trustee
1. 基本情報と概要
単語: trustee
品詞: 名詞 (一部用法で動詞形も存在します)
意味(英語): A person or organization that holds or manages property or assets for the benefit of another.
意味(日本語): 受託者、信託を受けて資産などを管理・運用する人や団体。
「trustee」は、他人(や組織)から信託を受けて資産を管理したり、運用したりする場面で使われる法律用語です。財産を託された人が、その資産を本来の受益者のために管理する役割を担います。少しフォーマルな場面や法的文書でよく出てくる単語です。
活用形:
- 単数形: trustee
- 複数形: trustees
- 単数形: trustee
動詞形の例:
- 「to trustee」:動詞としてはあまり一般的ではありませんが、「trusteeとして任命する・行動する」程度のニュアンスで使用される場合があります。
CEFRレベル目安: C1(上級)
- この単語は法律やビジネスなどの専門的な場面で頻出します。日常会話レベルではあまり使われないため、上級レベルの英語学習者向けといえます。
2. 語構成と詳細な意味
- 語構成:
- 語幹: “trust” (信頼・信託)
- 接尾語: “-ee” (「~される人」を表すことが多い語尾)
- 語幹: “trust” (信頼・信託)
「-ee」は、雇われる人を表す「employee」や、助けられる人を表す「employee」と語構成が近いです。「trustee」は、「信託される人」というニュアンスになりますが、実際には「信託を受けて財産を管理する人」を指します。
派生語・類縁語:
- trust (動詞)
- trustful (形容詞)
- trustworthy (形容詞: 信用に足る)
- trustee-ship (名詞: 受託者としての資格・職務)
- trust (動詞)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個):
- “appoint a trustee” (受託者を任命する)
- “act as trustee” (受託者として行動する)
- “board of trustees” (理事会、評議員会)
- “trustee responsibilities” (受託者の責任)
- “fiduciary duty of a trustee” (受託者の忠実義務)
- “corporate trustee” (法人受託者)
- “individual trustee” (個人受託者)
- “trustee in bankruptcy” (破産管財人)
- “appointing a successor trustee” (後任の受託者を任命する)
- “remove a trustee” (受託者を解任する)
- “appoint a trustee” (受託者を任命する)
3. 語源とニュアンス
語源:
“trust” は古英語の “treowian” (信頼する) が語源で、「紐帯」「確信」を意味します。そこに “-ee” の形が付け足され、フランス語由来の「~される人」という意味合いの形が合わさって「trustee」という形になりました。歴史的背景:
法律的・社会的に「信託」は長い歴史のあるシステムで、中世から土地や財産を他人に管理させる仕組みが存在しました。英語圏では財産管理の観点で利用され、現代では法人でも個人でも「trustee」はよく使われる用語となっています。ニュアンスと使用上の注意:
- 法律やビジネス文書でフォーマルに使われることが多い。
- 「trustee」は「委託者(trustor)」とは異なり、「託された人」を指すため、混同しないように注意が必要です。
- 場面としては、相続、遺言信託、破産手続き、会社の退職金制度などで登場します。
- 法律やビジネス文書でフォーマルに使われることが多い。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての用法
- 可算名詞(a trustee / trustees)
- 文の位置: しばしば主語や補語、目的語として使われる
- 例: “He serves as a trustee for the foundation.”(彼はその財団の受託者を務めている)
- 可算名詞(a trustee / trustees)
イディオム・構文例
- “serve as a trustee” → 受託者として務める
- “appoint someone trustee” → (人)を受託者に任命する
- “trustee in bankruptcy” → 破産手続きにおいて財産管理を行う受託者
- “serve as a trustee” → 受託者として務める
フォーマル/カジュアル:
- 非常にフォーマルな文脈で使われることが多い。日常会話で軽い話題に用いることはほとんどありません。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文(ただし法律や財産管理が話題になる場合)
- “My grandfather named my uncle as the trustee of his estate.”
- 祖父は、自分の財産管理者として私の叔父を指名しました。
- 祖父は、自分の財産管理者として私の叔父を指名しました。
- “I don’t know all the details, but apparently the trustee is responsible for distributing the money.”
- 詳細は分かりませんが、どうやら受託者がお金の配分をする責任を負うそうです。
- 詳細は分かりませんが、どうやら受託者がお金の配分をする責任を負うそうです。
- “She became the trustee for her younger sibling’s trust fund.”
- 彼女は弟の信託基金の管理者になりました。
- 彼女は弟の信託基金の管理者になりました。
5.2 ビジネスでの例文
- “The board of trustees will meet next week to discuss the organization’s budget.”
- 来週、理事会が組織の予算について議論します。
- 来週、理事会が組織の予算について議論します。
- “We need to appoint a new corporate trustee for this pension plan.”
- この年金制度のために新たな法人受託者を任命する必要があります。
- この年金制度のために新たな法人受託者を任命する必要があります。
- “As a trustee, you must act in the best interests of the beneficiaries.”
- 受託者として、受益者の最善の利益のために行動する必要があります。
- 受託者として、受益者の最善の利益のために行動する必要があります。
5.3 学術的・法的文脈での例文
- “The trustee has a fiduciary duty to protect the assets of the beneficiaries.”
- 受託者は受益者の資産を保護する忠実義務があります。
- 受託者は受益者の資産を保護する忠実義務があります。
- “In bankruptcy proceedings, a trustee is appointed to handle the liquidation of assets.”
- 破産手続きでは、受託者が資産の清算を行うために任命されます。
- 破産手続きでは、受託者が資産の清算を行うために任命されます。
- “According to the trust agreement, the trustee must provide annual reports.”
- 信託契約によると、受託者は毎年の報告書を提出しなければなりません。
- 信託契約によると、受託者は毎年の報告書を提出しなければなりません。
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- “administrator”(管理者)
- 一般に組織の運営管理を行う人を指し、必ず信託関係とは限りません。
- 一般に組織の運営管理を行う人を指し、必ず信託関係とは限りません。
- “executor”(遺言執行者)
- 遺言書に基づいて財産を処理する人。
- 遺言書に基づいて財産を処理する人。
- “custodian”(保管人)
- 財産を安全に保管する人や機関。
- 財産を安全に保管する人や機関。
- “administrator”(管理者)
反意語:
- “beneficiary”(受益者)
- 財産の利益を受ける人。trusteeは管理者、beneficiaryはその恩恵を受ける人。
- 財産の利益を受ける人。trusteeは管理者、beneficiaryはその恩恵を受ける人。
- “beneficiary”(受益者)
ニュアンスの違い:
「administrator」や「custodian」は資産を管理する点では似ていますが、法律的な「信託を受ける」という厳密な立場ではなく、より広い意味の管理を指すことが多いです。また、「executor」は遺言の執行に限られるため、状況が限定されます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /trʌˈstiː/
- イギリス英語 (RP): [trʌsˈtiː]
- アメリカ英語: [trʌsˈtiː]
- イギリス英語 (RP): [trʌsˈtiː]
- 強勢: 「trust*ee*」の「ee」の部分にアクセント。「トラス・ティー」のように発音します。
- よくある間違い:
- “trusty” (/ˈtrʌsti/) と混同。 “trusty”は「信頼できる」という形容詞。アクセントとスペルに注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “trustee” の “-ee” の部分を “-ie” と書いてしまう誤りなど。
- 同音異義語との混同: “trusty” (形容詞) と発音やスペリングが似ていますが異なる意味です。
- TOEICや英検などの試験での出題傾向:
- 法律・ビジネス文脈の語彙問題で登場する可能性があります。
- 契約や財務関連のリーディング長文問題で「trustee」という単語が出ることがあるため、文脈から意味を推測できるようにしておくようにしましょう。
- 法律・ビジネス文脈の語彙問題で登場する可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “trust” + “-ee” と覚えましょう。 “-ee” は「~される人」の意味(employ*ee=雇われる*人)なので、「trustee」は「信託(される)人」→「託された人(管理者)」というイメージを作ると覚えやすいです。
- 「trust(信頼)を置かれて預かる人=trustee」と連想すると記憶に残るでしょう。
- 「-ee」の仲間をまとめておくとスペルや使い方を区別しやすいです。たとえば、employee, payee, addressee などとの共通点を見つけると混乱しにくくなります。
以上が “trustee” の詳細な解説です。フォーマルかつ法律的な文脈でよく登場しますので、ビジネスや法学の文書を読むときにはぜひ押さえておいてください。
(他人の財産の)受託者,保管人
(学校などの)評議員,理事