最終更新日:2025/02/25
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元となった辞書の項目

defer

【動/自】 (敬意を表して)《人・希望・意見などに》従う, 言う通りにする

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私は君の判断を尊重する。

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解説

「defer」の詳細解説


1. 基本情報と概要

品詞: 動詞 (verb)

意味(英語):

1) To postpone or delay something (何かを延期・先送りする)

2) To yield to someone else’s opinion or judgment (相手の意見・判断に従う)

意味(日本語):

1) 「延期する」「先送りにする」という意味です。ある計画や決定を先の時点に延ばす時に使われます。

2) 「〜に従う」「敬意を表して判断を委ねる」という意味もあります。自分よりも知識や経験のある人などを尊重して、相手の判断を仰ぐニュアンスがあります。

「defer」はフォーマルなシーンで使われやすく、文章やビジネス上のやり取り、かしこまった会議などの場面で用いられることが多い単語です。

活用形:


  • 現在形: defer

  • 過去形: deferred

  • 過去分詞: deferred

  • 現在分詞: deferring

    (語末が「fer」→「ferr」となる形に注意)

他の品詞形:


  • 名詞形: deferral (延期、先送り)

  • 名詞形(もう一つの意味に関連): deference (敬意、服従)

  • 形容詞形は直接はありませんが、「deferential」(礼儀正しく相手を立てるさま)という形容詞が関連語として存在します。

CEFRレベル目安: B2(中上級)

・会議や契約文書で使われるなど、ビジネスやアカデミックでの使用頻度が高い単語です。


2. 語構成と詳細な意味

語構成:


  • 接頭辞「de-」: 下に、離れて、または反転の意味を持つことが多い

  • 語幹「fer」: 「運ぶ」「もたらす」を意味するラテン語由来

「defer」はラテン語の “dēferre” (“de” + “ferre”=下へ運ぶ、持参する) に由来し、そこから「外部に持っていく」→「(相手の判断に)持って行って委ねる」「後へ回す」というイメージが発展しました。

関連語・派生語:


  • deferral: 延期、保留

  • deference: 敬意、服従

  • deferential: (相手に)敬意を表するさま

よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個):


  1. defer a decision(決定を先送りする)

  2. defer payment(支払いを延期する)

  3. defer to someone’s judgment(誰かの判断に従う)

  4. defer to authority(権威に従う)

  5. defer action(行動を延期する)

  6. defer the meeting(会議を延期する)

  7. request a deferral(延期を要請する)

  8. defer taxes(納税を先延ばしにする)

  9. defer discussing the matter(話題の議論を先送りする)

  10. defer an announcement(発表を延期する)


3. 語源とニュアンス

語源: 上でも触れたとおり、ラテン語の “dēferre” から来ています。「de-」(下に)+「ferre」(運ぶ)という組み合わせです。もともとは「運んで行く」「差し出す」といった意味合いから、現代では「延期する」「相手に判断を委ねる」という意味を持つようになりました。

使用時のニュアンスと注意点:


  • 「延期する)defer」の意味は、フォーマル度が高い表現で「postpone」と類似しています。

  • 「従う)defer to」の意味では、主に相手を尊重する文脈で使われ、少しかしこまったニュアンスがあります。口語でも使われますが、あまりカジュアルではありません。より敬意を示す、丁寧な印象になります。

  • ビジネス文書や公式な場面、法律文書などでよく見られます。


4. 文法的な特徴と構文

1) 延期する(postponeの意味でのdefer)


  • 通常は他動詞として「defer + 目的語」という形をとります。

    例: “They decided to defer the conference until next month.”

  • 「defer doing something」の形も可能です。

    例: “They deferred producing the final report.”

2) 従う(yieldの意味でのdefer)


  • 「defer to + 人(または意見・判断)」の形で使われます。

    例: “I will defer to your expertise on this matter.”

可算・不可算


  • 動詞なので可算・不可算の区別はありません。名詞形 “deferral” は可算名詞で、複数形も存在します (“deferrals”)。

使用シーン


  • フォーマル: ビジネス文書、会議、法的文書などで多用

  • カジュアル: 日常会話ではより「put off」や「postpone」のほうが使われがち。敬意を示す意味での「defer to …」は丁寧な場面で用いられます。


5. 実例と例文

5.1 日常会話での例文


  1. “Let’s defer the trip to next weekend; the weather is terrible now.”

    (天気が悪いから、旅行は来週末に延期しよう。)


  2. “I’ll defer to you on restaurant choices; you know the area better.”

    (レストラン選びはあなたにお任せしますね。そこのお店、詳しいでしょう。)


  3. “We decided to defer painting the house until we have more free time.”

    (もっと時間ができるまで、家のペンキ塗りは先延ばしにすることにしたよ。)


5.2 ビジネスシーンでの例文


  1. “We need to defer the project launch until the budget is finalized.”

    (予算が確定するまで、プロジェクトの立ち上げを延期する必要があります。)


  2. “I will defer to the department head’s decision on this hiring matter.”

    (この採用に関しては、部長の判断に従います。)


  3. “The committee agreed to defer the final vote to next Thursday.”

    (委員会は最終投票を来週木曜日まで延期することに合意しました。)


5.3 学術的な文脈での例文


  1. “The researchers decided to defer publication until the peer-review process is completed.”

    (研究者たちは、ピアレビューが完了するまで論文の公開を延期することにした。)


  2. “We defer to the new findings in the latest journal article.”

    (最新のジャーナル記事に載っている新しい知見を尊重します。)


  3. “Due to unforeseen technical difficulties, the conference organizers opted to defer some sessions.”

    (予期せぬ技術的問題のため、学会の主催者は一部のセッションを延期することに決めた。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語(synonyms)


  1. postpone (延期する) – 「defer」よりややカジュアル。日常会話でもよく使われます。

  2. put off (先延ばしにする) – 非常にカジュアル。口語表現。

  3. yield (譲る、従う) – 「defer to」と同様に「他人に譲る」という意味で似ていますが、より一般的な単語です。

反意語(antonyms)


  • advance (予定を早める) – 「延期する」の反対。

  • expedite (迅速に進める) – 「早める、スピードアップさせる」という意味。


7. 発音とアクセントの特徴

発音記号(IPA)


  • アメリカ英語: /dɪˈfɝː/ (ディファー)

  • イギリス英語: /dɪˈfɜː(r)/ (ディファー)

アクセント(強勢)の位置


  • 「fer」の部分に強勢があります。de-FER のように後ろの音節を強く発音します。

よくある発音の間違い


  • 「differ」と混同して /ˈdɪf.ər/ のように発音してしまうケースがありますが、「fer」の部分を強く発音して「ディファー」とするのが正しいです。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルミス: differ と混在しがち。 “defer” は e → f → e → r の順番を確認。

  2. 意味の取り違え: 「延期」と「従う」という2種類の意味があるので、文脈に注目しましょう。

  3. TOEIC・英検などの試験: ビジネス文脈で “defer payment,” “defer a decision,” “defer to the boss” といった表現が出ることがあります。特に「敬意を示す・譲る」という意味が設問で問われることがあるため、日本語訳で「延期する」か「従う(相手を尊重する)」か間違えないようにしましょう。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 覚え方のコツ: 「DelayでこれをFAR(遠く)にする」→ “de-FAR(fer)” と考えると、「何かを後ろに遠ざけるイメージ」で「延期」だと覚えやすいかもしれません。

  • “defer to”は人に判断を“預ける”イメージ: 誰かのところに意見・判断を“運んでいく(fer)”と捉えるとわかりやすいです。

  • スペリング: 「defer」は「differ(違う)」とつづりが似ています。混同しないようにしっかり綴りを確認しましょう。

  • 発音: 後ろにストレスがあるので “di-FER” と2音節目を強調するイメージで覚えておくとよいです。

以上が「defer」の詳細解説です。ビジネスや学術、少しかしこまった場面で「延期する」「〜に従う」という両方の意味に注意しながら使い分けると、より自然な英語表現ができるようになります。

意味のイメージ
defer
意味(1)

defer to+》(人・希望・意見などに)従う

意味を覚えるための辞書問題

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