farther
以下では、副詞 “farther” について、学習者目線でできるだけわかりやすく詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)と概要
- 英語: “farther” = “at or to a greater distance”
- 日本語: 「(物理的な)より遠くに、もっと先に」
「far(遠い)」の比較級として使われる単語で、特に「物理的な距離がより遠い、さらに先へ」というニュアンスがあります。
「誰かが行った場所や物理的に離れている場所に関して、より遠い位置」を表す時に使用する副詞です。日常会話でもよく使われますが、同じ意味で“further”が使われることも多いです。伝統的には“farther”が物理的な距離、“further”が抽象的な距離に使われる、とよく言われますが、実際の会話ではかなり混用されます。
品詞
- 副詞 (adverb)
(形容詞としても使われる場合がありますが、ここでは副詞に焦点を当てます)
活用形
- far → farther / further (比較級) → farthest / furthest (最上級)
他の品詞形
- 形容詞として “farther” / “further” を用いることもあります。たとえば形容詞として “the farther part of the garden”「庭のもっと奥の部分」のように使われます。
- 動詞や名詞形はありません。
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
- 「far」はA2レベル(初級)に近いですが、“farther”や“further”は文法項目で習うため、少しレベルが上がります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “far”(英語で「遠い」の意)
- 接尾辞: -ther (比較級を形成する語尾)
なお、“far” は古英語にさかのぼる単語ですが、比較級“farther”では“-ther”が比較級表示を兼ねています。
派生語や類縁語
- far (形容詞/副詞) : 遠い・遠くに
- farther (形容詞/副詞) : farの比較級(物理的距離)。
- farthest (最上級) : 「最も遠い」という意味。
- further / furthest : 物理的にも抽象的にも使われる比較級・最上級。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- go farther → さらに遠くへ行く
- travel farther → さらに遠くまで旅する
- move farther away → もっと遠くへ離れる
- reach farther → (手を伸ばして)より遠くに届く
- stray farther from ~ → ~からさらに離れる
- drive farther → さらに車を走らせる
- push farther → (計画などを)さらに先へ進める
- look farther ahead → (将来などを)もっと先まで見据える
- farther down the road → (道の)もっと先で
- stretch farther → (広がりが)より遠くまで広がる
3. 語源とニュアンス
語源
- “far” は古英語で “feorr” などが起源。比較級として“farther”は中英語期から使われている表現です。
微妙なニュアンスや感情的な響き
- 物理的とか感覚的な「距離の離れ」を強調する時に使われます。
- “further” と比べると、“farther”はより「現実の、物理的な距離」を表すことが多いとされます。ただし、実際の会話での区別は必ずしも厳密ではありません。
使用時の注意点
- カジュアルからフォーマルまで幅広く使えます。文書でも会話でも見られる単語です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文・イディオム
「far + 比較級(farther) + than ~」
例: “My house is farther than yours from here.”
(私の家はここからあなたの家よりも遠いです。)形容詞として: “the farther end”
例: “He parked his car at the farther end of the lot.”
(彼は駐車場のもっと奥の方に車を止めた。)イディオムというよりは比較表現や程度を示すときに頻繁に使われます。
可算・不可算や他動詞・自動詞などの使い分け
- 副詞なので “farther” 自体は可算・不可算の区別なし。
- 形容詞としても同様に物理的距離にのみ焦点を当てます。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you move the table a bit farther from the wall?”
(テーブルを壁からもう少し離してくれる?) - “I can’t walk any farther, my legs are tired.”
(これ以上遠くには歩けないよ、足が疲れちゃった。) - “Let’s drive a little farther and see if there’s a better restaurant.”
(もうちょっと先まで行ってみて、もっといいレストランがあるか見てみよう。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “We need to look farther into the statistics before making a decision.”
(決定を下す前に、その統計データをもっと深く(先まで)調べないといけません。)
※ 物理・抽象どちらも混用可能な例 - “Could you place the projector farther back so everyone can see the screen clearly?”
(皆がスクリーンをはっきり見られるように、プロジェクターをもっと後ろに置いてもらえますか?) - “Let’s take this discussion farther to ensure we cover all necessary points.”
(この議論をさらに先へ進めて、必要なポイントをすべてカバーしましょう。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “Our research aims to go farther in understanding the genetic factors involved.”
(私たちの研究は、関与する遺伝的要因をより深く理解することを目指しています。) - “By placing the detector farther from the core, we minimized interference.”
(検出器をコアからさらに離すことで、干渉を最小限に抑えました。) - “Farther exploration of the data is required to draw a definitive conclusion.”
(明確な結論を出すには、さらなるデータの深掘りが必要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “further” (さらに、もっと先に/遠くに)
- “further” は物理的距離だけでなく、抽象的距離(議論や状態など)にも使いやすい単語。
- 例: “Let’s discuss this matter further.”(抽象的で物理的な距離ではなく、議論を先へ進めるイメージ)
- “further” は物理的距離だけでなく、抽象的距離(議論や状態など)にも使いやすい単語。
- “beyond” (~を越えて、はるか先に)
- 物理的にも概念的にも範囲を越えるニュアンスを持つ。
- 例: “The town is just beyond the mountains.”
- 物理的にも概念的にも範囲を越えるニュアンスを持つ。
- “more distant” (もっと遠い)
- 形容詞的に使われる表現。口語ではあまり見かけない。
反意語
- “closer” (より近い)
- “nearer” (より近い)
7. 発音とアクセントの特徴
IPA
- アメリカ英語: /ˈfɑːrðər/
- イギリス英語: /ˈfɑːðə(r)/
強勢(アクセント)の位置
- “far-” の部分に強勢が来ます: FAR-ther
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- イギリス英語では “father” の発音に近い /fɑːðə/ の感覚
- アメリカ英語では “far” の要素がよりはっきり /fɑːrðər/
よくある発音の間違い
- /fɑːr/ の “r” を綺麗に発音しないと、 /fɑːðər/ と混ざってしまうことがある。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “farther” を “further” と混同するケースがよくあります。
- 同音異義語との混同: “father” (父) とはつづりと発音が似ており、慣れないと聞き間違いしやすいです。
- “farther” と “further” の区別
- もともと、“farther” = 物理的距離 / “further” = 抽象的距離、というイメージですが、実際は混用されます。
- 試験やライティングで区別したい場合は、「物理的距離」を「farther」で表すと無難でしょう。
- もともと、“farther” = 物理的距離 / “further” = 抽象的距離、というイメージですが、実際は混用されます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「far(遠い)+ -ther(比較級の語尾)」のイメージで、「遠いものがもっと‘そこから先に’」という点を意識して覚えるとよいでしょう。
- 「‘father’ に rがひとつくっついて“farther”」と混同しないように、 スペルをしっかり確認する習慣をつけるとミスを防げます。
- “far” の発音をしっかり伸ばして「ファー」の感覚を意識することで、「何かからかなり離れる」というイメージを結び付けると覚えやすいでしょう。
以上が副詞 “farther” の詳細解説です。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く活用される表現なので、“further”との使い分けも意識しながら、ぜひ活用してみてください。
(距離的に)さらに遠く,もっと先に
(程度が)さらに,それ以上に