元となった辞書の項目
rock
解説
動詞「rock」の詳細解説
1. 基本情報と概要
◇ 意味(英語&日本語)
- 英語: to move (someone or something) back and forth or from side to side; to shake or sway.
- 日本語: 「前後または左右に揺する・揺れる」という意味です。子どもを寝かしつける時に揺らしたり、椅子を揺らすイメージです。また、比喩的に「感動させる」「盛り上げる」のような意味でも使われます。たとえば、音楽やステージで使われる「盛り上げる」「ノリノリにする」ニュアンスも含みます。
「rock」は動詞として、「揺れ動かす・揺れ動く」だけでなく「大きな衝撃を与える」「熱狂させる」のような意味合いでも使われます。カジュアルな場面では「最高だよね!」のように支持や称賛を表す場面でも用いられます。
◇ 品詞
- 動詞 (Verb)
◇ 活用形
- 現在形: rock (主語が3人称単数なら
rocks
) - 過去形: rocked
- 過去分詞: rocked
- 現在分詞/動名詞: rocking
◇ 他の品詞例
- 名詞: rock(岩、石、または「ロック音楽」などの意味)
- 形容詞: rocky(岩だらけの、不安定な などの意味)
◇ CEFRレベルの目安
- B1 (中級): 「rock」という動詞は頻出度が高く、音楽や日常表現などでもよく登場します。ただし「揺する」「揺れ動く」「感動させる」のような幅広い意味があるため、中級レベルで意味の使い分けを学ぶとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
◇ 語構成
- 接頭語や接尾語という構成ではなく、古い英語の動詞形から来ています(語幹: “rock”)。
◇ 関連する派生語や類縁語
- rocking chair(名詞): 揺り椅子
- rocker(名詞): ロッカー(ロック音楽を演奏する人)、または揺り椅子などを指すことも
◇ よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- rock the cradle(ゆりかごを揺らす)
- rock the boat(事を荒立てる、波風を立てる)
- rock the stage(ステージを盛り上げる)
- rock someone’s world(人に大きな衝撃を与える、感動を与える)
- rock back and forth(前後に揺れる/揺らす)
- rock out(音楽に合わせてノリノリになる、熱狂する)
- rock a party(パーティを盛り上げる)
- rock a baby to sleep(赤ちゃんを揺らして寝かしつける)
- rock an outfit(衣服をかっこよく着こなす)
- rock steady(安定して揺れる、あるいは心地よいグルーヴを生む レゲエ曲タイトルにも使用)
3. 語源とニュアンス
◇ 語源
- 古英語の “roccian” に由来し、「前後に揺らす」という意味がありました。そこから音楽表現(rock music)へと転じ、「ノリノリ」「盛り上げる」というイメージも加わりました。
◇ ニュアンス・使用時の注意
- 「rock」はカジュアルな場でもフォーマルな場でも使うことはできますが、特に音楽や口語表現では「盛り上がる」「最高にクールだ」というカジュアルなニュアンスが強く出ます。
- 「rock the boat」のようなイディオムでは比喩的に「事を荒立てる」「波風を立てる」という意味になるため、直訳で「船を揺らす」とだけ捉えないように注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
◇ 構文・イディオム例
- 主語 + rock + 目的語 + to sleep
- 例: She rocked the baby to sleep.
- (他動詞構文)
- 例: She rocked the baby to sleep.
- 主語 + rock + 副詞/副詞句
- 例: The boat rocked gently on the waves.
- (自動詞構文)
- 例: The boat rocked gently on the waves.
- rock out (句動詞)
- 例: We rocked out to our favorite band last night.
- (カジュアル、音楽シーンで使われる)
- 例: We rocked out to our favorite band last night.
◇ 使用シーン
- フォーマル: 「rock some process, rock the industry(業界を震撼させる)」など、比喩的に深刻な影響を与えることを示すときに使われる。
- カジュアル: 「rock out, rock the stage, rock my outfit」など、気軽に楽しい場面やファッションの文脈で使われることが多い。
◇ 他動詞・自動詞のポイント
- 他動詞: “He rocked the chair.”(椅子を揺らした)
- 自動詞: “The chair rocked.”(椅子が揺れた)
5. 実例と例文
以下では「日常会話」「ビジネス」「学術的」のそれぞれで3例ずつ示します。
◇ 日常会話
- “Can you rock the baby for a moment? I need to answer the phone.”
- 「赤ちゃんをちょっと揺らしてくれる?電話に出ないといけないの。」
- 「赤ちゃんをちょっと揺らしてくれる?電話に出ないといけないの。」
- “I love how this song rocks; it really gets me pumped up!”
- 「この曲、めっちゃノリノリで大好き!聴くとテンションが上がるんだよね!」
- 「この曲、めっちゃノリノリで大好き!聴くとテンションが上がるんだよね!」
- “Don’t rock the boat while I’m standing up, okay?”
- 「立ってるときにボートを揺らさないで、わかった?」
◇ ビジネス
- “The new CEO’s vision really rocked the entire industry.”
- 「新しいCEOのビジョンは業界全体に衝撃を与えた。」
- 「新しいCEOのビジョンは業界全体に衝撃を与えた。」
- “We need a strategy that will rock the market and establish our brand.”
- 「市場を揺るがして、私たちのブランドを確立する戦略が必要だ。」
- 「市場を揺るがして、私たちのブランドを確立する戦略が必要だ。」
- “His presentation rocked the audience; everyone was so engaged.”
- 「彼のプレゼンは聴衆を大いに惹きつけ、みんな夢中になっていた。」
◇ 学術的な文脈
- “The data rocked our initial assumptions about the experiment.”
- 「そのデータは私たちの実験に対する当初の仮説を揺るがすものだった。」
- 「そのデータは私たちの実験に対する当初の仮説を揺るがすものだった。」
- “His disruptive theory rocked the foundation of classical physics.”
- 「彼の破壊的な理論は古典物理学の基礎を揺るがした。」
- 「彼の破壊的な理論は古典物理学の基礎を揺るがした。」
- “Recent findings have rocked the consensus in evolutionary biology.”
- 「最近の発見は進化生物学の定説を揺るがしている。」
6. 類義語・反意語と比較
◇ 類義語
- sway(揺れる / 揺らす)
- 「左右にゆっくりと揺れる」ニュアンスが強め。
- 「左右にゆっくりと揺れる」ニュアンスが強め。
- shake(振る / 揺れる)
- 「素早く振る」イメージで、rockよりも動きが強い場合が多い。
- 「素早く振る」イメージで、rockよりも動きが強い場合が多い。
- swing(揺れる / ぶらぶらする)
- 「弧を描いて揺れる」ような動きを指す。
- 「弧を描いて揺れる」ような動きを指す。
- vibrate(振動する)
- 「小刻みに高速に揺れる」場合に使う。
◇ 反意語
- steady(安定させる / 安定する)
- まったく揺れていない状態を示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /rɒk/ (イギリス英語), /rɑːk/ (アメリカ英語)
- アクセント: 「rock」は1音節なので特にアクセントは一か所のみ(最初で最後の音)。
- イギリス英語では “o” が短めの「オ」に近い音。アメリカ英語では /rɑːk/ と「アー」に近い音になる。
- よくある間違いとして、 /l/ と混同して “lock” (/lɒk/) にならないように注意が必要。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “roc” や “rok” とつづってしまうケースがあるので注意。
- 同音異義語との混同: “rock” (岩) と “rock” (揺する) はスペルも同じで、名詞・動詞で意味が変わるが文脈から判断する。
- 試験対策: TOEICや英検などで出題される場合、イディオム「rock the boat」「rock the cradle」などが慣用表現として問われることがある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「赤ちゃんを揺らすゆりかご(cradle)をrockする」イメージで覚えると、揺すっている様子を想像しやすくなります。
- 音楽の「ロック (rock music)」と結びつけて、「身体を揺らしながらノリノリになる」という連想をすると覚えやすいです。
- スペリングがシンプルなだけに、つづりミスをしないように「ro + ck = rock」と唱えて覚えておくのがおすすめです。
以上が、動詞「rock」の詳細解説です。揺らすという基本的な意味に加え、比喩的に相手に衝撃を与えたり、盛り上げたりするイメージが含まれる点に注目して学習すると、より自然な表現が身につくでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
(リズムをつけて)…‘を'前後に(左右に)そっと揺り動かす
意味(2)
…‘を'震動させる,振動させる
意味(3)
前後に(左右に)そっと揺れ動く
意味(4)
震動する,激しく揺れる
意味(5)
《話》…‘の'気を転倒させる,‘に'ショックを与える