元となった辞書の項目
flee
解説
1. 基本情報と概要
英単語: flee
品詞: 動詞 (他動詞・自動詞の両方で使われる)
- 英語の意味: to run away from a place or situation of danger
- 日本語の意味: 危険な状況や場所から「逃げる」「逃亡する」という意味です。
「flee」は「(危険や不安などから)素早く避難する」というニュアンスで使われる単語です。シンプルに「逃げる」「逃亡する」という意味よりも、恐れや緊急性が伴うことが多い言葉です。
- 活用形:
- 原形: flee
- 過去形: fled
- 過去分詞形: fled
- 現在分詞形: fleeing
- 原形: flee
他の品詞になった例
fleeing (形容詞): 逃亡中の
例)“The fleeing suspect”「逃亡中の容疑者」この単語自体は動詞が中心ですが、形容詞化した形は文中で修飾語として使われることもあります。
CEFRレベル: B2(中上級)
※“run away”のような基本表現がある一方で、やや文語的・劇的なニュアンスを含むため、中上級レベルの語彙として捉えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「flee」は古英語の“flēon”から来ており、はっきりした接頭語・接尾語を持たない単語です。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ 10選
- flee the country(国から逃亡する)
- flee in terror(恐怖で逃げ出す)
- flee from war(戦争から逃れる)
- flee across the border(国境を越えて逃れる)
- forced to flee(やむなく逃亡する、逃げなければならない状態)
- flee for one’s life(命からがら逃げる)
- flee persecution(迫害から逃れる)
- flee at the sight (of…)(~を見て逃げ出す)
- flee under cover of darkness(闇に紛れて逃亡する)
- flee into exile(亡命する)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「flee」は古英語の“flēon”に由来し、「急いで逃げる」「離れる」という意味を持ちます。
- 中期英語で“flen”となり、のちに現代英語で“flee”となりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 恐怖や危険が迫っているときに素早く逃げるイメージで使われる動詞です。
- 「ただ逃げる」というより、「危険が迫っているのでやむをえず逃げる」ような緊張感が含まれることが多いです。
- 口語でも書き言葉でも使われますが、日常会話では「run away」の方がよりカジュアルです。「flee」は状況の緊急性や深刻さを表す場合によく使われ、やや文語的・ドラマチックな響きがあります。
4. 文法的な特徴と構文
自動詞・他動詞の両方で使われる:
- 自動詞例: “They fled immediately.”(彼らはすぐに逃げた)
- 他動詞例: “They fled the scene.”(彼らは現場から逃げ去った)
- 自動詞例: “They fled immediately.”(彼らはすぐに逃げた)
「flee from 〜」という形で目的語を導く場合もあれば、「flee + 名詞」だけで「〜から逃げる」という意味になる場合もあります。
イディオムや構文
- flee the nest:(比喩的に)親元を離れる
- flee in panic: パニック状態で逃げる
フォーマルな文脈では「flee」は文章中でもよく使われ、ニュース報道などでも用いられます。カジュアルに言うときは「run away」のほうが一般的です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “When the dog started barking, the cat fled immediately.”
(犬が吠え始めたので、ネコはすぐに逃げた。) - “I saw a mouse in the kitchen, and it fled under the fridge.”
(キッチンでネズミを見かけたら、冷蔵庫の下に逃げ込んだ。) - “She fled from the room when the fire alarm went off.”
(火災報知器が鳴ると、彼女は部屋から逃げ出した。)
ビジネスシーンでの例文
- “Some investors fled the market after the stock prices plummeted.”
(株価が暴落した後、投資家の一部は市場から手を引いた。) - “In the face of severe competition, the smaller companies fled to new niches.”
(激しい競争を受けて、小規模企業は新しい市場の隙間へと移行していった。) - “When rumors spread about the merger, several staff members fled to other corporations.”
(合併の噂が広がると、何人かの社員は他の企業へと転職していった。)
学術的・フォーマルな文脈での例文
- “Many refugees fled across the border due to political unrest.”
(政治的不安定のため、多くの難民が国境を越えて逃亡した。) - “Historical records indicate that inhabitants fled this region following consecutive natural disasters.”
(歴史的記録によると、連続する自然災害の後、この地域の住民は逃げ出したという。) - “The wildlife fled deeper into the forest to escape the deforestation activities.”
(森林伐採から逃れるため、野生動物は森の奥へと逃れていった。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- escape(逃げる)
- 日常的にも非常に広く使われる。危険や閉じ込められた状況から脱出するニュアンス。
- 日常的にも非常に広く使われる。危険や閉じ込められた状況から脱出するニュアンス。
- run away(走って逃げる)
- 口語的で軽め。特に子どもが家出したりする状況など。
- 口語的で軽め。特に子どもが家出したりする状況など。
- bolt(急に走り出す / 急いで逃げ出す)
- 突然ビューンと逃げるイメージで、動物にもよく使われる。
- 突然ビューンと逃げるイメージで、動物にもよく使われる。
- take flight(逃亡する)
- やや文語的、詩的表現。
- やや文語的、詩的表現。
- make a run for it(逃げ出す)
- くだけた口語・イディオム。
- くだけた口語・イディオム。
反意語
- stay(とどまる)
- remain(残留する)
- face(立ち向かう)
「flee」は危険などから逃げるニュアンスが強いのに対し、「escape」は幅広く使え、状況によっては「脱出」程度にもなるなど微妙にニュアンスが違います。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /fliː/
- アメリカ英語: [fliː] (アメリカ英語ではやや軽めに「フリー」に近い音)
- イギリス英語: [fliː] (ほぼ同じ)
アクセントの位置
- 一音節の単語のため、特にアクセントの移動はありません。
よくある発音の間違い
- 語末の“ee”を“イー”と伸ばさずに短音にしてしまうなど。正しくは「フリー」と長めの母音発音になります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “flee”を誤って“fle”や“flea”(ノミという名詞)と書いてしまうことがあるので注意。
- 同音異義語: “flea” (ノミ) は発音が同じなので混同しやすい。文脈で区別がつくようにしましょう。
- TOIECや英検などでは、やや難度の高い語彙としてリーディングで出題されることがあります。文脈理解で「逃げる」「避難する」ニュアンスをつかめれば問題ありません。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「flee」は音が短く、早い動作イメージです。
- “flee”のイメージ: 「危険に気づいて即座にダッシュで逃げる」
- “flee”のイメージ: 「危険に気づいて即座にダッシュで逃げる」
- スペルの覚え方: 「flee」は「逃げるとき“ee”っと急いで走り去る」イメージ。「ee」で伸ばして「素早く」逃げる、というゴロ合わせなどが使えます。
- “flea”(ノミ)と混同しないように、「ノミ」に噛まれて“flee”してしまう、というストーリーで両方セットで覚えると面白いかもしれません。
以上が「flee」の詳細解説になります。ぜひ、危険な状況から逃げるシーンなどで使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…から)逃げる《+from+名(do*ing*)》
意味(2)
《副詞[句]を伴って》すばやく動く(過ぎる)
意味(3)
〈人・場所など〉‘から'逃げる;〈責任など〉‘を'逃れる,避ける