pass
以下では、名詞の「pass」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: pass
- 日本語: パス(通行許可証・切符・峠・球技のパスなどを指す)
たとえば「boarding pass(搭乗券)」「bus pass(バス定期券)」など、何かを通過・入場するために必要な券や許可証を表すときによく使われます。また、「mountain pass(峠)」といった地形の意味もありますし、スポーツでは「スルーパス」「パス回し」などに相当する言葉としても使われます。日常会話からビジネス、観光、スポーツまで幅広い場面で登場する単語です。
品詞と活用
- 品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
- 主な形:
- 単数形: pass
- 複数形: passes
- 単数形: pass
名詞以外では動詞としても非常に頻繁に使われます(例: “to pass the exam” 「試験に合格する」など)。
CEFRレベルの目安
- A2(初級)~B1(中級)程度
- 「乗り物の乗車券」「峠」「通行証」など比較的基本的な語彙として学習しますが、文脈によってはやや複雑になる場合もあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語・接尾語: 特にない
- 語幹: pass
歴史的にはフランス語「passer」やラテン語「passus」(足を踏み出すこと)あたりに由来しており、もともとは「通る」「通過する」という意味に関連します。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- boarding pass(搭乗券)
- bus pass(バス定期券)
- season pass(シーズン券)
- annual pass(年間パス・年パス)
- mountain pass(峠)
- exam pass(試験の合格証/合格)
- press pass(報道関係者証)
- visitor pass(来館者パス)
- VIP pass(VIP入場券)
- pass interference(パス妨害:アメリカンフットボールなどの反則)
これらは主に「通行・入場を許可する」用途で使われたり、山道など地理的な「峠」を指したり、スポーツの「パス」を指したりします。
3. 語源とニュアンス
語源
「pass」は、古フランス語の“passer”(通る、通過する)やラテン語の“passus”(歩み、足の一歩)を経て英語に導入されてきました。
「何かを通る」「超える」という概念がベースになっています。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「通行を許可する券」や「峠」のように、「何かを越える・通るための手段や場所」というニュアンスが根本にあります。
- カジュアル~フォーマルな場面どちらでも使われますが、文脈によってはきちんと意味を区別する必要があります。たとえばビジネスシーンで「pass」はしばしば「通行証」「入館証」としての意味で使われます。
- スポーツ文脈では「ボールを渡す行為」を指し、動詞・名詞ともに頻繁に登場します。
4. 文法的な特徴と構文
可算名詞
「pass」は可算名詞として扱われます。
- 単数形: a pass (例: I have a pass to enter the building.)
- 複数形: passes (例: Season passes are often cheaper in the long run.)
一般的な構文例
- “to get a pass” (パスを手に入れる)
- “to show (someone) one’s pass” (パスを見せる)
- “to lose (one’s) pass” (パスをなくす)
イディオム
- “give someone a free pass”
- 「ただで入れるようにする」「見逃してあげる」のような比喩表現で使われることもあります。
- 「ただで入れるようにする」「見逃してあげる」のような比喩表現で使われることもあります。
- “hall pass”
- 学校で廊下や他の部屋へ移動する許可証の意味(主に米国文化)
- 学校で廊下や他の部屋へ移動する許可証の意味(主に米国文化)
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Do you have your bus pass with you?”
(バスの定期券、持ってる?) - “I always keep my metro pass in my wallet.”
(いつも地下鉄のパスは財布に入れてあるんだ。) - “I got a free pass to the amusement park!”
(遊園地のフリーパスもらったよ!)
ビジネスでの例文
- “You’ll need a visitor pass to enter the headquarters.”
(本社に入るには来館者用のパスが必要です。) - “My security pass has expired, so I need to renew it.”
(セキュリティパスが期限切れで更新しないといけない。) - “Please show your employee pass at the reception desk.”
(受付で従業員証を見せてください。)
学術的/フォーマルな文脈での例文
- “A mountain pass was discovered between the two regions, facilitating trade.”
(2つの地域をつなぐ峠が発見され、交易を容易にした。) - “Attendees must wear their conference pass at all times.”
(参加者は常時カンファレンスのパスを身につけること。) - “The study focused on ancient passes used by merchants.”
(その研究は昔、商人によって利用された峠(山道)に焦点を当てた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(同じような意味を持つ単語)
- ticket(チケット)
- 乗り物やイベントのための券。厳密には「pass」とは用途が違う場合もあります。
- 乗り物やイベントのための券。厳密には「pass」とは用途が違う場合もあります。
- permit(許可証)
- 特定の行為を許可する文書。ビジネスや行政書類でよりフォーマル。
- 特定の行為を許可する文書。ビジネスや行政書類でよりフォーマル。
- certificate(証明書)
- 合格や修了を証明する文書。「pass」より公式感が強い。
反意語
名詞として明確な「反意語」は少ないですが、意味的に「通ることができない」イメージだと “barrier” (障壁)などが対比的に挙げられます。また試験などで「合格(pass)」の反対は「fail(不合格)」になりますが、こちらは動詞または名詞としても扱われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /pæs/(「パス」に近い短い母音)
- イギリス英語: /pɑːs/(「パース」のように長めの母音)
- アメリカ英語: /pæs/(「パス」に近い短い母音)
- アクセント: 1音節のみの単語なので、特に移動するアクセントはなく、単独で強めに “PASS” と発音します。
よくある間違いは、イギリス英語での長めの母音を知らずにアメリカ英語スタイルで読む(逆もまた然り)くらいでしょう。しかし通じないわけではありません。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “pas”や“pess”などと間違えないように注意。
- “pas”や“pess”などと間違えないように注意。
- 名詞と動詞の使い分け
- “pass” は動詞としても非常に頻出。文脈が異なるので混同しないように注意。
- “pass” は動詞としても非常に頻出。文脈が異なるので混同しないように注意。
- 意味の幅
- 「合格」「通行証」「峠」「外す」「パス回し(スポーツ)」と多義なので、文脈を見落とすと誤訳・誤解答の原因に。
- 「合格」「通行証」「峠」「外す」「パス回し(スポーツ)」と多義なので、文脈を見落とすと誤訳・誤解答の原因に。
TOEICや英検などでも「board a plane with a boarding pass」「get a pass in a test」のような表現で頻出する可能性が高いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「パスする」「通り抜ける」というイメージを中心に覚えると、どの派生的な意味でも理解しやすくなります。
- スペリングは “p-a-s-s” と一度“a”をはさんで「ダブル s」と意識することで、ミスを減らせます。
- 「パスの役割=通過や通行」のビジュアルを思い浮かべる(チケットでゲートを通る、山道を越える、スポーツでボールを渡す)ことで覚えやすくなるでしょう。
以上が名詞「pass」の詳細な解説です。「通る」「越える」というコアイメージをつかむと、多面的な意味をスムーズに覚えることができます。ぜひ参考にしてみてください。
〈ボール・パック〉‘を'味方の選手に送る,パスする
出入許可[証];無料入場券;(鉄道などの)[フリー]パス
(試験の)合格,及第
山道,峠;細道,抜け道
《話》《a~》困った状況,危機
(奇術・ふき掃除などの)手の動き,手つき
(球技で)送球,パス;(野球で)四球による出塁
(カードゲームで)パス