最終更新日:2025/10/14
《動詞・過去分詞を強めて》大いに,非常に / 《形容詞・副詞の比較級・最上級を強めて》ずっと,はるかに / 《「同じ」の意味の語句を修飾して》たいてい,ほとんど
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元となった辞書の項目
much
解説
以下では、副詞としての “much” を中心に、名詞的・形容詞的・代名詞的な用法についても詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “much” (adverb)
- 日本語: 「たくさん」「非常に」「多く」「あまり(…ない)」
「much」は、「量が多い」という概念を表すときに使われる単語です。肯定文にも使えますが、日常会話では否定文や疑問文でよく登場します。たとえば “I don’t have much time.”(あまり時間がありません)のように使われることが多いです。また「much better」「much more interesting」のように比較級を強調するときにも用いられます。
品詞
- 副詞 (adverb)
- 場合によっては形容詞 (adjective)、代名詞 (pronoun)、限定詞 (determiner) としても使用されます。
活用形
- 副詞 “much” は変化しません。
他の品詞としての例
- 形容詞的用法: “much work” (多くの仕事)
- 代名詞的用法: “Much has changed.” (多くのことが変わった)
- 限定詞としての用法: “Much of the water was wasted.” (水の大部分が無駄になった)
CEFRレベルの目安
- A2(初級)
基本的な日常会話で「量が多い」「あまり〜ない」という表現をしたいときに、よく登場する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
“much” は接頭語や接尾語の追加がない短い単語で、特別な語幹の変化もありません。
関連・派生語
- “many” : 可算名詞を修飾するときに使う(「たくさんの…」)
- “muchness” : 「多さ」「たくさんある状態」(かなりフォーマルまたは古風)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “not much” → 「あまり〜ない」
- “much more” → 「さらにもっと」
- “too much” → 「多すぎる」
- “as much as” → 「〜と同じくらい多く」
- “very much” → 「とても」「本当に」
- “so much for ...” → 「〜はこれまで(おしまい)」
- “much better” → 「はるかによい」
- “much too” → 「あまりにも〜すぎる」
- “much of the time” → 「大半の時間」
- “how much” → 「どのくらい(量)」
3. 語源とニュアンス
語源
“much” は古英語の “mycel” から来ており、「大きい」「広大な」を意味していました。古くは「大きさ」を強調するニュアンスが強かったのですが、現代では量や程度を示すのに幅広く使われています。
微妙なニュアンス・使用時の注意
- 否定文や疑問文で特に頻繁に使われる (“I don’t eat much.” や “Do you have much time?” など)。
- 肯定文で使う場合は、会話では “a lot (of)” や “plenty (of)” を使うほうが自然に聞こえることが多いです。
- 比較級を強調するときに “much” はとてもよく使われる (“much better,” “much higher,” など)。
使用シーン
- 口語: “I don’t have much time.”
- 文章: “There isn’t much data available on this topic.”
- 基本的にはカジュアル・フォーマル問わず使われるが、肯定文ではフォーマル寄りに響くこともあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞としての用法: 比較級を強調する
- “This is much easier than I expected.”
- “This is much easier than I expected.”
- 否定文・疑問文での用法: 量を示す
- “I don’t have much money.” / “Do you have much time?”
- “I don’t have much money.” / “Do you have much time?”
- 代名詞としての用法:
- “Much depends on how the negotiations go.”
- “Much depends on how the negotiations go.”
- 形容詞や限定詞の用法:
- “I don’t see much difference.” / “He didn’t get much help.”
- 加算・不加算
“much” は基本的に不可算名詞に使われます (e.g. “much water,” “much time”)。可算名詞では “many” を使います。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
- “I didn’t eat much for breakfast today.”
(今日は朝食をあまり食べなかったんだ。) - “Do you drink much coffee?”
(コーヒーはたくさん飲むの?) - “Thanks so much for your help!”
(助けてくれて本当にありがとう!)
ビジネスシーンでの例文
- “I don’t have much time before the meeting starts.”
(会議が始まるまであまり時間がありません。) - “How much progress have we made on the project this week?”
(今週、プロジェクトはどのくらい進捗しましたか?) - “Much of our budget has already been allocated.”
(予算の大部分はすでに割り当てられています。)
学術的・フォーマルシーンでの例文
- “There isn’t much evidence to support this hypothesis.”
(この仮説を裏付ける証拠はあまり多くありません。) - “Much research has been conducted on this phenomenon.”
(この現象については多くの研究が行われてきました。) - “The findings suggest that much remains unknown.”
(その研究結果によると、まだ多くのことが未知のままだということが示唆されます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “a lot (of)” → 「たくさん」
- 比較的カジュアル。肯定文で “much” の代わりに使われることが多い。
- 比較的カジュアル。肯定文で “much” の代わりに使われることが多い。
- “plenty (of)” → 「十分な量」「豊富に」
- 肯定文でニュアンスがポジティブ。
- 肯定文でニュアンスがポジティブ。
- “a great deal (of)” → 「大量の」「とても多い」
- ややフォーマルな響き。
- ややフォーマルな響き。
- “considerably” (副詞) → 「かなり」
- “much” をもう少しフォーマルにしたような表現。
反意語
- “little” (不可算名詞に対して) → 「ほとんどない」「少ししかない」
- “a few” (可算名詞に対して) → 「少し」
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /mʌtʃ/
- アメリカ英語・イギリス英語ともにほとんど同じ発音です。
- 強勢(アクセント)は単音節なので一箇所に集中して /mʌtʃ/ と発音します。
- “u” が「あ」のような短い音になることに注意し、日本語の「マッチ」よりは口を少し開いた音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “much” を “mush” や “mach” と書いてしまう例があるので注意。
- “many” との混同: “much” は不可算名詞に、 “many” は可算名詞に使う。
- 肯定文では “much” より “a lot (of)” をよく使う点。
- 英検やTOEICなどの試験でも “much” と “many” の使い分けを問う問題が頻繁に見られます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- まず “much” は “マッチ(mʌtʃ)” と聞こえるが、日本語の「マッチ(match)」と音が類似しているため間違いやすいので、スペルに注意して「u」の存在を覚えるとよいでしょう。
- “much” と “many” は “u” と “a” の違いもスペリングのポイント。「数える」“many” と「数えられない」“much” と覚えると混同が減ります。
- 比較級を強調する「much + 比較級」はよく使われるので、例文「much better」「much easier」をセットで覚えておくと自然に身につきます。
以上が、副詞 “much” の詳細解説です。否定文や疑問文でよく出現するパターン、比較級を強調する使い方、そして不可算名詞に使うという点をしっかり押さえておきましょう!
意味のイメージ