pitch
以下では、名詞 “pitch” をできるだけ詳しく解説します。マークダウン形式で整理していますので、学習の参考にしてください。
1. 基本情報と概要
単語: pitch
品詞: 名詞 (他に動詞の用法もあります)
意味(英語・日本語)
(音楽・物理) the highness or lowness of a sound
「音の高さ(または低さ)」を指します。音楽の文脈や、声のトーンを表すときによく使われます。
こういう場面で使われる:音楽の授業で「ピッチが高い」「ピッチを下げる」などと表現するときや、人の声の高さを述べるときに使います。(スポーツ) an area of ground where a game is played, especially in British English
「競技場、特にサッカーなどの試合が行われるフィールド(主に英)」を表します。
こういう場面で使われる:イギリス英語では「サッカー場」を “football pitch” と呼びます。アメリカ英語だと “field” が多いです。(セールス・広告) a persuasive talk or presentation, often for selling or proposing something
「売り込み、提案、プレゼン」などを指します。
こういう場面で使われる:「セールスピッチ」「エレベーターピッチ」のように、アイデアを短い時間で売り込む場面で使われます。(タール様物質) tar or a similar sticky substance
「ピッチ状の物質、タール、アスファルトなど」を指します。
こういう場面で使われる:道路工事などで「ピッチを使う・敷く」などという場合に使われることがあります。(傾斜) the degree of slope or angle
「傾き、傾斜度」を指します。
こういう場面で使われる:屋根の傾斜や、飛行機が上下に動く“ピッチ”など、技術的な文脈で使います。
活用形(名詞)
- 複数形: pitches
他の品詞での用例
- pitch (動詞): 「(ボールなどを)投げる」「(製品や企画を)売り込む」「(テントなどを)張る」など
- 例: “He pitched the ball very fast.”(彼はボールをとても速く投げた)
- 例: “She pitched her idea to the investors.”(彼女は投資家たちにアイデアを売り込んだ)
- 例: “He pitched the ball very fast.”(彼はボールをとても速く投げた)
CEFRレベル: B2 (中上級)
- 「音の高さ」や「売り込み」の意味で、ビジネスや音楽の文脈で頻出し、単語そのものに複数の抽象的な意味があるため、B2(中上級)あたりが目安となります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
“pitch” は短い単語で、はっきりとした接頭語・接尾語は含まれていません。
- 語幹: pitch
派生語や関連語
- pitcher (名詞): 野球などでボールを投げる投手
- pitched (形容詞/過去分詞形): ピッチがある、調子がついた、など
- pitch-black (形容詞): 真っ黒な
- pitchy (形容詞): 音程に関してフラット/シャープになる、またはタール状で粘りのある
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- pitch black → 真っ黒
- sales pitch → 売り込み文句
- pitch a tent → テントを張る
- pitch an idea → アイデアを提案する
- football pitch → サッカーの競技場
- pitch in → 協力する
- perfect pitch → 完全な音感
- high/low pitch → 高い/低い音程
- marketing pitch → マーケティング向けの売り込み
- pitch of the roof → 屋根の傾斜度
3. 語源とニュアンス
語源
“pitch” は古英語 “pic” (ラテン語の “pix” 由来)に起源があり、もともとは「タール」や「樹脂」の意味を持っていました。そこから「粘着力があるもの」→「しっかり張る」→「(位置を)定める・(声や音を)ある高さにする」という派生的な意味合いが生まれ、さらに「(考えを)押し付けるように売り込む」などへ広がりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 同じ “pitch” でも文脈によって全く異なる意味を持つため、前後の文脈をしっかり確認する必要があります。
- “pitch” はビジネス・スポーツ・音楽・建築など、フォーマルでもカジュアルでも広い分野で使われます。
- セールスやビジネスの場で使われる “pitch” は短くまとめあげた提案(「プレゼン」)のニュアンスが強いです。
4. 文法的な特徴と構文
可算名詞 / 不可算名詞:
“pitch” は基本的に可算名詞として使うケースが多いですが、「タール物質」など物質名として使うときには不可算名詞として扱われることがあります。- 例: “There are several pitches in the same stadium.”(同じスタジアムにいくつかの競技場がある)→ 可算
- 例: “They used pitch to seal the roof.”(屋根の隙間を埋めるためにピッチ(タール)を使った)→ 不可算
- 例: “There are several pitches in the same stadium.”(同じスタジアムにいくつかの競技場がある)→ 可算
動詞としても使用可能:
他動詞・自動詞の両方で用いられますが、名詞として覚えるときには注意して区別しましょう。一般的な構文例:
- “give/make a pitch”: 提案をする、売り込みをする
- “on the pitch”: 競技場で (主に英)
- “the pitch of one’s voice”: 声の高さ
- “give/make a pitch”: 提案をする、売り込みをする
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “The pitch of your voice changes when you’re excited.”
(興奮するときは声の高さが変わるよね。) - “It’s pitch black outside, so be careful.”
(外は真っ暗だから、気をつけてね。) - “We decided to pitch a tent by the lake this weekend.”
(今週末は湖のほとりにテントを張ることにしたよ。)
ビジネスでの例文
- “I have to prepare a sales pitch for tomorrow’s meeting.”
(明日の会議に向けてセールスピッチを用意しないといけない。) - “Could you pitch your idea to the board in five minutes or less?”
(取締役会に、5分以内であなたのアイデアを説明してもらえますか?) - “His pitch was so convincing that we decided to partner with his company.”
(彼の提案はとても説得力があったので、私たちは彼の会社との提携を決めました。)
学術的・技術的な文脈での例文
- “When analyzing sound waves, you have to measure the pitch accurately.”
(音波を分析するときには、ピッチ(音の高さ)を正確に測定する必要がある。) - “The pitch of the roof determines how water drains.”
(屋根の傾斜度によって水の流れ方が決まります。) - “In aircraft terminology, ‘pitch’ refers to the angle of the airplane’s nose.”
(航空用語では “pitch” は飛行機の機首の角度を意味します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (意味が似ている単語)
- tone (トーン) → 声や音の高さだけでなく、質感や色味の雰囲気にも使う
- field (フィールド) → スポーツの場合、「競技場」としてはアメリカ英語でよく使う
- proposal (提案) → “pitch” の「プレゼン・売り込み」の意味に近いが、よりフォーマルな印象
- tar (タール) → 「タール」を直接指す単語。物質としてのピッチに近い
反意語
- “pitch” は多義語のため、はっきりした反意語は文脈によります。たとえばスポーツの意味なら “off the pitch”(ピッチの外)が対になる表現になりますが、厳密には「反意語」というより対応語句です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA)
- イギリス英語 (BrE): /pɪtʃ/
- アメリカ英語 (AmE): /pɪtʃ/
- イギリス英語 (BrE): /pɪtʃ/
- アクセント: pitch の場合、1音節なので特に強勢の移動はありません。
- よくある間違い:
- /pitʃ/ と /piːtʃ/ を混同しないように注意してください。「ピーチ (peach /piːtʃ/)」との混同に気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “pitch” を “pich” と書いてしまうケースがあるので注意。
- 同音異義語との混同: “peach” (桃) と “pitch” は音が似ているので要注意。
- 試験対策: TOEICなどでビジネスの場面が出題されるとき、「セールスピッチ」「エレベーターピッチ」などのフレーズが出ることがあります。
- 英検・その他検定: 多義語として文中の意味を把握する問題に出ることがあります。それぞれの文脈を見て判断しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ピッチャーが投げる(pitch)ボール」→ “pitch” の動詞として「投げる」を連想。そこから「売り込み」を「投げかける」とイメージすると覚えやすい。
- “pitch-black” で「真っ黒」→ 黒いタール(pitch)をイメージすると「粘着質で黒い」イメージが浮かびやすい。
- “音のピッチ” → 声や音階を上下させるイメージで覚えると印象に残りやすい。
以上が、名詞 “pitch” の詳細解説です。多様な場面で意味が変わる単語なので、使われる文脈をよく見て使い分けるようにしましょう。
〈U〉〈C〉(…の)度合い,程度(degree)《+of+名》
〈U〉〈C〉音(声)の高さ,調子
〈C〉投げること,投球;投げた拒離
〈C〉《単数形で》《the ~》(船・飛行機の)縦揺れ
〈U〉〈C〉(屋根などの)こう配,傾斜[度];傾斜面《+of+名》
〈C〉《おもに英》(露天商・新聞売り子などの)きまって店を出す場所
〈C〉ピッチ(クリケットで両ウィケット(wicket)の間の部分);ホッケーなどのスポーツを行うように指定された場所
〈C〉《俗》(売り込み・宣伝の)執拗(しつよう)な弁舌