元となった辞書の項目
reason
解説
1. 基本情報と概要
単語: reason
品詞: 名詞 (主に可算だが、文脈によっては不可算として使われる場合もある)
CEFRレベルの目安: B1(中級)
- B1:ある程度日常会話や文章で見かける重要単語。基本的な意味の理解と使いこなしが必要な語。
意味(英語): a cause or explanation for something
意味(日本語): 何かが起こる原因や、物事を説明するための根拠・理由
「reason」は「なぜ物事が起きるのか」という“理由・根拠”を表す単語です。「こういう状況だからこうなっている」という、筋道を立てて説明できる時に使います。
活用形
- 単数形: reason
- 複数形: reasons
他の品詞への変化例
- 動詞: reason (例: “He tried to reason with her.”「彼は彼女を説得しようとした」)
- 動詞形の活用: reasons, reasoned, reasoning
- 形容詞: reasonable (例: “a reasonable explanation”「筋の通った説明」)
- 副詞: reasonably (例: “He acted reasonably.”「彼は筋道を立てて行動した」)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- reason は直接的な接頭語や接尾語を含む形ではありません。ラテン語 “ratio (ラティオ)” から派生したフランス語 “raison (レゾン)” を経て英語になったとされます。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- for a good reason
(正当な理由で) - the main reason
(主な理由) - for some reason
(何らかの理由で) - without reason
(理由もなく) - give a reason
(理由を述べる) - no reason to doubt
(疑う理由がない) - within reason
(道理の範囲内で) - reason enough
(十分な理由) - find a reason
(理由を見つける) - have reason to believe
(信じるに足る理由がある)
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語 “ratio” → フランス語 “raison” → 中英語 “resoun” → 現在の英語 “reason”
- 歴史的使用: 中世ヨーロッパで論理や思考の概念として広く用いられ、哲学において「理性(理知)」としての意味合いとも深い関わりを持ちます。
- ニュアンス・感情的な響き: 「なぜそうなるのか」の根拠を示す、比較的フォーマルよりの単語です。カジュアルな会話でもよく使われますが、議論や説明、論理性が関わる場面で特に重みが出てきます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算:
- 可算で使う場合: “a reason / reasons” → 複数の「理由」が個別に存在する時
- 不可算で使う場合: 理由全般や理性を意味する時に抽象名詞として扱われる場合がある(ただし一般的には可算として使われることが多い)。
- 可算で使う場合: “a reason / reasons” → 複数の「理由」が個別に存在する時
- 主な構文例:
- “The reason (why) + 主語 + 動詞 ... is that ...”
例: “The reason this happened is that the machine was faulty.” - “There is no reason to + 動詞原形...”
例: “There is no reason to worry.”
- “The reason (why) + 主語 + 動詞 ... is that ...”
- フォーマル/カジュアル:
- フォーマルでもカジュアルでも使えるが、特にビジネス文書や学術的文脈では「論理的根拠」として頻出。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “What’s the reason you’re late today?”
(今日遅れた理由は何?) - “Do you have a reason for choosing that restaurant?”
(そのレストランを選んだ理由があるの?) - “I can’t find any reason to disagree with you.”
(あなたに反対する理由が見当たらないよ。)
ビジネス (ややフォーマル)
- “Could you please explain the reason for the budget increase?”
(予算が増加した理由を説明していただけますか。) - “We need a solid reason to proceed with this proposal.”
(この提案を進めるには確固たる理由が必要です。) - “The reason behind these changes will be addressed in the final report.”
(これらの変更の理由は最終報告書で説明される予定です。)
学術的 (フォーマル)
- “There must be a valid reason for the experiment’s failure.”
(実験が失敗したのには正当な理由があるはずだ。) - “He explores the concept of reason in the context of moral philosophy.”
(彼は道徳哲学の文脈で「理性」の概念を探求している。) - “The paper aims to clarify the reason for the observed discrepancies.”
(この論文は観察された不一致の理由を明らかにすることを目的としている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- cause(原因)
- 原因そのものを指すことが多い。直接的・物理的な「きっかけ」。
- 原因そのものを指すことが多い。直接的・物理的な「きっかけ」。
- explanation(説明)
- 出来事を説明して理解させるためのもの。「理由」とはやや重なりつつも、説明手段として焦点が当たる。
- 出来事を説明して理解させるためのもの。「理由」とはやや重なりつつも、説明手段として焦点が当たる。
- motive(動機)
- 特に人の「行動の動機」についていうときに用いられる。
- 特に人の「行動の動機」についていうときに用いられる。
反意語
- irrationality(不合理)
- 理性的・論理的根拠を欠いている状態を表す。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈriːzən/
- アメリカ英語: [ríːzən] (“リーズン”のように発音)
- イギリス英語: [ríːzən] (ほとんど同じだが、母音のニュアンスがわずかに違う場合がある)
- 強勢: 頭の “rea-” 部分にアクセントが置かれます。
- よくある間違い: /ˈriːzən/ の母音 “ea” を“エア”のように発音しないように注意。(“reason” を “reazon” と綴ったり発音してしまう例など)
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “reasn”, “reison” など。
- 同音異義語との混同: “season(季節)” とは文字が似ているが発音・意味が異なる。
- TOEICなど試験での出題例: 「理由を説明する」や「根拠を示す」といった問題文中でよく登場。
- 文法的ミス: “the reason is because ...” と書くのは口語ではしばしば見られますが、厳密には “The reason is that ...” が推奨される(ただし口語では問題視されないことも多い)。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 理性・論理のイメージで覚える: “reason” は「理屈」「理性」を示す言葉としても使われるため、日本語の「理由」「理性」「理論」の「理」に注目すると覚えやすいです。
- “rea” + “son” と分解して語呂合わせ的にイメージを作る学習者もいますが、実際にはラテン起源の単語です。語源としては “ratio” に近い響きがあるため、論理を表す “ratio” と関連づけると良いでしょう。
- 「なぜ?」と聞かれたときに“The reason is ~”すぐ答えられるようにフレーズごと覚えておくと便利です。
以上が名詞 “reason” の詳細解説です。物事の「理由」を述べるときや、論理的・合理的な説明を求めるときに非常によく使われる単語なので、例文を参考にしながらぜひ身につけてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉理性,判断力;道理
意味(2)
〈C〉〈U〉理由,わけ,根拠