりとりに関する問題で「Kindly~」の表現が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “kind + ly” で「優しく + 副詞化」と覚えるとわかりやすい。
- 「Kindly = Please (in a kind way)」というイメージで、丁寧な“please”のバリエーションと捉えると覚えやすい。
- 覚えるときは「カインドリー」と発音しながら「親切な気持ちでお願いする」イメージを思い浮かべると定着しやすいです。
以上が、副詞“kindly”の詳細な解説となります。フォーマルな依頼表現として多用される便利な単語なので、ビジネスや公的な文書などで積極的に使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
親切に,優しく
意味(2)
心から(heartily)
意味(3)
どうぞ